マンション投資は入居者がいる間、定期収入を安定的に得られる投資です。しかし、初心者の方や、これから始めようという方の中には、どのように運用すればいいのかがわからなかったり、不安だったりする方もいるでしょう。
そこで、今回は、大手不動産会社で投資用のマンションを数百件販売されてきた青山和也(仮名)さんに来ていただき、マンション投資で成功した人たちが運用の際に注意していることについてお聞きしたいと思います。
目次
- 賃貸ニーズの高いエリアに絞り込んでいる
1-1.駅からの徒歩時間は10分以内に絞る
1-2.周辺環境は自分の目で確認する
1-3.通勤・通学に便利なエリアの物件を選ぶ
1-4.ハザードマップを確認する - マンション投資で成功するためのローンの組み方
2-1.できるだけ低い金利でローンを組む
2-2.頭金はできるだけ多く準備する
2-3.フルローンはできるだけ組まない
2-4.利回りが悪い場合は繰上返済や借り換えをする - 団信や火災保険は同じ保険料で保障範囲の広いものを選ぶ
- 資産価値を落とさないために管理状態は常にチェックする
- 募集広告の出し方
5-1.ターゲットを明確にして広告を作成する
5-2.家賃の見せ方を工夫する - 効率的に売却をして利益を得る
6-1.出口戦略はなるべく早く立てる
6-2.不動産には売り時がある
6-3.無理に高い価格で売却しようとしない - まとめ
1.賃貸ニーズの高いエリアに絞り込んでいる
マンション投資は最大で数十年にも及ぶ長期投資になりますので、新築物件を購入したとしても、時間の経過とともに劣化や損傷が見られるようになります。
しかし、物件が古くなっても、駅近の物件だったり、周りの環境が良かったりすれば、高い賃貸ニーズが維持できる可能性が高くなります。そのため、成功者は立地については細かく研究してエリアを絞り込んでいます。どのような点に注意して探せば良いかを見てみましょう。
1-1.駅からの徒歩時間は10分以内に絞る
まず資料から見てみたいと思います。不動産情報サイトSUUMOが単身者と夫婦世帯に取った「引っ越し、住み替えの実態調査」によると、家賃以外に重要な項目として路線・駅やエリア、最寄り駅からの時間、通勤・通学時間といった立地に関する項目が上位を占めています。
立地はマンション投資において、成功するための重要な要素になります。成功者に共通して言えるのは、立地をとても厳しい目で見ているという点です。特に駅からの徒歩時間は、毎日の通勤や通学に影響しますのでとても重要な要素です。このような点から、駅から徒歩10分以上かかるようであれば物件を見送るつもりで探しても良いでしょう。
1-2.周辺環境は自分の目で確認する
物件の周辺環境は住む人にとってとても重要な要素になります。住人にとっては近隣にコンビニやATM、スーパーなどがあることは大きなメリットになります。また、周辺エリアの施設の中には、新しく建てられたものが地図に載っていない可能性もあります。このような点から、周辺環境は実際に現地に行って自分の目で確認することが大切です。
しかし、どうしても現地を見られないという方もいると思いますので、そのような方は不動産会社に依頼をして確認をしても良いでしょう。どちらにしても、地図だけではなく目視で確認することが大切です。
1-3.通勤・通学に便利なエリアの物件を選ぶ
都心回帰が進む中、都心の会社の近くに住みたいという人が増えています。長時間、電車に揺られて通うより、できるだけ通勤時間や通学時間を減らして、空いた時間を習い事や仲間と過ごすために使う方がメリットがあると感じる人たちです。
そのようなニーズを掴むには、都心の企業が集まるエリアの物件がメリットは大きいと考えられます。しかし、都心から離れていても、都心から30分以内で通勤できるエリアであれば十分に需要が期待できます。
また、複数の勤務地に通う方が入居しやすいように、都心から離れている場合は、複数の路線が通っている駅を選ぶことが大切です。
1-4.ハザードマップを確認する
成功者の中にはハザードマップを確認して、災害の恐れがあるエリアのマンションには投資をしないという方もいます。しかし、ハザードマップを確認して、購入したいマンションが災害に弱いエリアにあったとしても、利回りが良かったり、周辺環境が良かったりすれば投資に値する場合もあります。
