中古アパート経営のメリット・デメリットは?注意点やリスク対策も

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不動産投資において「中古アパート」という選択肢があります。築年数が経過しているアパートを購入して収益を上げる投資で、新築時と比較して物件取得価格が安価で利回りが高いなどのメリットがあります。

ただし、中古物件であることで修繕リスクや空室リスクが高いなどのデメリットがあります。このようなリスク対策を怠ってしまうと大きく損失を受ける場合があるため、慎重に検討することが大切です。

本記事では、中古アパート経営のメリット・デメリット、および注意点やリスクへの対策について解説していきます。中古アパート経営を検討されている方はご参考下さい。

目次

  1. 中古アパート経営のメリット
    1-1.物件価格が安価で利回りが高くなりやすい
    1-2.短い期間でアパートローンを完済できる
  2. 中古アパート経営のデメリットとリスクへの対策
    2-1.空室率が高くなりやすい
    2-2.新築時よりも高い修繕費用がかかる
    2-3.金融機関のローン審査が厳しくなる
  3. まとめ

1.中古アパート経営のメリット

中古アパートのメリットは以下の通りです。

  • 物件価格が安価
  • 利回りが高くなりやすい

1-1.物件価格が安価で利回りが高くなりやすい

1つ目のメリットは物件価格が安価な点です。建物の価格は築年数が経過するごとに下落していくため、中古アパートは比較的安価に取得できます。

物件を安価で取得できることで利回りが高くなりやすい点もメリットとなります。アパート経営における利回りには、主に以下の2種類があります。

  • 表面利回り=年間家賃収入÷物件価格
  • 実質利回り=(年間家賃収入-年間経費)÷物件価格

表面利回りと実質利回りの違いは、経費を加味するかどうかです。どちらも「物件取得にかかった費用を何年で回収できるか」を端的に表しています。

物件によって異なるものの、地方の中古アパートは1,000万以下で購入できる物件もあります。利回りの計算式の右辺(物件価格)が低くなるため、表面利回りが高くなりやすいと言えます。

ただし、中古アパートは修繕費などのメンテナンス費が増えていることも多く、実質利回りで換算すると高利回りではないケースは少なくありません。中古アパート経営を検討する際は、この実質利回りを物件ごとに比較することが重要となります。

1-2.短い期間でアパートローンを完済できる

3つ目のメリットは、短い期間でアパートローンを完済できる点です。その理由は物件価格が安価だと借入金額も抑えられるため、返済期間も短縮しやすい点にあります。

返済期間を短くするほど月々の支払い額が上がり、物件価格が高いと借入期間も長く設定しなければ月々のキャッシュフローがマイナスになってしまうことがあります。

一方、物件価格が安価で借入金額も安価であれば、借入期間を短縮しても月々返済額はそこまで上がらず返済期間を短縮できる可能性があります。この場合、短期間で残債をゼロにできるメリットがあります。

2.中古アパート経営のデメリットとリスクへの対策

中古アパートのデメリットおよびリスクは以下の通りです。

  • 空室率が高くなりやすい
  • 修繕費用がかかる
  • 金融機関のローン審査が厳しくなる

それぞれの詳細と対策について解説していきます。

2-1.空室率が高くなりやすい

中古アパートのデメリット1つ目は、空室率が高くなりやすいことです。空室になるケースは、入居者が室内の設備に不満を感じたり、入居検討者が内見したときに良い印象を持たなかったりなどが要因となります。

中古アパートの場合は室内が劣化している可能性があり、設備・仕様の古い物件が多く、外観が劣化している場合もあります。たとえばお風呂に追い炊きがなかったり、外壁がボロボロだったりという物件です。

そうなると入居者が不満を感じやすく、内見時の印象も悪くなってしまいます。対策としては、競合物件の家賃を調査して適切な家賃を設定すること、およびリフォームも含め、室内の改善を検討することなどが挙げられます。

2-2.新築時よりも高い修繕費用がかかる

中古アパートのデメリット2つ目は、修繕費用がかかることです。前項の話にも通じますが、中古アパートは室内が劣化しているため、修繕を前提に購入することもあります。

しかし、アパートを適切に修繕する難易度は高く、不動産投資経験が少ないと当初予測していた修繕費用を上回ったり、修繕すべき箇所を見落としていたりなどの失敗に繋がります。

修繕対策としては、不動産会社に良くヒアリングをして、適切な修繕計画を立てることです。リフォーム会社と相談した上できちんと見積りを取って、少しでも精度の高い収支プランを立てましょう。

2-3.金融機関のローン審査が厳しくなる

中古アパートのデメリット3つ目は、金融機関のローン審査が厳しくなる点です。金融機関のローン審査は、年収や勤務先、信用情報など「借入者の状況」を審査します。しかしそれ以外にも、不動産の収益性や担保価値が重視されています。

中古アパートの場合は、建物の担保価値が低く評価されるため、新築時よりも金融機関のローン審査が厳しくなってしまいます。アパートローンを自分で金融機関へ打診する場合は、粘り強く金融機関と交渉することが重要です。

またこれに関連して、中古アパートは流動性が低くなりやすいこともデメリットとなります。金融機関からの融資が受けづらくなることで、次の買い手が「担保価値が低くローンを組めない」という状況になり、希望価格での売却ができないリスクがあります。

まとめ

このように中古アパートには物件価格が安価だったり、短期間でローンを完済できたりというメリットがあります。物件価格が安価で利回りも高くなりやすい点にメリットを感じる人も少なくありません。

しかし、追加の修繕費用がかかったり、流動性が低くなりやすいデメリットも認識しておく必要があります。これらのメリット・デメリットを把握した上で、アパート投資をするか慎重に検討することが大切です。

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中村 昌弘

都内の大学を卒業後にマンションディベローパーに就職。マンションディベロッパーでは、新築マンションの販売や中古不動産の仲介業務に従事する。 2016年に独立して、不動産関係の記事を中心としたライター業務としても活動。自身のマンションを売却した経験もあるため、プロの視点・一般消費者の視点と、両方の視点を持った記事が執筆できる点が強み。