どのソーシャルレンディング会社に投資をするか。その点で悩む方もいるでしょう。会社の情報を判断する材料の一つに、その会社における出資者や株主の情報があります。特に有名企業から出資を受けているソーシャルレンディング会社があれば、その企業は有名企業から事業としての可能性や適正を認められたと判断することも可能です。
そこで各ソーシャルレンディング会社が公開している情報から、それぞれの会社に、どういった出資者や株主がいるのかを確認してみました。
目次
1.ネクストシフトファンド
鳥取発のベンチャー企業であるネクストシフトファンド。代表取締役の伊藤慎佐仁氏は、SBIホールディングスなど、多数の金融関係投資関係企業での役員勤務経験を持つ人物です。
会社概要に出資企業は記載されていませんが、株主として以下のような企業の名前が記載されています。
株主
- 株式会社鳥取銀行
- 株式会社山陰放送
- とっとり地方創生ファンド投資事業有限責任組合
- 谷家衛、他
鳥取を支援する事業を多く手がけるネクストシフトファンドだけに、鳥取銀行や山陰地方といった地元企業が株主として株を保有していることがわかります。比較的小規模なソーシャルレンディング会社であるネクストシフトファンドですが、地元企業の支援を得ているのは、経営者としての伊藤慎佐仁氏の経歴や手腕が評価されているからと言えるでしょう。
2.クラウドクレジット
海外案件を専門に取り扱うソーシャルレンディング会社、クラウドクレジット。代表取締役社長の杉山智行氏は、複数の金融機関での業務経験がある人物です。クラウドクレジットの会社概要をみると、以下のような企業から出資を受けています。
出資企業
- 伊藤忠商事株式会社
- フェムトグロースキャピタル有限責任事業組合
- 有限責任事業組合フェムト・スタートアップ
- マネックスベンチャーズ株式会社
- 株式会社GCIキャピタル
- 第一生命保険株式会社
- 三菱UFJキャピタル株式会社
- LINE Ventures株式会社
- YJキャピタル株式会社
- ソニーフィナンシャルベンチャーズ株式会社
- グローバル・ブレイン株式会社
- SBIインベストメント株式会社
伊藤忠や第一生命保険など、名だたる企業が出資企業として名を連ねています。また複数の有力なベンチャーキャピタルからも出資を受けており、出資に値するだけの評価を受けている企業だと言えるでしょう。
3.Funds
2019年1月からソーシャルレンディング事業に進出したFunds。元々はソーシャルレンディング関係のメディア関係を手がけていた会社です。発足してまだ一年も経っていないFundsですが、会社概要を見ると多数の企業から出資を受けていることが分かります。
出資企業
- B DASH VENTURES株式会社
- 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社
- グローバル・ブレイン株式会社
- 伊藤忠商事株式会社
- SV-FINTECH Fund
- みずほキャピタル株式会社
- AGキャピタル株式会社
- 三菱UFJキャピタル株式会社
伊藤忠関係の会社がこちらにも名を連ねていることも分かるでしょう。伊藤忠商事だけではなく伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社からも出資を受けています。みずほキャピタルや三菱UFJキャピタルといった、銀行系のベンチャーキャピタル企業からの出資も受けています。
またFundsでは第三者割当増資を行い、7億円の資金を上記企業から調達したとのプレスリリースも発信しています。
4.クラウドリアルティ
不動産関係の案件を多数手掛けるソーシャルレンディング会社が、クラウドリアルティです。募集実績数はそれほど多くはありませんが、どの募集案件も満額の資金を集めるなど、投資家から一定の支持を得ることに成功しています。
クラウドリアルティのホームページには、主要株主として以下のような企業名前があります。
主要株主
- カブドットコム証券株式会社
- グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合
- 新生企業投資株式会社
- 株式会社新生銀行
- FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合
- みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合
- 三菱地所株式会社
- 株式会社三菱UFJ銀行
- 三菱UFJキャピタル6号投資事業有限責任組合
こちらもみずほや三菱といった金融機関系のベンチャーキャピタル等からの出資を受けています。ソーシャルレンディング会社としては決して大きな会社ではありませんが、その事業が各方面から評価を受けていることわかってくるでしょう。
5.出資企業の名前だけで信頼するのは危険
しかし、出資企業や株主が有名企業だからといって、それだけでそのソーシャルレンディング会社を完全に信用して安心するのも危険だと言えます。国内ソーシャルレンディング会社で第1位の実績を持ちながら、現在案件の運用を停止しているmaneoのホームページを見てみましょう。株主として以下のような企業の名前が記載されています。
株主
- NLHD株式会社
- GMOフィナンシャルホールディングス株式会社
- 株式会社VOYAGE VENTURES
- MICイノベーション4号投資事業有限責任組合
- SMBCベンチャーキャピタル2号投資事業有限責任組合
- Spiral Ventures Japan Fund 1号投資事業有限責任組合
- アイビス新成長投資事業組合第4号
- 池田泉州キャピタルニュービジネスファンド4号、5号投資事業有限責任組合
- SV-FINTECH1号投資事業有限責任組合
NLHD株式会社は、maneo二代目社長にある瀧本憲司氏から、maneoの85%強の株式の譲渡を受けた会社です。傘下には、別のソーシャルレンディング会社SAMURAIも属しています。
これだけの企業が株主として名前を連ねながら、maneoは行政処分を受け、maneoのシステムを利用していたソーシャルレンディング会社各社も、現在案件の募集を停止している状況となっています。maneoは第三者による調査委員会を設置し、返済遅延などの原因を探っていますが、その調査結果もまだ発表されていません。
外部の会社の出資があるからといって、業務自体が適切な状態で実行されているとは、100%断言できないのもまた事実です。株主の情報は参考にしながらも、その他の要素も勘案して総合的に安全性を判断する必要があります。
まとめ
株主や出資企業をチェックすることは、その企業が一定の評価を獲得し、事業としての可能性を持っているかどうかを判断する材料の一つになります。ただし有名企業が出資しているからといって、必ずその会社で安全なソーシャルレンディング投資ができるかは、必ずしも保証されるものではありません。
各社が出資を判断した段階では適切に業務が行われていても、その後無理な事業拡大の為に監査体制などに不備が発生することや、適正でない活動を行うことは十分に考えられます。
ソーシャルレンディングで投資を判断する時は、様々な角度から情報を集め、自分で本当にそのソーシャルレンディング会社が信用に値するのか、投資先として適切な業務体制を構築しているのかなどを判断しましょう。
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