不動産投資ローン、連帯保証人が必要なケースは?連帯保証人を立てずに取り組む方法も

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不動産投資ローンを組むときに、金融機関から連帯保証人を立てることを求められることがあります。

しかし、連帯保証人となる人にはリスクもあります。連帯保証人を立てずにローンを組めるのであれば、そのような方法も検討したいといえます。

この記事では、不動産投資ローンで連帯保証人が必要なケースについて説明し、保証人になれる人の条件などについても触れていきます。

目次

  1. 不動産投資ローンの連帯保証人と保証人の違い
    1-1.保証人には認められる権利
    1-2.連帯保証人は返済義務が重い
  2. 不動産投資ローンで連帯保証人が必要なケース
    2-1.ローン契約者の属性に問題がある
    2-2.投資物件の担保価値が低い
    2-3.返済能力の観点から投資物件の収益性に問題がある
    2-4.投資物件の土地や建物が共有名義である
  3. 不動産投資ローンの連帯保証人になれる人の条件
  4. 連帯保証人となる人のリスクや団信を比較して慎重に検討しよう
  5. まとめ

1.連帯保証人と保証人の違い

連帯保証人は、主たる債務者への請求を優先してもらう一定の権利を主張できません。連帯保証人は保証人と異なり、ローンの返済義務が重いといえます。

以下で詳細をみていきましょう。

1-1.保証人には認められる権利

ローンの保証人は、ローンの主たる債務者が債務の返済をできなくなった場合、その債務者の代わりに返済する責任があります。ただし、ローンの保証人には、催告の抗弁、検索の抗弁、分別の利益が認められています。

  • 催告の抗弁:債権者からローン返済請求を求められたときに、まずは主たる債務者に請求すべきであると主張できる権利
  • 検索の抗弁:保証人が主たる債務者の資力と執行の容易性を立証して、主債務者の財産に執行すべきであると主張できる権利
  • 分別の利益:保証人が複数存在する場合に、各保証人は債務を平等に分割した限度でのみ責任を負うこと

保証人は上記3つの権利が認められており、連帯保証人と比較して返済義務が軽くなっています。

1-2.連帯保証人は返済義務が重い

連帯保証人が保証人と異なる点は、債権者から請求があったらローンの返済をする義務があるというところです。

連帯保証人には、保証人に認められている、催告の抗弁、検索の抗弁、分別の利益、がありません。主たる債務者が返済できるかどうかに関わらず、返済義務があることになります。この意味で、連帯保証人の返済義務は主たる債務者と同様に重いといえるでしょう。

2.不動産投資ローンで連帯保証人が必要なケース

不動産投資ローンで連帯保証人が必要になるケースには、次のような場合があります。

  • ローン契約者の属性に問題がある
  • 投資物件の担保価値が低い
  • 返済能力の観点から投資物件の収益性に問題がある
  • 投資物件の土地や建物が共有名義である

以下で、それぞれの内容をみていきましょう。

2-1.ローン契約者の属性に問題がある

不動産投資ローンでは、返済能力の観点から、物件の収益性と併せて契約者自身の属性を重視します。属性とは、金融資産の額や年収、勤続年数、勤務先企業の規模など、ローン契約者を審査する際の指標のことです。

年収が低めであったり、短期間で転職を繰り返していた場合は属性が低くなり、融資を受けられない可能性が高まります。その他、金融資産の額がローン元本の金額に比べて少なかったりする場合にも、属性に問題があるとされて連帯保証人が必要とされるケースがあります。

2-2.投資物件の担保価値が低い

不動産投資ローンでは、投資物件の担保価値を重視します。金融機関の担保評価では、土地と建物のそれぞれの現在価格を合計して評価する積算法が主に用いられます。

路線価の低い地域に立地する物件であったり、建物の再調達原価が低くなりがちな木造物件であったりする場合、担保価値が低くなります。

ローン元本の金額に比べて、投資物件の担保価値が大きく下回ると判断された場合、連帯保証人が必要とされるケースがあるといえるでしょう。

2-3.返済能力の観点から投資物件の収益性に問題がある

投資物件の収益性を返済能力の観点から審査する場合、債務償還年数や営業キャッシュフロー対有利子負債比率などの指標が用いられることがあります。

債務償還年数とは、有利子負債÷(税引後利益+減価償却費)の算式により計算され、現状のキャッシュフローだと何年で有利子負債を完済できるかを示す指標です。

営業キャッシュフロー対有利子負債比率は、営業キャッシュフロー÷有利負債×100の算式によって求められます。

投資物件の収益性がこのような返済能力を示す指標などに照らして問題があると考えられる場合、連帯保証人が必要とされるケースがあります。

2-4.投資物件の土地や建物が共有名義である

投資物件の土地や建物を共有名義で取得する場合があります。このような場合、投資物件のローンも共有名義で組むことがあります。

新築物件で親の土地に子が投資物件を建築するような場合、建物を親子共同名義にするケースもあるでしょう。このような、ローンを共有名義で組むケースでは、それぞれの名義人がお互いの連帯保証人となることがあります。

3.不動産投資ローンの連帯保証人になれる人の条件

不動産投資ローンは、投資物件の家賃収入を主な返済原資としています。そのため、連帯保証人になれる人は、投資物件を引き継ぎ、不動産賃貸業をおこなって家賃収入を得ていく見込みが高い人といえるでしょう。

このような条件に当てはまる人は、基本的には法定相続人であるケースが多いと言えます。また、金融機関側も、ローン契約者の死亡後に相続放棄による貸倒れを防ぐため、法定相続人を連帯保証人にする慣行があります。

なお、共有名義の場合でそれぞれの名義人がお互いの連帯保証人になる場合は、共有名義人であることが条件となります。

4.不動産投資ローンで連帯保証人を付ける際の注意点

連帯保証人を立てる場合、連帯保証人となる人には、ローンの名義人と同様の義務が発生します。ローンの名義人が亡くなった場合でも連帯保証の債務は相続放棄できず、連帯保証人には完済するまでローンの返済義務があるため、契約時には慎重に検討することが大切です。

返済できない場合は、担保となっている投資物件や他の財産を差し押さえられるリスクもあります。夫婦間で連帯保証契約をした場合、離婚時にトラブルとなるケースも少なくありません。

【関連記事】夫婦の離婚、住宅ローンの連帯保証人から外れる方法や手順は?注意点も

連帯保証人を立てずに不動産投資ローンを組むことができるようにするには、ローン審査項目の観点からの問題を解消するように努力するとよいでしょう。たとえば、担保価値や返済能力からみた収益性が高い投資物件を探すことを検討してみましょう。

また、連帯保証人を立てない代わりに、団体信用生命保険に加入することで不動産投資ローンを組むことができる場合もあります。連帯保証人となる人のリスクと比較衡量して、慎重に検討するようにしましょう。

まとめ

不動産投資ローンで連帯保証人が必要なケースには、ローン契約者の属性、投資物件の担保価値、返済能力からみた収益性など、ローン審査項目の観点から問題があるケースと、投資物件を共有名義で取得するケースがあるといえます。

連帯保証人は、ローン契約者と同程度の返済責任を負い、リスクも伴います。連帯保証人を立てる際は、団体信用生命保険など代替手段とも比較して、慎重に検討するようにしましょう。

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佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。