仮に災害が起こりそうなエリアだとしても、他の条件と合わせて検討することが大切です。
2.マンション投資で成功するためのローンの組み方
マンション投資における成功とは、売却して利益が多く得られることや、キャッシュフローが多くストックされていること、あるいはローンを完済して家賃収入を不労所得として得ていることなどでしょう。
毎月安定して利益を出し、キャッシュフローを黒字にしていくにあたって、毎月の支払いで最も大きな金額となるローンの条件や組み方などに気をつける必要があります。ローンについて、成功者がどのように考えているのかを見てみましょう。
2-1.できるだけ低い金利でローンを組む
毎月のローンの支払額は、借入金額・借入期間・借入金利によって決まります。このうち、借入時に最も考慮するべきものが「金利」です。
マンション投資では、物件価格が大きい金額となるため、借入金利が1%高くなるだけで、毎月の支払額で数万円、最終的な返済総額では数百万円もの違いが出てきます。このため、できるだけ低い金利でローンを組むことがキャッシュフローの改善につながります。
提示される金利は金融機関によって異なりますので、たとえば10社以上の金融機関と提携しているようなローンの選択肢が多い不動産投資会社を探すようにしてみると良いでしょう。
2-2.頭金はできるだけ多く準備する
キャッシュフローを多く得るには、ローンの返済額を極力抑え、家賃収入をできるだけ多く得ることが基本になりますローンの返済を抑えるには低い金利でローンを組むことが大切ですが、借入金額を低くしておくことも返済額を抑えるポイントとなります。そのため、頭金はできるだけ多く準備することが大切です。
しかし、無理をして運用資金が無くなることがないように、手元に半年分の返済額を残しておくなど、無理のない範囲でなるべく多く、というつもりで準備するようにしましょう。
2-3.フルローンはできるだけ組まない
新築物件の場合、頭金なしのフルローンを組めることがあります。フルローンを組める場合は頭金がかかりませんので、初期費用を抑えたい場合はメリットがあります。
しかし、フルローンは初期費用が抑えられても、借入総額は大きくなるので、長期的に見た場合にキャッシュフローがストックされにくくなるというデメリットがあります。
どちらが自分の投資スタイルに合っているかを考えることも大切ですが、長期的にメリットを得たい場合はできるだけフルローンは組まない方が良いでしょう。
2-4.利回りが悪い場合は繰上返済や借り換えをする
新築物件の場合、利回りが悪くキャッシュフローがなかなかストックされないケースがあります。そのままの状態が続くと、突発的な修理費用が発生した場合や、空室になった場合などに資金が足りないということになりかねません。
そのような状況を防止するために、利回りが悪い場合は繰上返済や借り換えをして、収支を改善するようにしましょう。いざという時に自身の貯金を使うのではなく、ストックしたキャッシュフローから支払いをするという運用の仕方にシフトしておくことが、成功するための一つのコツでもあります。
成功するためには毎月キャッシュフローを得て、ストックを増やしていくことがとても大切ですので、成功者の多くは、1円でも多くキャッシュフローを得ようと工夫されています。
3.団信や火災保険は同じ保険料で保障範囲の広いものを選ぶ
ローンを組む際の団信や、物件にかける火災保険は、同じ金額でもより保障範囲が広い商品が出ている場合がありますので、より保障範囲の広いものがないかどうか探してから入りましょう。団信はオーナーに万が一のことがあった場合にローンを完済するためのものですが、近年は8大疾病と診断された時点で支払われる団信もあります。
また、近年は集中豪雨など災害の種類が多くなっています。火災保険の補償は各社によってまちまちなので、保険料と補償内容の充実度から選んで入るようにしましょう。
4.資産価値を落とさないために管理状態は常にチェックする
物件の資産価値を落とさないためには、管理を細かくして状態をきれいに保つことが大切です。また、運用中の管理状態を良くすることも大切ですが、中古物件については購入する際にもあらかじめ管理状態を確認することが成功する秘訣になります。
