不動産投資市況は依然「拡大期」、機関投資家や不動産事業者の投資意欲は旺盛

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一般財団法人日本不動産研究所(JREI)が5月28日に公表した「第40回不動産投資家調査」(2019年4月時点)で、不動産投資家の今後1年間の投資に対する考えは「新規投資を積極的に行う」が 94%で前回調査より4ポイント上昇した。一方、「当面、新規投資を控える」という回答は6%で前回調査より1ポイント低下する結果となった。世界経済に対する先行き懸念が一部で指摘されているが、国内の不動産投資市場に直接的に影響する懸念材料はまだ少ないとみられており、JREIは「不動産投資家の積極的な投資姿勢が維持された」と読む。

アセット・マネージャーやディベロッパー、不動産事業者など198社にアンケートを送り、156社から回答(回答率78.8%)を得た。Aクラスビル(オフィスビル)の期待利回りは、「丸の内・大手町」地区が3期連続の横ばいとなり3.5%。その他は「虎ノ門」「西新宿」3.8%、「札幌」5.5%、「仙台」5.7%、「大阪(梅田)」4.5%、「広島」5.9%など0.1ポイント低下した地域もあり、全体としては、横ばいと低下が混在するまだら模様となった。他の用途では、東京のホテル(宿泊特化型)の期待利回りが前回比0.1低下したが、全体としては「横ばい」が多くを占めた。

賃貸住宅1棟(ワンルームタイプ)の期待利回りは、東京の「城南」が4.3%(前回調査(18年10月)比0.1ポイント低下)となり、同調査で過去最も低い水準を更新。その他の地区では全体として横ばいの傾向が見られた。

マーケットサイクル(市況感)に対する調査については、東京・大阪のいずれも、「現在」および「半年後」を「拡大期」とする回答が最も多かった。今後1年間の不動産投資に対する考え方については、「新規投資を積極的に行う」が94%と、積極的な姿勢がうかがえる。

同時に実施した「不動産のESG投資について」の特別アンケートでは「ESG投資に適した不動産に投融資をする場合どんなことを期待するか」について「不動産価値への影響」(240ポイント)を重視するがトップ。「IRへの影響」(124ポイント)、「賃料単価への影響」(118ポイント)と続いた。「ESG投資に適した不動産とそうでない不動産の賃料収入の違い」については、「特に違いはない」(84.6%)が1位で、「1~5%程度高い」(11.5%)が続いた。10年後については、「1~5%高くなる」(60.5%)との予測がトップで、「特に違いはない」(24.0%)を逆転した。

「今後不動産のESG投資がさらに普及するためにはどんなことが必要か」については「オーナー・テナント・金融機関・投資家等の意識改革」が26.4%で1位。「不動産価値の向上」「国や自治体による補助・減税制度」(24.5%)、「鑑定評価への反映」(16.0%)と続いた。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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