不動産投資、購入するべき物件の選び方は?タイプ別に特徴を比較

皆さん、こんにちは。2021年5月後半、3回目の緊急事態宣言が6月20日まで延長となりました。コロナ禍の影響を受けて将来の生活が不安という人も少なくありません。新聞社や出版社は、オンラインでの不動産投資イベントを開催し、1回の開催で全国から400人以上の投資家の方が参加するなど活況を呈しています。

金融緩和によるインフレ懸念から、投資対象として純金やプラチナなどの実物資産に目を向ける方も増えています。その中でも、特に金融機関の融資を活用できる不動産投資に注目する方も多くなってきています。

私自身、初心者の方から「不動産投資をするうえで、投資対象としてどのようなタイプの不動産(アセットクラスといいます)が良いのか分からない」、という声をとても多くもらいます。

そこで、今回は、購入するべき物件の選び方や不動産業者を見極めるポイントのほか、不動産投資をするうえで知っておきたいアセットクラスの基本的な特徴を中心に、私の実体験と不動産会社での実務経験をベースに解説していきます。

目次

  1. 不動産投資で購入するべき物件の選び方
    1-1.複数の不動産業者から物件情報を集める
    1-2.良い不動産業者を見極めるポイント
  2. 不動産投資の対象となる物件
    2-1.区分マンション投資
    2-2.1棟アパート・マンション投資
    2-3.戸建投資
    2-4.店舗・事業用物件投資
  3. まとめ

1.不動産投資で購入するべき物件の選び方

不動産投資で購入するべき物件の選び方として、思い浮かびやすいのは、大手不動産ポータルサイトの活用が考えられます。例えば、「楽待」や「健美家」などが挙げられます。

2021年6月6日時点、収益物件が楽待では67,737件、健美家では45,530件掲載されています。これらのポータルサイトでは、都道府県や、アセットクラス(区分マンションや1棟物件のほか、商業ビルや賃貸併用住宅、倉庫、駐車場なども検索できます)、販売価格や利回り、築年数別に物件を検索しやすく、様々な工夫がされています。

ポータルサイトは物件の掲載数が非常に多く、情報も豊富です。しかし、私の経験上、初心者がポータルサイトから優良物件を購入するのは難しいケースが多いと言えます。私の不動産会社での経験をお話しますと、会社で優良物件を販売する際、ポータルサイトに掲載した記憶がありません。

不動産業者は、物件を自社の顧客にメールマガジンや電話で直接紹介します。優良物件の場合にはこうした自社の顧客への紹介でその多くが販売できてしまいます。つまり、ポータルサイトへの掲載は、なかなか思うように販売することができない訳アリ物件である可能性もあります。

1-1.複数の不動産業者から物件情報を集める

そこで、初心者の方がはじめに検討しておきたいのはは、ポータルサイトは、掲載されている物件を購入するために活用するのではなく、物件の相場観を養うために活用するということです。

そして、良いなと思える物件があった場合には、その物件を取り扱う不動産業者に問い合わせて、物件を紹介してくれる候補先としてピックアップしておくのです。

ポータルサイトには数多くの物件が掲載されていますが、必ずその物件の掲載元の不動産業者の連絡先が掲載されています。物件情報をとおして、複数の不動産業者とコンタクトを取り、不動産業者の特徴などを整理しておくと良いでしょう。

1-2.良い不動産業者を見極めるポイント

良い不動産業者かどうかを見極めるコツは、実際にアプローチをして、投資家に寄り添ってくれる提案をしてくれる会社かどうか、という視点で判断してみましょう。

ポイントはいくつかありますが、まずは、投資家の投資目的や自社が勧める物件情報をきちんと把握していること、取り扱う物件のメリットやデメリットを投資家に正確に伝えていること、レスポンスが速くストレスないコミュニケーションを取れること、などは最低限必須であると思います。

私の知人に不動産会社の選定は二の次で、物件情報にのみ着目して物件を購入した投資家がいました。彼は属性が高かったのでスムーズに利回りの高い物件を購入することができました。しかし、物件を管理する管理会社の質が低く、購入後に入居者付けやリフォームなど管理面で苦労をしていました。

