第3四半期のオフィス投資額はコロナ禍の反動で前年比77%の大幅増に。CBRE調査

事業用不動産サービスのシービーアールイー株式会社は11月12日、2021年第3四半期(Q3)の国内の投資市場動向として第73回「不動産投資に関するアンケート」の結果を発表した。Q3投資額は1兆1840億円で対前年同期比77%増となった。コロナ禍による抑制の反動と、オフィス投資額の大幅増(同+472%)が主因。Q3までの累計投資額は2.6兆円で、前年同期を2%下回った一方、取引件数は前年同期を1割程度上回った。

オフィス投資の増加には、事業会社が本社ビルを国内の投資家に譲渡した大型取引が大きく寄与した。また、Q3までの累計投資額は2.6兆円で、前年同期を2%下回った。取引件数は前年同期を1割程度上回っており、昨年に比べて中小規模の取引が増加したことがうかがえる。

今期はJ-REIT以外の国内投資家による投資額が5600億円で対前年同期比400%増加し、J-REITによる投資額も4,878億円で同41%増加した。一方で、海外投資家の投資額は1370億円で同35%減少。海外投資家の投資額は、前年同期に45%と大きく増加した反動が出た。東京Aクラスオフィスを対象としたCBRE短観指数(DI)は「投融資取組スタンス」DIが対前期比+5ポイントと最も大きく改善。同スタンスを「促進」とする回答率が4ポイント増加した。リモートワークの普及などでオフィス需要に対して懸念が高まっていたが、足元ではやや後退しつつあるようだ。

地方都市でも投資が増加傾向にある。Q3までの累計投資額は大阪で対前年同期比23%増加、名古屋は同51%と大幅に増加。特に、大阪では物流施設の投資額が増加し、名古屋では海外投資家による大型オフィスの取得が主因となった。東京に比べて利回りが高いことなども評価されている。福岡と仙台でも累計投資額が大きく増加(対前年同期比+127%、同+491%)。福岡はJ-REITによるオフィスなどへの投資、仙台は海外投資家による住宅の取引が主因。

また、同社が四半期毎に実施している「不動産投資に関するアンケート期待利回り」では、マンション(ワンルーム)が前期から低下、オフィス(大手町)、物流施設(首都圏湾岸部)、マンション(ファミリー)が横ばい、商業施設(銀座中央通り)とホテル(運営委託型)が上昇した。このうち、東京Aクラスオフィスを対象としたCBRE短観指数(DI)については、「投融資取組スタンス」DIが対前期比+5ポイントと最も大きく改善。投融資取組スタンス「促進する」の回答率が4ポイント増加した。リモートワークの普及などでオフィス需要に対して高まっていた懸念が、足元ではやや後退しつつあるとみられる。

結果について、同社は「経済活動の正常化に向け、投資家の意欲は総じて高い。ただし投資家は、引き続き物流施設や住宅、オフィスを選好するだろう。特に、物流施設と住宅の取引利回りはさらに低下する可能性がある。オフィスは、バリューアッドを想定した案件では低利回りの取引が散見されるが、新規賃料が下落している現状では、全般的にオフィス取引利回りが低下するとは考えにくい」と総括した。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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