土地の売却前に整地するメリット・デメリットは?地目(用途)別の確認ポイントも

土地を平らにならすことを整地と呼び、売却前に整地を行うことで売却価格が高くなる傾向がある、綺麗な状態を保ちやすくなるなどのメリットがあります。一方で整地にはコストがかかり、舗装によっては用途が制限されてしまうデメリットがあります。

住宅用地(宅地)は固定資産税・都市計画税に影響がある、農地(田・畑など)は売却・転用に届け出が必要といった地目(用地)別の注意点も存在します。

本記事では、整地の概要と種類、メリットとデメリット、地目別の注意点を解説していきます。

目次

  1. 土地の整地とは?
    1-1.粗整地(あらせいち)
    1-2.砕石舗装
    1-3.真砂土舗装
    1-4.コンクリート・アスファルト舗装
  2. 土地の売却前に整地するメリット・デメリット
  3. 地目(用途)別の注意点・確認ポイント
    3-1.宅地を整地する際の注意点
    3-2.田・畑などの農地を整地する際の注意点
    3-3.地目は「現況」で固定資産税に反映される
  4. まとめ

1.土地の整地とは?

土地を平らにならすことを「整地」と呼びます。建物がある場合には解体し、草木が生えている場合は除去した後にロードローラーやタイヤローラーなどの重機で土地を締め固める転圧により土地を整えます。

「更地との違いが分からない」と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、更地とは建物が建っていない土地を指し、雑草や石ころなど不要物がある「整地前」の状態です。整地の方法には主に以下の4種類があります。

  • 粗整地
  • 砕石舗装
  • 真砂土舗装
  • コンクリート・アスファルト舗装

1-1.粗整地(あらせいち)

粗整地とは「粗仕上げ」とも呼ばれる最低限の整地を指します。住居がある際には解体を行い、解体後のガラス片やゴミ、草木などを取り除き土地を重機で締め固め均一にしたものです。

業者によっては不要なものを撤去するだけで、重機での作業を行わない所もありますので希望する際には業者に事前に伝えておくことが重要です。まだ活用方法が決まっていない時に利用されることが多い方法です。

1-2.砕石舗装

砕石舗装は粗整地にした後に細かく砕いた石を敷きつめ転圧する方法です。砕石は主に岩石をクラッシャーで砕いて小石状にしたもので、ホームセンターでも販売されています。

砕石舗装はコンクリート・アスファルトより比較的安価で舗装が可能で、土地の安定性が高まります。

1-3.真砂土舗装

真砂土舗装は土地を粗整地にし、土地の高さを整え花崗岩から作られた「真砂土」を敷いて転圧を行なう方法です。花崗岩を風化させ細かい砂状になった真砂土は、ガーデニングや陶芸などにも使われています。

土による舗装は保水効果があり、夏期の路面温度がアスファルト舗装よりも低いというメリットがあります。一方、土による舗装はコンクリートやアスファルトと比べ耐久性が低く、簡易的な舗装となっています。

1-4.コンクリート・アスファルト舗装

コンクリート・アスファルトは最も強度がある舗装ですが、用途が限られるという特徴があります。土地の高さを整え砕石舗装を行い、コンクリート又はアスファルトで舗装します。

土地を駐車場として利用する場合にはコンクリート又はアスファルト舗装が用いられる事例が多く、住宅用の駐車場はコンクリート、月極や時間貸しの駐車場はアスファルトで舗装されます。

2.土地の売却前に整地するメリット・デメリット

整地するメリット

整地のメリットは土地が高く売却できる可能性があることです。整地を行うことで必ず高く売れるとは限りませんが、購入後に自身で整地を行う必要がなくなるため、高めの価格設定でも売却できることがあります。

また、舗装することで雑草が生えにくくなり綺麗な状態を保ちやすくなるという点もメリットと言えるでしょう

整地するデメリット

一方で整地にはコストがかかる点、舗装によっては用途が限定されてしまうことがデメリットと言えます。整地を行うコストが必ずしも売却価格に反映されないケースもあるため、事前に売却依頼を検討している不動産会社へ相談することも大切なポイントです。