私は、最適な物件は人によって違うと考えています。物件を選ぶプロセスはとても楽しいのですが、その前段階として自身の不動産投資の目的や自身の属性に合った不動産投資の手法を一緒に考え、寄り添ってくれる不動産業者を選ぶ必要があります。不動産投資は、物件の購入がゴールではありません。

机上の投資シミュレーション作成などももちろん大事ですが、例えば、物件の見学に同行してくれるなども重要です。最近は、問い合わせ自体が多く、物件の見学は投資家自身で行ってください、という不動産会社も多くなってきています。

効率を重視しているのでしょうが、物件の所在する最寄り駅から一緒に歩くことによって営業担当者の人柄や会社の考え方など、わかることも多くあります。見学は一人でも行けますが、なるべく営業担当者に同行してもらうと良いでしょう。プロならではの物件の見方を知る機会にもなります。

2.不動産投資の対象となる物件

不動産投資の対象となるアセットクラスは、大まかに分けると次の4つに分類されます。これらのアセットクラスに、築年(新築・築浅・築古)やエリア(都心・地方郊外)といった複数の要素を掛け合わせて、自身にとって最適な投資手法やプランを検討していくと良いでしょう。

ここでは、私が考えるアセットクラス別の特徴を簡単にまとめてみます。

2-1.区分マンション投資

私は、不動産投資を検討するうえで、初心者が最も取り組みやすいのは区分マンションへの投資だと考えます。最近は、多くの金融機関が区分マンションへの融資に積極的で、少額の自己資金(手付金10万円から)で投資が可能です。

私は、自身のペースで少しずつ資産形成をしていきたいと考え、区分マンション投資をメインにしています。物件の所在を分散させることにより、天災(地震)などのリスクを軽減することもできます。

区分マンションは、購入した後、区分所有法の規定により、購入者は管理組合の組合員になります。管理組合が定期的に理事会を開催するなど適正に機能していて、管理組合を支援する管理会社が定期的に適切な修繕の提案をしてくれれば、中長期的な資産形成として手間がほとんどかかりません。

デメリットとしては、築年数によっては、家賃に占める管理費や修繕積立金の割合が20%程度になることもあり(例えば、家賃が85,000円で管理費8,000円・修繕積立金9,000円を想定)、経費率が高く、毎月のキャッシュフローが出づらいことがあります。

また、マンションの総戸数が多すぎると(例えば、総戸数100戸超)、将来的にオーナーが全国に分散して居所不明などにより連絡が取りづらく、重要な議案があった際に管理組合の合意形成が困難になる可能性があります。

逆に、マンションの総戸数は少なすぎても(例えば、総戸数20戸以下)、大規模修繕の際に修繕積立金が不足して、適切な工事を実施できないなどの支障が生じる可能性もあります。

不動産投資は、株式投資などと比較して流動性が低い(=換金性が低い)投資対象ですが、区分マンションは1棟物件と比較すると価格が低く、現金化しやすいメリットがあります。一方、物件を1部屋ごとに買い足していく必要があるため、資産形成に時間がかかるという点はデメリットと言えるでしょう。

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2-2.1棟アパート・マンション投資

不動産投資を検討するうえで、1棟アパートへの投資も初心者が比較的取り組みやすいと思います。

ただし、2018年に明るみになった、シェアハウス「かぼちゃの馬車」・「スルガ銀行」の不正融資問題により、2021年時点、多くの金融機関の融資審査では、購入に必要な自己資金は物件価格の2割程度は必要とされています。別途、諸費用(物件価格の7%程度)も必要なため、物件によっては綿密な資金計画が必要となります。

1棟物件は戸数が多いため投資規模が大きく、また、区分マンションよりも経費率が低いことから、毎月のキャッシュフローが出やすく、比較的資産形成はしやすいと言えるでしょう。

デメリットとして、区分マンションのメリットはそのまま1棟物件のデメリットになり得ます。例えば、1棟物件は物件の所在を分散させることができないため、天災(地震)などが起きた場合には大きな被害を受けることになります。

