アパートオーナーの利回り実績公開!アパート経営って本当に利益出るの?

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アパート経営は、マンション経営よりも規模が大きいため、初期投資の費用も大きくなってしまいます。そのため、アパート経営を始めたくてもなかなか一歩を踏み出せずにいる人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、実際に私がアパート経営を行ってみた結果、利回りがどのくらいだったか、また本当に利益を出すことができたのかについてご紹介したいと思います。

目次

  1. 始める前に熟考することが大事
    1-1.アパート購入事例① 築20年程度の2階建て中古アパート
    1-2.アパート購入事例① 築20年程度のファミリー向け中古アパート
    1-3.アパート購入事例③ 駅徒歩5分の単身者向け新築アパート
  2. 家賃収入以外の収入を検討する
    2-1.太陽光パネルの設置
    2-2.空きテナントの有効活用
    2-3.空き駐車場の有効活用
  3. まとめ

1.始める前に熟考することが大事

アパート経営を始める場合は「中古アパートを運用するのか」「新築アパートを運用するのか」だけでなく、「自己資金で購入するのか」「金融機関から融資を受けるのか」など様々な項目について検討する必要があります。

中古アパートを購入する場合には、初期投資を抑えながら運用を始めることができますが、修繕費や光熱費などのコストが多くかかります。新築アパートをする場合、初期投資は多くなりますが、修繕費がしばらく発生しないため、家賃収入がそのまま利益になるというメリットがあるでしょう。

また、アパート経営は、億単位の資金が必要になって自己資金では足りない場合もあるため、金融機関から融資を受けながら行うのが一般的です。では、自己資金が足りている場合には自己資金でアパートを購入しても問題が無いのでしょうか?

アパートの購入費用を差し引いても自己資金にかなりの余裕がある場合には、自己資金でアパートを購入しても問題はありません。しかし、あまり余裕がない場合には、一度不動産に換えてしまうと急に現金が必要になったとしてもすぐ現金に戻すことができないため、金融機関から融資を受けて行う方が無難と言えるでしょう。

このように、アパート経営を行う場合は、全ての選択肢においてメリットとデメリットが存在しています。アパート経営で成功するためには、1つ1つの選択肢をしっかり熟考し、土台を固めてからアパート経営を始めることが重要です。では、実際に私が運用した物件の事例を3つご紹介します。

アパート購入事例① 築20年程度のファミリー向け中古アパート

最初にご紹介するのは、住宅街に位置した築20年程度の2階建てアパートです。こちらの居室は、2DKの普通仕様、3DKのメゾネットタイプ2種類が併設されたファミリー向けのものとなっています。

この物件は、駅から徒歩20分ほどとアクセスはあまり良くないものの、ドラッグストアやコンビニ、学校や病院などが近くにあるため、ファミリー向けには最適の周辺環境でした。基本的にはほぼ満室で、各入居者が長期間契約するような物件なのですが、たまたま空室があったため、購入価格を抑えることができたのは大きなポイントと言えます。

購入時で8%前後、満室時で10%前後になる利回りであったため、融資の返済や修繕費の負担が生じてもほとんど影響を受けることがありませんでした。現在は、15年程で融資の返済が完了し、家賃収入のほとんどが純粋な収入として計上されています。

アパート購入事例② 築20年程度のテナント付き中古アパート

次にご紹介するのは、幹線道路沿いに面した築年数は20年程度、4階建てで比較的規模が大きなアパートです。こちらの居室は、3DKのファミリー向けのものとなっており、テナントも1つ併設(空き)されています。

この物件も駅から徒歩20分ほどとアクセスはあまり良くないものの、幹線道路沿いにあるため利便性という面では優れた周辺環境でした。こちらも基本的にほぼ満室で、各入居者が長期間契約するような物件なのですが、たまたま空室があったことに加え、空きテナントもあったため、購入価格を抑えることができたのは大きなポイントと言えます。

購入時で8%前後、満室時で12%前後(テナント含む)になる利回りでしたが、外壁塗装や細かな修繕が続いたため、数ヵ月程度支出が収入を上回るような状況になりました。また、エレベーターが設置されていなかったことが影響し、敷金・礼金を0にして上階の空きを埋めるなど、工夫が必要であったのが少し難しいところだったと言えるでしょう。

しかし、テナントの収入がないものと想定した上で返済計画を立てていたこともあるため、大きな影響を受けることなく、15年程で融資の返済が完了しました。不動産投資の需要の高まりを受けて、購入希望者が現れたため最終的には売却しましたが、空きテナントの有効活用に踏み切れていれば、もう少し利回りを高めることができたでしょう。

アパート購入事例③ 駅徒歩5分の単身者向け新築アパート

最後にご紹介するのは、快速や特急などが止まる主要な駅から徒歩5分内にある空き地に自ら設計に携わって新築したアパートです。こちらの居室は、2LDKの一人暮らしの女性や二人暮らしを想定したものとなっています。

敷地は、再開発によって得た代替地を相続したもので、立地条件はかなり優れていますが、計画を聞いたときは利回りの低さに驚きました。中古アパートを購入する場合は、最低でも利回りが購入時で8%程度、満室時で10%程度になるようにこだわりましたが、満室時で6%程度と、アパートを新築する場合の大変さを痛感したのを覚えています。

