個人の資産運用満足度、ネット証券1位は松井証券。スマホ利用増、デジタル・チャネル戦略が満足度のカギに

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの株式会社J.D.パワー ジャパンは7月31日、「J.D.パワー2020年個人資産運用顧客満足度調査」の結果を発表した。年一回、民間の銀行、証券会社で、投資信託・株式・外貨預金・FXなどの資産運用を行っている個人投資家(全国の20歳~79歳の男女)を対象に、直近1年間のサービス利用経験に対する満足度を明らかにする目的で、今年9回目。サービス形態をもとに「対面証券」「全国系銀行」「信託銀行」「ネット証券」「ネット銀行」の5部門に分けて総合満足度ランキングを集計した。前年の「新形態銀行」の中でネット形態を主とする銀行を「ネット銀行」とし、「地方系銀行」を調査項目から外している。調査の対象は直近1年以内に銀行、証券会社で個人資産運用サービス(投資サービス)を利用したユーザーで、1万1694人が回答した。

各部門の総合満足度ランキングで、対面証券の第1位に選ばれたのが三菱UFJモルガン・スタンレー証券(594ポイント)。「商品・サービス」「手数料・金利」「店舗施設」「顧客対応」の4ファクターで最高評価となった。第2位は野村證券(591ポイント)で、「口座情報」ファクターで最高評価。第3位は大和証券(584ポイント)。全国系銀行部門では第1位三井住友銀行(589ポイント)が5年連続の受賞。商品・サービス、口座情報、店舗施設、顧客対応の4ファクターで最高評価となった。第2位は三菱UFJ銀行(579ポイント)、第3位はみずほ銀行(568ポイント)となった。

信託銀行の第1位は三菱UFJ信託銀行(594ポイント)が、商品・サービス、手数料・金利、顧客対応の3ファクターで最高評価を得た。第2位のSMBC信託銀行(590ポイント)は口座情報、店舗施設の2ファクターで最高評価。第3位は三井住友信託銀行(583ポイント)だった。

ネット証券部門では第1位が松井証券(619ポイント)。手数料・金利、顧客対応の2ファクターでの評価が最高だった。第2位のSBI証券(616ポイント)は商品・サービス、口座情報の2ファクターが最高評価。第3位は楽天証券(610ポイント)。新項目のネット銀行のソニー銀行が第1位(622ポイント)で、商品・サービス、口座情報、顧客対応の3ファクターで最高評価だった。第2位の住信SBIネット銀行(609ポイント)は手数料・金利のファクターで最高評価を獲得、第3位に楽天銀行(598ポイント)がランクインした。

調査は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下の4月中旬から下旬にかけて実施された。ステイホーム、テレワークが増加し始めた時期で、ネット証券の口座数が急増、株式取引も増えた。「新型コロナウイルスの感染拡大による株価急変を投資の好機と捉える個人投資家の売買が急増し、自宅からの投資が増えた」と同社は考察。特に、オンラインサービスでは、最も利用した端末がスマートフォンという顧客(スマートフォン主利用者)は、前年から4ポイント増え33%となった。またスマートフォン主利用者はパソコン主利用者よりも「オンライン」ファクター満足度が高い。同社は「現状ではパソコン主利用者が63%と最も多いがスマホシフトは今後も進んでいく」と予想している。

また、今回は初めて企業の信頼度やブランドイメージについて聴取した。企業の信頼度において、対面系(証券会社、全国系銀行、信託銀行)では「不手際があった際に責任を持って適切に対処をしている」のに対し、ネット系(ネット証券、ネット銀行)では「顧客の期待に応えるサービスを提供している」が信頼度指数(トラストインデックス)に対して最も影響を与えていることがわかった。

新型コロナウイルス感染拡大を受けた株価の大幅な下落で、保有資産価値が大きく減少する顧客もみられる一方、老後2000万円問題を契機に長期的な資産形成について考え始めていた折、株価の大幅な下落が資産運用を始めるきっかけとなったケースも見られる。「マーケットが二極化する中で、ウィズ・コロナ時代に顧客満足度と収益強化を両立させるためには、日本より一歩進んだ米国でのベストプラクティスを踏まえ、独自のデジタル・チャネル戦略をいかにうまく構築・実践していけるかがカギ」と同社は総括している。

J.D.パワーは米国ミシガン州に本社を置く国際的マーケティングリサーチ企業。顧客満足度改善やパフォーマンス向上のソリューション提供のため、現在、北米、南米、アジアパシフィック、ヨーロッパで事業を展開している。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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