また、区分マンションと違って、1棟物件のオーナーは物件全体の管理方針を自ら決定できますが、逆に言うと自ら計画的に修繕を見極め実施するスキルが求められます。

私の知人の投資家に、1棟物件を購入後、適切なメンテナンスをほとんど実施せず、数年間保有した後、毎月のキャッシュフロー(インカムゲイン)を得ながら、売却益(キャピタルゲイン)を最大化して見事売り抜けた方がいます。

知人はうまく売り抜けましたが、この物件を購入した次のオーナーは、築年経過ごとに必要とされる修繕がほとんどされないまま、オーナーチェンジで物件を入手しているため、来たる大規模修繕の際、苦労する可能性があります。

1棟物件の客観的な修繕状況はプロでもわかりづらいものです。利回りが高いからといって修繕履歴の調査を怠ると、購入後に多額の修繕費用が必要となるリスクもあります。投資額が大きくなりやすい1棟投資では、物件の選定をより慎重に行うべきです。

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2-3.戸建投資

戸建投資は、区分マンションや1棟物件の投資と比較すると、個人的には初心者には難易度が高いと思っています。

なぜなら、前者の物件を取り扱う不動産業者はとても多いのですが、戸建を専門に取り扱う不動産業者は少なく、得られる情報(提案される物件数やノウハウなど)も限られているからです。

私も戸建投資を検討したことがありますが、流通している物件は区分マンションと比較するとかなり少ない印象です。

2021年6月6日時点、試しに、楽待で東京都内の築10年以内の「戸建て賃貸」で検索してみましたが、わずか60件しか検索結果に表示されません。神奈川県内では同条件で8件、千葉県内で14件、埼玉県で17件です。

築20~30年以内で検索をすると該当物件は少し増えます(東京都内:築20年以内104件、築30年以内150件、神奈川県:築20年以内27件、築30年以内68件)。

築年数を絞らずに検索をしてみると、検索結果には築40~50年の物件が多く目に付きます。この築年数ですと都内でも2,000~3,000万円以内で購入できる物件も出てきます。

戸建賃貸に取り組む投資家の多くは、500~1,000万円以下で、地方郊外のボロボロの戸建てをリフォームして高い利回りを叩き出すことによって家賃を最大化しています。

これは裏返すと、築古のボロボロ物件を見極めて、適切なリフォームをして、上手に入居付けをする専門的なスキルや経験値が必要となります。また、エリアや状態によっては十分な融資が下りずに、現金割合が高くなることも想定されます。

ここまで来ると、セミプロの領域に入ってきます。高い利回りの物件の場合、雨漏りやカビの発生、大量の残置物があるなど劣化状況がひどいこともあるでしょう。リフォーム費用も勘案して購入しないと、万が一、柱など建物の基本構造に不具合があった場合に、当初の想定利回りを大幅に下回る可能性もあり得ます。

戸建賃貸の特徴として、子持ちのファミリー世帯の需要は多く、一度入居付けに成功すれば長期の入居につながり収益が見込みやすい、という特徴が挙げられます。ただし、エリアによっては、家賃の滞納や夜逃げなどのリスクもあります。

戸建賃貸は、前述のとおり市場に出回る物件の供給量が極端に少ないため、競争も激しく、高い利回りで入居付けがしやすいエリアの物件を探すことは困難でしょう。物件価格が低く仲介によって得られる手数料の額も少なくなるため、本腰を入れて事業として注力している不動産業者自体が少ない印象です。

戸建賃貸に関心がある方は、賃貸需要が十分に見込めるエリアで、魅力的な物件が出てきたら検討してみるのも良いでしょう。

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2-4.店舗・事業用物件投資

店舗・事業用物件投資は、これまで解説をした投資と比較すると、個人的に初心者にはかなり難易度が高いと思われます。私たちがよく街中で見かける店舗や事務所の入ったオフィス物件、大規模なものでは商業施設や工場、倉庫などが該当します。ここでは個人投資家の検討スコープに入る店舗物件をメインに解説します。

店舗・事業用物件投資では、区分マンションや1棟物件と比較すると投資金額が大きくなる傾向があり、その分賃料も高く、高い利回りが期待できます。

また、店舗・事業用物件では、退去時に賃借人の負担で原状回復工事を実施してオーナーに返還します。通常、オーナーは家賃の6ヶ月~1年分の敷金や保証金を預かりますので、万が一の場合にはこれらの預り金から充当していくことになります。

