投資用不動産を手掛ける株式会社グローバル・リンク・マネジメントは10月15日、「2021年下半期以降、不動産投資に期待集まるか?」と題したレポートを公表した。同社が発足した「グローバル都市不動産研究所」による調査・研究の第12弾で、21年上半期の東京の人口動向とマンション・オフィス市況を振り返り、新型コロナウイルス感染拡大による投資活動への影響や、海外投資家から見た東京の不動産価値について分析している。
東京都の人口推計によると、21年1月から若干の減少となったが、5月1日には1405万6643人まで回復。しかしその後は再び減少に転じた。新型コロナウイルスの影響で外国人が大幅な減少となったことが主な要因。日本人は17区で増加し、特に江東区などの都心区や、練馬区などの学生や新入社員が好む区で人口増が目立った。
都区部の新築マンションの新規販売戸数は21年1月に緊急事態宣言を受けて減少したが、8月まで7ヶ月連続で前年同月比プラスとなった。中古マンション成約件数も活況を呈したが、8月には感染拡大の影響で19.2%減となった。一方、成約㎡単価は8月まで16カ月連続で前年同期比プラスを維持している。
インバウンド投資額の総額は頭打ちだが、海外投資家の投資活動は回復傾向にある。地価が下落傾向にある商業地への関心が高まっており、同研究所は住宅・商業の両方で東京の不動産価値は底堅いと見ている。
人口、マンション販売戸数に緊急事態宣言によるマイナス影響が見られる一方、発令以降、将来の収入への備えとして新たに投資を始める人が増えている。家計の金融資産のうち、特に株式や投資信託残高が極めて高い伸び率を示した。また、「今後1年間で不動産投資を積極的に行う」と回答した割合は、19年10月の95%に迫る勢いまで回復した。
同研究所所長を務める市川宏雄明治大学名誉教授は「都心回帰の動きは依然として続いており、都心の不動産は住宅地についての下落は顕著には見られていない。コロナ禍で供給が減り需要とのギャップが生じ、今回のパンデミックを経験して不動産に興味を持つ人が増え、東京都心に対する不動産投資の国内外の注目は続くと思われる」と総括している。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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