その他、宅地の建物を解体して整地を行う場合には地目が変わり、固定資産税が増額してしまう可能性があります。いずれにしても、売却の戦略によって整地を行うかどうかや、タイミングについては慎重に検討することが大切です。

【関連記事】土地の売却に強い不動産会社を選ぶポイントは?探し方の手順も

3.地目(用途)別の注意点・確認ポイント

土地は用途(使い道)により「地目」という項目が定められており、田・畑・宅地・山林・原野・牧場・雑種地など21種類があります。地目は固定資産税の納税通知書に記載されています。その他、役所の固定資産課税台帳や、固定資産評価証明書を取得することでも把握できます。

本記事では、土地の売却で特に注意しておきたい「宅地」と「農地」について詳しく解説していきます。

3-1.宅地を整地する際の注意点

宅地は住宅用の土地を指します。コンクリート・アスファルト舗装がされている土地にこれから住宅を建てる場合、舗装を撤去しなければなりません。宅地として売却する際には、粗整地にするもしくは砕石舗装を行う事で買主の手間を省けるケースもあるでしょう。

ただし、建物を解体して整地して住宅用地から別の地目(用途)に変更・売却する際には、固定資産税が上がる可能性があります。宅地は「住宅用地の特例措置」が設けられており、固定資産税・都市計画税が住宅の面積に応じて以下のように軽減されています。

固定資産税 都市計画税
住宅1戸につき200㎡までの部分 価格×1/6 価格×1/3
200㎡を超える部分 価格×1/3 価格×2/3

※参照:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

固定資産税は1月1日時点の土地の状態や所有者に対して課されますので、1月1日に住宅が建設されていない状態では住宅用地の特例が適用されず、固定資産税・都市計画税の負担が重くなってしまいます。住宅を解体して土地を売却する場合、宅地から別の地目に変更し売却する際には税金面に注意しましょう。

3-2.田・畑などの農地を整地する際の注意点

田・畑など農地を売却する際には、法務局での所有権移転登記に加えて地元の農業委員会へ届出を行う必要があります。許可を受けずに権利移動を行った場合、契約は無効となり罰則が適用されます。

また、田・畑などの農地から宅地といった用途(地目)を変更(転用)して売却する場合には、転用する農地の売主と買主が連名で農業委員会を通じて必要書類を提出し、都道府県知事の許可を受ける必要があります。これは、農地法5条の「転用目的の権利移動」に当てはまります。

転用目的の権利移動は、以下の2つのケースで届け出が必要となります。

  • 農地を農地以外にする
  • 採草牧草地を採草牧草地以外にする

ただし、市街化区域内(今後約10年以内に市街化を図るべき区域)にある土地は、都道府県知事の許可を得る必要が無く農業委員会への届け出のみで手続きが完了します。

※出典:農林水産省「農地転用許可の手続について

3-3.地目は「現況」で固定資産税に反映される

22種の地目に該当しない土地を雑種地と呼びます。土地の登記は原則申請主義で、登記簿上の地目と現在の使用状況が一致していないケースがあります。

例えば、登記簿での地目は田畑でも、砂利が敷かれているといった場合には雑種地とみなされる可能性があります。地方自治体では「現況の地目」を地目として判断し固定資産税に反映させているため、登記上と納税通知書の地目が異なっている可能性があることに注意しましょう。

まとめ

整地について、種類とメリットとデメリット、地目(用途)別の確認・注意すべきポイントを解説してきました。

整地を行うことで土地を高く売却できる可能性がありますが、購入希望者の用途によって舗装方法が異なり、税金面や手続きにも影響がありますので注意が必要です。

この記事を参考に整地の種類やメリットとデメリットなどを把握し、売却前の準備に活かしていきましょう。

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田中 あさみ

田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。