自己資金をおさえて不動産投資を始めるには?物件選びや注意点を解説

不動産投資は安定した家賃収入が期待できるほか、条件を満たしていれば資金が少ない方でも銀行の融資を受けながら運用できるメリットがあります。しかし、融資を受ければ返済義務が生じるため、不動産投資を始めるなら少しでもリスクを抑えたい、という方も多いと思います。

そこで今回は、自己資金をおさえて不動産投資を始めるための物件選びと注意点について解説します。

目次

  1. 自己資金をおさえて不動産投資を始めるには?
    1-1.複数の金融機関を検討する
    1-2.新築・築浅のワンルームを選ぶ
  2. 不動産投資を始める際の3つの注意点
    2-1.空室リスク
    2-2.隠れた瑕疵
    2-3.修繕費

  3. まとめ

1 自己資金をおさえて不動産投資を始めるには?

不動産投資は入居者がいる期間中は安定した家賃収入が期待できるため、老後の生活費の足しや私的年金づくりを目的として取り組んでいる方もいます。

しかし不動産投資を始めるには、賃貸用の不動産を取得しなければならないため、不動産の取得費用を用意する必要があります。そのため、安定した家賃収入が得られる不動産投資に興味は持っているものの、資金が足りないことが理由で諦めている方も多いのではないでしょうか?

不動産投資では確かにある程度の初期費用は必要ですが、以下の2つのポイントを押さえておけば自己資金をおさえて始めることが可能です。

  1. 複数の金融機関を検討する
  2. 新築・築浅のワンルームを選ぶ

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

1-1 複数の金融機関を検討する

1つ目のポイントは複数の金融機関を検討することです。2016年にマイナス金利政策が導入されたことで、各金融機関は日銀にお金を預けるのではなく、他の運用方法を考える必要がありました。その結果、今までは積極的に実施しなかった個人や法人への貸し出しに力を入れるようになりました。

そのため、不動産購入者への融資については「売り手市場」となってきており、借り主に選ばれるために金融機関側も他社と融資条件を競うようになってきています。そのため、5社・10社と借入先の選択肢を増やすことで、より良い条件の金融機関からの融資を受けることができる環境となっています。

1-2 新築・築浅のワンルームを選ぶ

また物件は新築か築浅のを選ぶことも、不動産投資で自己資金をおさえる上でのポイントになります。

築年数が経った中古物件は、金融機関からリスクが高い物件とみなされることが多く、物件価格の1割~3割程度の自己資金を求められる可能性があります。

一方、新築・築浅物件は築年数が経った中古物件と比べると競争力があるため入居がつきやすく、また建物の耐用年数の残存年数が長いため担保価値も高くなり、結果として融資額がつきやすくなります。

また新築・築浅物件の中でも、単身赴任中の方、未婚の方、学生による安定した需要が期待できるのがワンルームマンションです。国立社会保障・人口問題研究所 人口構造研究部の推計によれば、日本全体の世帯総数は2023年をピークに減少する一方、単身世帯は2015~2040年の間に34.5%から39.3%に上昇が見込まれており、今後しばらくはワンルームマンションの需要が高まると考えられています。

また、エリアについては郊外や地方はリスクが高いため、都心やその周辺など入居需要が期待できる都市圏からまずは検討すると良いでしょう。

2 不動産投資を始める際の3つの注意点

融資額のつきやすい物件を選んで複数の金融機関に申し込めば、自己資金をおさえて不動産投資を始められる可能性は高くなります。しかし、不動産投資は「買って終わり」ではなく、「買ってからが始まり」ですので、購入時・購入後には下記のようなリスクに気をつける必要があります。

  1. 空室リスク
  2. 隠れた瑕疵
  3. 修繕費

それぞれの注意点について見ていきましょう。

2-1 空室リスク

1つ目の注意点は空室リスクです。不動産投資では、駅から10分以上かかる物件など入居需要が低い物件を選んでしまうと空室が発生しやすくなります。

また、入居需要がある物件でも賃貸管理や建物管理が悪ければ、入居者にとっては不満が溜まるため空室が発生しやすくなります。

中長期で入居需要を見込むことができる物件を選び、24時間・365日の体制できめ細やかな管理を行っている会社に管理を依頼するなど、空室リスクに備えた動きを取ることが大切です。

また、空室が発生してしまった場合でもローンの返済が滞らないように、3ヶ月から6ヶ月分程度の返済額をつねに手元に残しておくことも大切です。

2-2 隠れた瑕疵

また物件の瑕疵(かし)にも注意が必要です。瑕疵とは「生活に支障をきたしかねない物件の欠陥」のことで、シロアリや雨漏りといった建物の物理的瑕疵、また騒音や異臭といった環境的瑕疵、あるいは元入居者が建物内で自殺や孤独死した履歴があるといった心理的瑕疵などがあります。

築年数があまり経過していない築浅の物件で価格が安い場合には、何らかの理由で需要が低い可能性があるほか、瑕疵が潜んでいるために物件価格が安くなっている可能性もあります。

なお、購入時に知らされなかった瑕疵のことを「隠れた瑕疵」と呼び、その修繕負担については「瑕疵担保責任」によって買い手の権利が守られています。購入後に買主が隠れた瑕疵を発見した場合、売主に対して修繕や契約解除の請求が可能です。

しかし、瑕疵担保を免責にする契約を締結してしまったり、瑕疵の保証期間を過ぎて瑕疵が見つかった場合など、何かしらの理由で瑕疵担保責任を追及できない場合には、瑕疵を有している物件を抱えることになります。

そうなると、せっかく自己資金をおさえて購入したにもかかわらず想定外の修繕費用が発生したり、入居者がつかない、売却したくても買い手がなかなか見つからないという事態に陥る可能性もあったりするため、十分注意して物件を選ぶようにしましょう。

2-3 修繕費

築年数が経過した物件では、キッチンやトイレ、バスなどの水回り、クロスやフローリングの修繕に費用が生じる可能性が次第に高まってきます。

いくら物件価格が安くても、修繕費が多くかかれば結果的に全体の費用が多くなってしまうことになりかねません。修繕が必要な箇所があるかどうか、これから修繕が必要になりそうか、いくらの修繕費がかかりそうかといったことも想定した上で、物件選びを進めていくと良いでしょう。

最近では、「インスペクション」という購入前に物件の劣化状況・欠陥などを調査するようなサービスもありますので、必要に応じて活用してみて下さい。

3 まとめ

不動産投資を始めるにはある程度のまとまった資金が必要ですが、都心エリアの新築・築浅ワンルームマンションなどでは、融資を活用し自己資金をおさえて不動産投資を始めることが可能です。

一方で物件選びや管理会社選びを間違えると空室が発生してしまったり、隠れた瑕疵が見つかって追加の費用がかかったり修繕費などがかかるケースもあります。購入後に費用が多く発生してしまったり、返済を滞らせることの無いように、事前の物件選びや自己資金に余裕を持って取り組むことなどを念頭におくと良いでしょう。

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矢野翔一

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。