不動産投資は個人事業主の方でも始めることができますが、一定の収入が見込みやすいサラリーマンとは異なり、融資を受けるには注意点があります。
そこで今回のコラムでは、個人事業主の方が不動産投資を始める方法、さらに融資を受ける際に注意するポイントについても解説していきます。
目次
- 個人事業主が不動産投資を始める方法
1-1.不動産を所有しているケース
1-2.不動産を所有していないケース - 個人事業主の不動産投資で金融機関から融資を受けるコツ
2-1.事業で一定以上の売上がある(3~5期分)
2-2.借り入れ状況の見直しやクレジットカードの利用を減らす
2-3.自己資金をできるだけ多く用意する - まとめ
1 個人事業主が不動産投資を始める方法
不動産を所有していれば、個人事業主の方でも不動産投資を始めることができます。その方法はいくつかありますが、今回はすでに不動産を所有しているケースとこれから所有するケースに分けて代表的なものを紹介していきます。
1-1 不動産を所有しているケース
この項目では、すでに不動産を所有しており、それを活用して不動産投資を始める方法を解説していきます。
マンションを所有している
現在居住しているマンションで不動産投資を始める場合、まずは他の住居に転居することから始まります。主な流れは下記になります。
- 新しい住居に転居し、マンションを空室にする
- 室内のリフォームやクリーニングなどをする
- 仲介業者に入居者の募集をしてもらう
- 入居者が決まったら、賃貸借契約を締結する
- マンションの管理を始める
管理業者に管理を委託する場合は、①から③の間で管理業者と委託契約を結びます。その後の業務は、管理業者に委託することができます。
なお、マンションに住宅ローンが残っている場合、ローン契約を切り替えずに収益マンションとして転用すると契約内容に違反する可能性があります。投資用ローンに切り替えられるかどうか、事前に確認しておきましょう。
土地を所有している
土地を所有している場合、その土地を貸し出す方法や、アパートを建てて入居者を募集する方法、駐車場にする方法、レンタル倉庫にする方法など、様々な土地活用の手段があります。
ここではアパートを建てて不動産投資を始める手順を紹介していきます。
- アパートメーカーを選定する
- アパートのプランを決める
- 建築工事請負契約を結ぶ
- アパートの建設が始まる
- 竣工が近づいた頃に入居者を募集する
- アパートが竣工する
- アパートの引き渡しが行われる
- 入居者の入居が開始され、アパート経営が本格化する
アパートのプランが決まり、竣工されるまでにはおおよそ6ヵ月〜10ヵ月程度かかります。つまりアパート経営を始めようと準備を始めてから、10ヵ月〜1年後くらいにアパート経営がスタートすることになります。金融機関から融資を受ける予定であれば、②〜③の間で金融機関へ融資の申請をします。
1-2 不動産を所有していないケース
次のケースは不動産を所有していない状況から、不動産投資を始める場合です。中古マンションを購入して始める場合と、新築アパートを建てて始める場合の流れを紹介していきます。
中古マンションを購入して不動産投資を始める
中古マンション投資は、物件価格が安く物件の管理に手間がかからないため、不動産投資初心者でも始めやすい方法です。代表的な流れは下記になります。
- 不動産ポータルサイトなどで中古マンションを探す
- 気になる物件を内覧する
- 購入したい物件に対して買付証明書を提出する
- 売主と合意したら不動産売買契約を結ぶ
- 物件が引き渡される
- 入居者がいる場合はそのまま運営を開始する(入居者がいない場合は募集する)
また、管理を自分でするのか、管理業者に委託するのかなど、物件運営が実際に始まるまでに状況に応じて判断することになります。
【関連記事】中古マンション投資のメリット・リスクは?初心者向けの注意点も
新築アパートを建てて不動産投資を始める
新築アパートを建てるケースは、土地を所有しているケースで紹介した手順の前に「土地を探す」という項目が加わります。詳しく見ていきましょう。
- 不動産ポータルサイトなどで土地を探す
- 土地の購入が決まったら、アパートメーカーを選定する
