クレカ積立は、投資信託やつみたてNISAの積立をクレジットカードで決済可能なサービスです。一部の証券会社ではクレカ積立に対応していて、ポイント付与といったサービスを受けられます。
そこでこの記事では、投資信託のクレカ積立と相性の良いカードやサービスについて詳しくご紹介します。クレカ積立に関心を持っている方や新サービス付きカードに興味がある方などは、参考にしてみてください。
※この記事は2021年8月9日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は情報提供を目的としており、特定サービスの利用を勧誘するものではございません。申込に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- SBI証券と相性の良いクレジットカード
- 松井証券と相性の良いクレジットカード
- 楽天証券と相性の良いクレジットカード
- tsumiki証券と相性の良いクレジットカード
- セゾンポケットに対応しているクレジットカード
- マネックス証券でもクレカ積立に対応予定
- まとめ
1.SBI証券と相性の良いクレジットカード
SBI証券は、2021年6月30日よりクレカ積立のサービスを開始しました。積立金額は100円から50,000円の範囲で設定可能です。
SBI証券のクレカ積立に対応しているカードは、三井住友カードのみです。たとえば、ナンバーレスカードの三井住友カード(NL)や三井住友カード ゴールド、提携カードのANAカードなども、SBI証券のクレカ積立へ登録することができます。
対応カードは、三井住友カードサイトの一覧もしくはSBI証券の投資信託ページで確認することが可能です。
SBI証券のクレカ積立は、クレジットカードによる決済と自動積立、Vポイント付与といったサービスを受けられます。対象の金融商品は、投資信託やNISA、つみたてNISAです。
つみたてNISAとは、毎年40万円の投資信託等に対する新規投資額まで、その利益が非課税となる制度のことです。非課税期間は最長20年間となっています。一方NISAは、株式や投資信託に利用できる非課税制度です。年間120万円の新規投資額まで非課税となり、最長5年間適用されます。
クレジットカード決済を行うには、まずSBI証券の口座開設手続きと三井住友カードの発行を済ませておきます。SBI証券へログインした後は、投資信託のメニューからクレジットカードの選択と本人確認、カード番号などの入力を行います。
自動積立の設定方法は、SBI証券サイトからファンドを選び、積立買い付けもしくはつみたてNISAボタンを選択します。その後、決済方法や買い付け数量の入力ページへ移るので、クレジット決済にチェックを入れると毎月一定額を自動積立できるようになります。
Vポイントのポイント還元率は、毎月の積立額に対して0.5%です。なお、2021年8月時点では、Vポイントに関する期間限定キャンペーンへ参加できます。期間限定キャンペーン中にクレカ積立を行うと、ポイント還元率最大3%へアップします。
以下にポイント還元率と対応カードを紹介します。
Vポイントのポイント還元率 | カード名 |
---|---|
3% | 三井住友カード プラチナ VISA/Mastercard® 三井住友カード プラチナ PA-TYPE VISA/Mastercard 三井住友ビジネスプラチナカード for Owners(VISA/ Mastercard) 三井住友カード プラチナプリファード |
2% | 三井住友カード ゴールド VISA/Mastercard 三井住友カード ゴールド PA-TYPE VISA/Mastercard 三井住友カード ゴールド(NL) VISA/Mastercard 三井住友カード プライムゴールドVISA/Mastercard 三井住友カードゴールドVISA(SMBC) 三井住友カードプライムゴールドVISA(SMBC) 三井住友ビジネスゴールドカード for Owners(VISA/Mastercard) 三井住友銀行キャッシュカード一体型カード (ゴールド/プライムゴールド) |
1.5% | ポイント還元率3%、2%以外で、かつVポイントのみ貯まる三井住友カード |
ポイントなし | Vポイント以外のポイントが貯まる三井住友カード、提携カードはVポイント付与なし |
三井住友カード プラチナなどは、積立額100円につき3ポイント付与されます。通常は100円につき0.5ポイントなので、6倍のポイント還元率です。
Vポイントを重視している方は、ポイント還元率を確認するのも大切です。また、提携カードなど一部のクレジットカードは、Vポイント付与なしという点に注意が必要です。