区分マンションであっても、購入する際には共用部も見ることが大切です。エントランスやポスト周辺は物件の顔と言っても良い場所です。入居者も内覧の際は注意して見る場所ですので、そのあたりが汚れたりしていると、入居率にも影響してきます。建物全部を見るつもりで確認しましょう。
5.募集広告の出し方
入居者が退去すると、次の入居者を探すために募集をしなければいけません。その際の募集広告を、成功者はどのように出しているのかを見てみましょう。
5-1.ターゲットを明確にして広告を作成する
募集広告の内容は、どのような属性の人をターゲットにするか、ということがとても重要です。周りに大学がたくさんあれば、学生向けの内容や色遣いにすると反応が上がるように、周辺に何があるかとか、その路線を使ってどのあたりに通勤する人が多いかなどを調べ、属性を絞って広告を作成するようにしましょう。
基本的に広告は仲介を依頼する不動産会社に作成してもらい、出してもらうことになりますが、自分でも内容を確認したり、広告のための打合せを事前に行ったりすることが大切です。
5-2.家賃の見せ方を工夫する
ターゲットを絞ったら、属性に合わせて家賃設定をしたり物件の写真を掲載したりします。広告の反応が悪いと感じた場合、家賃を下げることもありますが、一歩踏みとどまり家賃の見せ方を工夫することも考えてみましょう。
例えば家賃8万円と出していたものを家賃7万円と共益費1万円に分けるなどの工夫です。手元には同じく8万円が入りますが、前者の場合はネットで検索をする際に「8万円以下」の条件でしか表示されなかったものが、後者の場合には「7万円以下」でもヒットするようになります。これによって問い合わせ件数が増えることを期待できるというわけです。
このように、少しでも家賃を下げない努力を行うのも成功するためには大切なことです。
6.効率的に売却をして利益を得る
出口戦略とは、ローンを完済したり、物件を売却したりして不動産の運用に一区切りつけることを総称して言います。今回は売却した場合について触れてみたいと思います。
6-1.出口戦略はなるべく早く立てる
出口戦略をなるべく早く立てることが、うまくマンションを売却するためのコツです。売却の時期が決まっているのと決まっていないのとでは、運用の仕方が違ってくるからです。
例えば繰上返済をしようとしても、売却が決まっていれば繰上返済は必要ないと判断したり、必要だとしても返済額が違ったりしてくる可能性があります。また、売却の時期が決まればそれまでにやっておくことも変わってきます。そのような点から出口戦略はなるべく早く立てるようにしましょう。
6-2.不動産には売り時がある
不動産を売却した際はローンを完済しなければいけません。ローンを完済して残った金額が手元に残るお金になりますが、物件価格の推移とローンの残債の関係によっては多く残る時期や、少なくなる時期があります。そのような点からも、早めに計画を立てて売り時を見計らった方が売却の成功する確率が高くなるのです。
6-3.無理に高い価格で売却しようとしない
低い価格で買った物件を高く売却できるに越したことはありませんが、成功者の多くは決して高い価格で売却することをゴールとは捉えていません。一般的に不動産価格は築年数が経過するにつれて下がっていきます。そのため買った価格より高く売却するのはとても難しいことなのです。
マンション投資で儲かったかどうかは、総収入と総支出で見ることが大切です。これまで得てきたキャッシュフローのストックが、売却時のマイナス分を上回れば、利益が残ることになります。このことからもキャッシュフローの大切さがわかるのではないでしょうか。
まとめ
青山さんの解説で、成功者が立地や収支にこだわりを持って取り組んでいることがわかりました。
また、賃貸経営という視点から、空室を作らないために立地の選び方や、募集の仕方、管理状態など複数の視点からチェックすることが大切です。これからマンション投資をされる方は、今回の解説をぜひ参考にしていただければと思います。
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西宮光夏
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