阪急阪神HD、2022年の株主優待は?配当や権利確定日、注意点も

※ このページには広告・PRが含まれています

鉄道をはじめとして、不動産や小売事業、エンタテインメント事業などを関西中心に幅広く展開する阪急阪神ホールディングス(以下、阪急)の株主優待では、阪急電車・阪神電車で利用できる優待乗車証や、グループ各社で利用できる優待券がもらえます。

今回は2022年度の阪急の株主優待について内容の詳細や配当、注意点などを紹介しますので、銘柄選びの参考にしてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年3月8日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. 阪急の株主優待の内容
  2. 株主優待乗車証の贈呈
    2-1.選択した優待内容の変更には申し込みが必要
  3. グループ優待券の贈呈
  4. 阪急の配当の内容
  5. 阪急の業績の内容
  6. 阪急の企業情報
  7. 阪急の株主優待を受ける場合の注意点
    7-1.業績が大幅に悪化した事業が多い
    7-2.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
    7-3.権利付最終日での購入には注意
    7-4.元本を毀損する可能性がある
  8. まとめ

1.阪急の株主優待の内容

銘柄 阪急阪神ホールディングス
コード 9042
優待回数 2回
優待権利確定月 3月・9月
優待利回り
株価 3,370円
優待を得るための最低投資額 337,000円
権利付最終日 2022年3月29日(火)、9月28日(水)

※2022年3月7日時点のデータ

阪急(阪急阪神ホールディングス・9042)の株主優待の内容は下記のとおりです。

  1. 株主優待乗車証の贈呈
  2. グループ優待券(優待券セット)の贈呈

それぞれ詳しく紹介します。

2.株主優待乗車証の贈呈

阪急の株主優待では、阪急電車・阪神電車の全線で使用できる株主優待乗車証が贈呈されます。3月末・9月末に100株以上を保有する株主が優待の対象となります。

株主優待乗車証には下記の2種類があります。

株主優待乗車証の種類 利用可能範囲
共通回数カード ・阪急電車線全線および阪神電車線全線であればどの区間でも券面記載の回数分利用可能(神戸高速線を除く、金額制限はなし)
※阪急バス、阪神バスなどのバス路線では利用不可
全線パス ・「阪急電車全線パス」は阪急電車線全線、「阪神電車全線パス」は阪神電車線全線で利用可能(神戸高速線を除く)
※阪急バス、阪神バスなどのバス路線では利用不可

共通回数カード・全線パスの贈呈枚数は、保有する株式数に応じて異なります。詳細は下記のとおりです。

優待基準株数 阪急・阪神共通回数カード 全線パス
100株~199株 2回カード1枚(2回乗車分)
200株~479株 4回カード1枚(4回乗車分)
480株~999株 4回カード3枚(12回乗車分)
1,000株~1,999株 25回カード1枚(25回乗車分)
2,000株~6,199株 30回カード2枚(60回乗車分)
6,200株~9,799株
※1、2のいずれかを選択
1.30回カード2枚(60回乗車分)
2.10回カード1枚(10回乗車分) 阪神電車全線パス1枚
9,800株~15,999株
※1、2のいずれかを選択
1.10回カード1枚(10回乗車分) 阪急電車全線パス1枚
2.10回カード1枚(10回乗車分) 阪神電車全線パス1枚
16,000株~199,999株 10回カード1枚(10回乗車分) 阪急電車・阪神電車全線パス各1枚
200,000株以上 10回カード1枚(10回乗車分) 阪急電車・阪神電車全線パス各10枚

株主優待乗車証は9月30日・3月31日の株主名簿に基づき、それぞれ11月下旬・5月下旬に送付されます。有効期限は、共通回数カードは1年間、全線パスは半年間です。

2-1.選択した優待内容の変更には申し込みが必要

優待乗車証がもらえる優待のうち、保有株数が6,200株~9,799株と9,800株~15,999株の場合は、共通回数カードのみまたは共通回数カードと全線パスのいずれかの優待を株主が選択します。

注意したいのが、変更の申し出をしない限り、一度選択した内容の優待が継続されるということです。もう片方の優待に変更したい場合は、同社Webサイトにある所定の様式にて変更請求書を作成して郵送する必要があります。