三井住友カードとSBI証券では、Vポイント投資というサービスの提供も予定しています。Vポイント投資は、三井住友カードで貯めたVポイントを投資に活用できるサービスで、2022年春~夏頃に開始予定です。
2.松井証券と相性の良いクレジットカード
松井証券では、クレカ積立およびポイント投資サービスを提供しています。
松井証券のクレカ積立では、カード利用で貯まったポイントを投資へ活用できます。松井証券に対応しているカードは、株式会社ジャックスとの提携カードMATSUI SECURITIES CARDです。
MATSUI SECURITIES CARDは、カード利用で松井証券ポイントの貯まるカードで、利用場面によってポイント還元率が変わります。
ポイント還元率 | 利用場面 |
---|---|
0.5% | 店舗やネットショップでのカード利用 |
最大12% | JACCSモール経由でのカード利用(ポイントモール) |
JACCSモールは、カード発行後にJACCSモールのアカウントを作成する必要があります。アカウント作成時には、カード情報や氏名や生年月日などの基本情報、メールアドレスの登録を行います。
松井証券でクレカ積立を行うには、まず口座開設手続き後とカード発行手続きを済ませておきます。各手続き完了後は、積み立てたいファンドを選択します。
- ひふみプラス
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
クレカ積立に対応しているファンドは、上記3種類です。ひふみプラスは、主に日本の成長企業へ投資を行っているファンドです。一方、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、海外の株式へ投資を行っています。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、国内や海外株式だけでなく債券、リートといった複数の資産へ投資を行うファンドです。各ファンドの購入手続きは、松井証券サイトの各ページから進めていきます。
ファンドの種類を厳選してほしいと考えている方などには、松井証券のクレカ積立はメリットのあるサービス内容です。一方、数十種類以上のファンドから選びたい方には、物足りないと感じる場合もあります。
松井証券ポイントに関しては、投資信託の購入だけでなくAmazonギフト券やさまざまな商品と交換することも可能です。
3.楽天証券と相性の良いクレジットカード
楽天証券では、楽天カード決済による積立投資に対応しています(ビジネスカード以外の楽天カード)。カード決済に対応しているのは、投資信託とつみたてNISAです。
積立金額は、100円~50,000円の範囲で設定できます。さらに積立投資で楽天ポイントが貯まります。楽天ポイントは、100円につき1ポイント貯まる仕組みとなっています。また、楽天ポイントを積立投資へ活用することも可能です。
楽天証券のクレカ積立を行うには、まず楽天証券での口座開設手続きと楽天カードの発行を済ませておきます。その後は、楽天証券へログインし、投信というメニューから積立購入を選択していきます。
積立購入の画面では、積立金額や決済方法を選択できるので、楽天カードクレジット決済を選択すればクレカ積立の設定完了です。
ファンドは、以下の方法から比較できます。
選び方 | 概要 |
---|---|
らくらく投資 | 9つの質問に回答するとファンドを紹介してくれる 運用開始後の資産配分など自動調整 |
銘柄ランキング | ファンドの人気ランキングから比較、購入できる |
ファンドセレクション | ファンドアナリストによって厳選されたファンドから比較、購入できる ファンドアナリストによるおすすめポイントなども確認できる |
投資スーパーサーチ | 自身で検索条件などを設定し、ファンドを調べる |
投資スーパーサーチは、自身で多数のファンドを調べたい時に使いやすいツールです。一方、らくらく投資は、なるべくスピーディにファンドを選びたい時や管理の手間も省きたい時などにメリットのあるツールといえます。
楽天カードは、カードの新規入会およびクレカ積立の実施で楽天ポイント特典を受けられます。楽天ポイント特典は、新規入会で2,000ポイント、カード利用で3,000ポイント、クレカ積立で1,000ポイント、合計6,000ポイントを獲得できるのが特徴です。
また、投資信託を月500円以上積み立てることでSPU対象となり、楽天市場で獲得できる楽天ポイントが+1%される点も、楽天ユーザーにとっては嬉しいポイントです。
4.tsumiki証券と相性の良いクレジットカード