- アパートのプランを決める
- 建築工事請負契約を結ぶ
- アパート建設が始まる
- 竣工が近づいた頃に入居者を募集する
- アパートが竣工する
- アパートの引き渡しが行われる
- 入居者の入居が開始され、アパート経営がスタートする
【関連記事】新築アパート経営で失敗しないために知っておくべき3つの特徴
中古アパートを購入して不動産投資を始める
一方、すでに完成していたり、完成が予定されている土地付きアパートを購入して不動産投資を始める方法もあります。
その場合は下記のような流れになります。
- 不動産ポータルサイトなどでアパートを探す
- アパートメーカーと売買契約を結ぶ
- 引き渡し時期に合わせて入居者を募集する
- アパートの引き渡しが行われる
- 入居者の入居が開始され、アパート経営が本格化する
こちらのケースも②の前後で、金融機関への融資の申し込みなどを行います。不動産投資を始めるには金融機関からの融資が鍵になりますので、次の項目で詳しく見ていきましょう。
【関連記事】中古アパート経営のメリット・デメリットは?注意点やリスク対策も
2 個人事業主の不動産投資で金融機関から融資を受けるコツ
これまで見てきた通り、不動産投資を始めるには金融機関の融資が重要なポイントとなってきます。収益が不安定になりやすい個人事業主は融資審査での評価も厳しくなる傾向があるため、融資を受けるには注意するべきポイントがあります。
下記に、個人事業主の方が金融機関から融資を受ける際のコツを紹介しますのでご参考ください。
2-1 事業で一定以上の売上がある(3~5期分)
金融機関から融資を受ける際には数種類の書類を提出しますが、必須となるのが3期分の決算書と確定申告書です。金融機関では、3期分の事業の推移を確認し、融資の返済を滞りなく行えるのか、事業には将来性があるのか、などを審査します。
このときに注意したいのが、収益のバラツキです。収入や所得、利益などに大きなばらつきがあると経営が不安定であると判断されやすく、融資審査ではマイナスの評価となる可能性があります。また赤字が出ている期がある場合も、融資審査には悪影響となってしまいます。
なお、個人事業主の方の中には新規事業への投資によって会計上の所得を目減りさせ、所得税の課税を圧縮している方もいます。しかし、金融機関からの審査では所得が少ないほど与信が少なくなってしまう点に注意しましょう。
2-2 借入状況の見直しやクレジットカードの利用を減らす
借り入れを行うことは事業活動の一つとも言えますが、融資を受けるためにはできるだけ借入金が少ないことが重要となります。借り入れをしている場合は、繰り上げ返済を行うことなども検討し、できるだけ借入金を少なくしておきましょう。
また事業に関わらなくても、個人事業主の方がクレジットカードなどでキャッシングをしていたり、返済が滞っている場合は融資審査に悪影響があります。日々の生活の資金の流れも確認しておき、不必要なクレジットカードがある場合には解約も検討しておきましょう。
2-3 自己資金をできるだけ多く用意する
不動産投資ローンを活用した場合でも、物件価格の2割~3割程度の自己資金が必要となります。物件価格に対する自己資金割合が多いほど融資の審査も通りやすくなるため、可能であれば3割以上用意しておくといいでしょう。また、借入総額が少なくなることでキャッシュフローが改善され、運用中の毎月の手残り金も多くなります。
ただし、無理をして自己資金を多く用意した場合、運用開始後にトラブルがあった際などに対応できないことも考えられます。無理のない範囲で自己資金を確保してから不動産投資を始めるようにしましょう。
まとめ
不動産投資は個人事業主の方でも始められます。しかし、金融機関から融資を得るためには、本業の収入や現在の借入状況について融資審査で確認されることになります。これらのポイントについて出来るだけ見直しておくことが、個人事業主の方が金融機関から融資を受けるコツとなります。
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倉岡 明広
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