変更の受付期限はそれぞれ4月末と10月末になっています。

3.グループ優待券(優待券セット)の贈呈

阪急の株主優待では、関連施設やサービスなどで利用できるグループ優待券も贈呈されます。基本優待に特別優待が加えられた優待券セットとなっており、100株以上の保有で1冊が贈呈されます。

利用できる施設やサービスは下記のとおりです。

ジャンル 優待内容
レジャー、エンタテインメント ・六甲山上レジャー施設(六甲高山植物園、ROKKO森の音ミュージアム、自然体験展望台 六甲枝垂れ)の入場券
・六甲山スノーパークの入場割引券
・表六甲周遊乗車券(六甲ケーブル及び六甲山上バス)の割引券
・六甲ガーデンテラス内の物販店舗で使用可能な割引券
ホテル宿泊割引券・飲食割引券 ・申込時点の阪急阪神第一ホテルグループメンバーズクラブでの会員価格から5%割引(食事なしのプランのみ)
・1泊2食料金の15%割引
・飲食料金の10%割引
※下記のホテルにて利用可能(利用可能優待はホテルにより異なる)
第一ホテル東京、第一ホテルアネックス、レムプラス銀座、レム東京京橋、レム日比谷、レム秋葉原、レム六本木、第一ホテル、東京シーフォート、吉祥寺第一ホテル、京都新阪急ホテル、レム新大阪、ホテル阪急インターナショナル、大阪新阪急ホテル、新阪急ホテルアネックス、梅田OSホテル、ホテル阪急レスパイア大阪、ホテル阪神大阪、ホテル阪神アネックス大阪、千里阪急ホテル、宝塚ホテル、レムプラス神戸三宮、呉阪急ホテル、レム鹿児島、有馬きらり、天橋立ホテル、オーベルジュ天橋立、パレスホテル東京、パレスホテル立川、パレスホテル大宮
旅行割引券 ・下記のパッケージツアーの旅行代金を3%割引
JALPAK、ANAトラベラーズ、びゅう(JR東日本)、JR東海ツアーズ
※他の割引や特典などとの重複割引は不可
特別優待 ・宝塚歌劇の殿堂入館引換券
・ザ・リッツ・カールトン大阪宿泊スパトリートメント・レストランショップ優待券

優待券セットも株主優待乗車証と同じく、11月下旬・5月下旬に送付されます。

4.阪急の配当の内容

阪急の配当の内容は下記のとおりです。

年度 1株配当(円) 配当利回り
2017年3月期 35 0.97%
2018年3月期 40 1.01%
2019年3月期 40 0.96%
2020年3月期 50 1.38%
2021年3月期 50 1.41%

阪急のここ5年間の1株あたり配当金は35円から50円の間で推移しています。2020年3月期以降は1株あたり50円の配当金を継続して出しています。また、配当利回りは0.96%から1.41%の間で推移しており、ここ2年間で利回りが上がっている状況です。

5.阪急の業績の内容

阪急の業績の内容は下記のとおりです。

年度 営業収益 営業利益 経常利益 親会社株主に帰属する当期純利益 包括利益
2017年3月期 7,367億6,300万円 1,040億5,800万円 1,006億700万円 713億200万円 792億8,800万円
2018年3月期 7,602億5,200万円 1,052億1,100万円 1,037億7,400万円 663億6,100万円 739億9,100万円
2019年3月期 7,914億2,700万円 1,149億3,700万円 1,105億4,300万円 654億7,600万円 665億6,500万円
2020年3月期 7,626億5,000万円 951億7,000万円 887億9,500万円 548億5,900万円 442億9,200万円
2021年3月期 5,689億円 20億6,600万円 △76億2,300万円 △367億200万円 △228億300万円

※業績は連結

阪急のここ5年間の業績をみると、2019年3月期をピークに営業収益は下落傾向にあります。特に2021年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、前年比で2,000億円規模の減収となっています。営業利益・経常利益・当期純利益・包括利益も大きな減収となっており、赤字に転落している項目もあります。

2022年3月期の連結業績予想によれば、営業収益が7,500億円程度まで回復し、その他の項目も増収・黒字転換となる模様です。

6.阪急の企業情報

社名 阪急阪神ホールディングス
業種 陸運業
代表者 杉山 健博
決算 3月
資本金 99,474,000千円
本社所在地 大阪府池田市栄町1番1号
上場市場 東証プライム
上場年月日 1949年5月16日