その一方、区分マンションなどの居住用物件以上に、用途(特に飲食業態)によっては立地条件が厳しく選定され、賃借人の範囲がかなり限定されます。物件周辺の人口動態調査もする必要があり、購入の意思決定をする際にはマーケティングの素養も求められると考えます。

十分なマーケティングの結果、物件を購入し、例えば、飲食業態の賃借人(テナント)が見つかったとします。テナントは初期の設備投資をしていますし、その地域の人に愛されれば人気店になり得ます。一度地域に根付けば長い入居が見込まれるでしょう。

しかし、景気の変動やテナントの経営状況が悪化した場合には、時期を問わず長期の空室期間が発生する可能性があります。テナントが複数入居している場合、いっせいに退去してしまうリスクもあります。

私が不動産会社勤務時の実務で実感したことですが、店舗・事業用物件で空室がある場合には売却時のタイミングが難しくなります。物件賃料の妥当性の精査が居住用物件と比較すると時間がかかるためです。また、金融機関の融資金額も伸びない傾向があります。

そして居住用物件と違い、店舗・事業用物件で怖いのが賃貸付けです。居住用物件の入居者付け(リーシング)のノウハウがある会社でも、店舗・事業用物件のノウハウがあるとは限りません。

また、独自の業者ネットワークも必要です。店舗・事業用物件の空室は賃料を下げたとしても埋まらないときには本当に埋まらないものです。物件によっては1年ないしは2年以上埋まらないということもざらにあります。

買い手としても、賃借人が付いていない物件、長期間付きそうもない物件には及び腰になりがちです。2021年時点、新型コロナウイルスの影響を受けやすい飲食業態のテナント物件には、特に注意が必要です。

まとめ

今回、不動産投資をするうえで知っておきたいアセットクラスの基本的な特徴を中心に解説しました。

その中でも、区分マンション投資は、不動産投資の中でも投資金額が比較的低いため、初心者の方でもはじめやすいと言えます。この記事の中でも述べたように、投資で成功するためには目標の設定、寄り添ってくれる不動産会社(信頼できるパートナー)を見つけることが何より重要です。

提案物件がなぜよいのか、自分の属性に合った金融機関の融資はどれを使えばよいのか、不動産会社を選定したら納得できるまでトコトン質問をしてみましょう。そして信頼できるパートナーになってもらえるかを判断します。

昨今ではウェビナー(オンラインセミナー)も活況を呈していますが、実際に対面で会ってしっかりと話を聞き、情報を収集することも合わせて検討してみましょう。

プロが教える初心者のための不動産投資ガイド

  1. 不動産投資、価格交渉しやすい物件は?4つの特徴と5つの交渉ポイント
  2. 不動産投資、購入するべき物件の選び方は?タイプ別に特徴を比較

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依田泰典

依田泰典

不動産投資家/ベンチャー投資家。公認不動産コンサルティングマスター。
ソニーにて、ITソリューション関連の法人営業や企画・マーケティングに従事(MVP受賞)。株式(信用取引)等幅広く金融商品を運用。リーマン・ショックを経験後、不動産投資を徹底研究。日本銀行のマイナス金利政策を勝機とし数億円の融資を獲得。分譲マンション(1Kから3LDK)を20戸以上購入。ソニー退職後、不動産会社(ベンチャー企業・東証上場企業)にて、収益用不動産(1棟物件)の売買、事業開発、広報・広告宣伝に従事。現在は、東証上場グループ企業を含むベンチャー企業の社外取締役、顧問、アドバイザーとして活動。不動産テック等スタートアップ30社に出資。宅地建物取引士(宅建マイスター)、貸金業務取扱主任者、ビル経営管理士、賃貸不動産経営管理士、社会保険労務士、行政書士等の資格を保有。趣味は、マンガ(電子書籍)とYouTube。街の散策と食べ歩き。合気道(有段者)。アイドルファン(乃木坂46齋藤飛鳥)。
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