tsumiki証券は、SBI証券や松井証券、楽天証券と異なり、クレジットカードによる投資信託の積立に特化したサービスです。
新規入会では、エポスポイント2,000ポイントをもらえます。さらにエポスカードのゴールドやプラチナ会員は、積立金額をカードの年間利用額へ換算してもらえるので、エポスポイントを追加で獲得できます。
tsumiki証券で口座開設した場合は、エポスカードで投資信託やつみたてNISAを行うことができます。積立金額は、毎月100円~50,000円の範囲で設定することが可能です。さらに1度金額を設定しておくと、毎月自動でエポスカードから引き落とされます。
他にもエポスカードで貯まったエポスポイントは、投資信託の購入へ活用できるようになっています。100ポイントから積み立てることができ、引き出す際に日本円で受け取る仕組みです。ただし、エポスポイントで投資を行う場合は、自動積立機能を活用できない点に注意が必要です。
tsumiki証券で選べるファンドは、5種類です。
ファンド名 | 概要 |
---|---|
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 主に海外の株式や債券へ投資 |
セゾン資産形成の達人ファンド | 国内外の株式へ投資 |
コモンズ30ファンド | 日本企業の株式へ投資 |
ひふみプラス | 主に日本企業の株式へ投資 |
まるごとひふみ15 | 国内外の債券を中心に投資 |
主に株式を中心に組み入れたファンドが用意されています。証券会社で厳選されたファンドから選びたい方には、利用しやすいサービス内容といえます。一方で、多数のファンドを自身の基準で比較検討したい時は、物足りないと感じる場合があります。
5.セゾンポケットに対応しているクレジットカード
セゾンポケットは、tsumiki証券と同じくクレカ積立に特化したサービスです。セゾンカードもしくはUCカードを保有していると、セゾンポケットのサービスを利用できます。
セゾンカードもしくはUCカードを発行し、各カードの会員専用サイトへ登録した上でセゾンポケットの口座開設手続きを進める流れです。主なサービス内容は、投資信託と株つみたての2種類です。積立金額に関しては、毎月1,000円から設定できるようになっています。
セゾンポケットの投資信託は、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとセゾン資産形成の達人ファンドの2種類用意されています。セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、国内外の株式や債券などを組み入れたバランス型です。対してセゾン資産形成の達人ファンドは、株式に特化したファンドです。
ファンドへの投資は、日本円だけでなく永久不滅ポイントでも可能となっています。永久不滅ポイントは、カード利用で貯まります。また、セゾンポケットで6回積立を行うと、永久不滅ポイント5,000円につき1ポイント受けとることができます。
ポイント投資を検討している方やシンプルなクレカ積立を求めている方には、メリットのあるサービスです。一方、多数のファンドから比較検討したい方や日本円で投資を行いたい方などは、デメリットと感じる場合があります。
6.マネックス証券でもクレカ積立に対応予定
マネックス証券は、2021年8月6日時点では投資信託のクレカ積立やポイント投資などのサービスを提供していませんが、マネックスカードを活用した積立サービスの提供を予定していることをサイト上に明記しています。
マネックスカードは、2021年5月19日から申込受付を開始しました。マネックスカードでは、カード利用でマネックスポイントが100円につき1ポイント貯まります。貯まったマネックスポイントは、マネックス証券の株式手数料に充てることができます。
マネックスカードとセゾンカードの提携カードであるマネックスセゾンカードは、2021年11月30日に提携解消となります。マネックスポイントを貯めたり活用したりするには、マネックスカードの発行が必要です。
まとめ
セゾンカードや楽天カード、三井住友カードなどは、投資信託のクレカ積立と相性の良いクレジットカードです。また、サービスによっては、カードで貯めたポイントで投資できる場合もあります。
投資信託のクレカ積立に関心を持っている方やクレジットカードの新サービスを試したいと考えている方は、今回紹介したクレジットカードを参考に検討を進めてみてはいかがでしょうか。
菊地 祥
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