阪急阪神ホールディングスは、都市交通事業と不動産事業などを行う企業です。特に、関西地区の移動を支える阪急鉄道・阪神鉄道などの鉄道事業のほか、自動車事業・流通事業・広告事業などを手掛けています。

他にもエンタテインメント・コミュニケーション事業や旅行事業、ホテル事業など、関連するさまざまな事業を展開しています。

7.阪急の優待を受ける場合の注意点

阪急の株主優待を受ける場合は、下記のポイントに注意しましょう。

  • 業績が大幅に悪化した事業が多い
  • 優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
  • 権利付最終日での購入には注意
  • 元本を毀損する可能性がある

7-1.業績が大幅に悪化した事業が多い

新型コロナウイルス感染症拡大の影響はさまざまな企業に影響を及ぼしていますが、阪急阪神ホールディングスでは業績が大幅に悪化した事業が多いということを理解しておきましょう。

2021年3月期の決算短信によると、大きく数字を落とした事業として、コア事業である都市交通事業や不動産事業、エンタテインメント事業が挙げられています。

それぞれの事業の業績は下記のとおりです。

※いずれの理由にも人々の外出・往来の減少、社会経済活動の大幅な落ち込みが影響として加わる。

事業 営業収益 営業損益 減収・減益の理由
都市交通事業 約1,569億円
※前期比30.9%(約702億円)減
約51億円の損失
※前期比約451億円の悪化
・旅客者数が大きく減少したことなど
不動産事業 約1,883億円
※前期比20.2%(約476億円)減
約289億円の利益
※前期比約125億円の悪化
・多くの商業施設で一時休館・営業時間短縮を行ったこと
・マンション分譲において前期に大規模物件の竣工・引渡があったこと
エンタテインメント事業 約421億円
※前期比43.0%(約421億円)減
約22億円の損失
※前期比約139億円の悪化
・球場や劇場の興行回数の減少
・入場者数の制限
・六甲山地区の訪日外国人旅行客の大幅な減少

また、これらの事業と比較して数字こそ少ないものの、旅行事業の営業収益は前期比64.6%減、ホテル事業の営業収益は前期比68.2%減と、大幅な減収となっています。

阪急阪神ホールディングスでは、都市交通事業・エンタテイメント事業を始め、多くの事業で一定の回復を見込んでいます。営業収益・営業利益・経常利益はいずれも大幅に増収となるとし、1株当たりの年間配当金も50円を予定しているようです。

しかし、今後の感染症の状況次第では、業績予想の下方修正やさらなる悪化につながり、株主優待や配当に影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

阪急阪神ホールディングスに投資をするのであれば、四半期ごとの決算情報や同社の動向をチェックすることが大切です。

7-2.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある

株主優待の内容は、変更や優待廃止の可能性があります。優待内容変更や廃止が発表された場合、株価が急落したり、損失が発生したりすることもあるため注意が必要です。

最新の情報をチェックして、株式取得の是非について適切に判断するよう心がけましょう。

7-3.権利付最終日での購入には注意

株主優待のために、権利付最終日(権利確定日から2営業日前)やその直前で株式を購入するのは避けたほうがいいでしょう。なぜなら、人気が高い優待銘柄は権利確定日に向かって株価が上昇し、権利落ち日(権利付最終日の翌日)以降に株価が大きく下落するケースがあるためです。

優待の権利と引き換えに、大きな含み損を抱えることもあるので、購入のタイミングには気を付けたいところです。

7-4.元本を毀損する可能性がある

株式を取得する場合、元本を毀損する可能性があります。株価はさまざまな要因に影響されて、常に変動するためです。

そのため、優待目的での株式取得であっても、株価の値動きは必ずチェックする必要がありますし、状況に応じて売却したほうがいいケースもあります。株価の値動きをある程度想定して、どう対処するのかを考えておくことが重要です。

まとめ

今回は阪急の2022年の株主優待について紹介しました。

阪急の株主優待では、阪急・阪神全線で利用できる優待乗車証や関連施設・サービスで利用できる優待券セットがもらえます。ただし、優待内容や条件は今後変更になる可能性もあります。優待を受けたい場合は、同社サイトなどで最新の情報を確認して判断することが大切です。

The following two tabs change content below.

山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。