そこで、1階にテナントを2つ、太陽光パネルを屋根上に設置、一括借り上げの導入など、設計を1から見直したことによって、アパートを新築したにもかかわらず利回りを10%に到達させることができました。

利回りを上乗せするために、1階部分をテナントに変更するのは少しリスクがありましたが、契約先を見つけてから運用を始めたため、良好なスタートが切れました。まだ運用開始から数年で、ローンの返済は残ってはいるものの、一括返済で入居状況に左右されずに済んでいることに加え、太陽光発電の収入が1部屋増えたのと同じ効果をもたらしているおかげで、順調に返済が進んでいます。

こちらの物件の今後の課題としては、返済が終わるまでにテナントが開いてしまった場合の不足分をどう補っていくか、ということを考えていく必要があります。

2.家賃収入以外の収入を検討する

アパート経営は時代の流れを考慮することが重要です。例えば、中古アパートには駐車場が併設されていることがありますが、車を持たない若年層も増えてきたことなどを考えると、駐車場のニーズは確実に需要がなくなってきていると言えます。

そのため、中古アパートを購入する場合は、入居率をいかに高く維持するかということ以外にも、需要のない駐車場や空きテナントなどをどのように有効活用すればいいのか、また、新築アパートを購入する場合やアパートを新築する場合は、どのようにすればアパート経営における利益を最大限に発揮できるのかを考慮することが求められます。

今後のアパート戦略として、私が注目しているのは以下の3点です。

  • 太陽光パネルの設置
  • 空きテナントの有効活用
  • 空き駐車場の有効活用

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

2-1.太陽光パネルの設置

最近の新築アパートは太陽光パネルが設置されていることが増えています。これによって新築アパートの利回りが低くなりやすいのを補うことができるほか、一般的な住居よりも接地面を大きく確保できるため効率良く発電できます。

現在は発電した電力の買い取り価格が下がっているため、売電で利益を出すというよりも電気代などのコストを抑える効果が期待できます。既に太陽光パネルが設置された中古マンションを購入すると、買い取り価格が高い時で契約をしている可能性もあるため、売電による利益を狙ってみても面白いと言えるでしょう。

2-2.空きテナントの有効活用

中古アパートを探していると、立地条件の良い物件がテナント付きであることがあります。物件の売却価格は、テナントの賃料も含めた家賃収入の総額から算出するため、テナントの空き状況によって大きく変動します。

テナントが埋まっている状態で物件を購入していたにもかかわらず、テナントが退去してしまった場合には、利回りが大きく低下します。逆の場合は利回りが大きく上昇することになりますが、私の経験上、一度退去したテナントが埋まることがほとんどありません。では、テナント付きの物件は購入しない方が良いのでしょうか?答えは「NO」です。

テナント付きの物件を購入する場合には、テナントが埋まった状態で購入すると損をする可能性があるため、埋まっていない状態で購入することをおすすめします。空きテナントは、トランクルームへの変更のほか、高齢者を対象のバリアフリー仕様の居室に変更するなど、有効活用することによって家賃収入の上乗せが期待できるでしょう。

2-3.空き駐車場の有効活用

駐車場が併設されていることは、近隣に駐車場を借りる手間を省くことができるため、その物件の魅力の1つと言えます。しかし、現在は若者の車離れが深刻化しているため、空きが目立つようになりました。

空きテナントと同様、利用されないまま放置していては宝の持ち腐れになってしまうため、有効活用が求められます。例えば、併設されている駐車場の一部をコインパーキングに変更するなど、入居者をターゲットにするのではなく、外部の利用者をターゲットにするという方法が考えられます。

また、駐車場にコンテナを設置して、駐車場としてではなくトランクルームとして利用するなど、有効活用することによって家賃収入の上乗せが期待できるでしょう。

3.まとめ

ここまでご紹介した物件は、物件選びに妥協せず、こだわり抜いてきたため、大きな失敗に巻き込まれることがありませんでした。不動産投資の素人であっても、無理をせず計画的に運用を行えば、利益を出すことができると言えるでしょう。

私が物件選びの際にこだわり抜いているポイントをまとめると、以下の5つです。

  • 満室時の利回りが10%前後
  • 実質の利回りが8%前後
  • アパートの敷地が広い
  • 築年数30年以上は購入しない
  • 物件の状況に応じて常に柔軟に対応する

利回りが5%程度になってくると、返済期間や入居状況によっては家賃収入と返済額がほぼ同じくらいになります。そのため、少しでも余裕をもちながら運用するために、現在の入居状況を反映した表面利回りが8%前後、満室時を想定した想定利回りが10%になるような物件を選んでいます。

また、建物の割合が多い方が減価償却による節税効果が期待できるのですが、運用がうまくいかない場合には更地にして売却するという選択もできるため、土地の広い物件を選んでいます。築年数が30年を超えると、修繕箇所が増えるだけでなく、売りたくても買い手が見つからなくなるリスクが出てくるため、買うなら築20年まで、売るなら築30年までにこだわっています。

しかし、これらにこだわりすぎてしまうと、良い物件を逃してしまうことがあるため注意が必要です。時には、こだわりのレベルを少し下げて柔軟に対応することも、アパート経営を成功させるためのポイントと言えるでしょう。

今回ご紹介したのはあくまで私の投資事例ですので、自己資金が豊富な方や安定した入居を求めたいという方は、また別のアパート経営の形になることが考えられます。ご自分の投資目的や状況、購入できる物件なども考慮に入れながら、どのような形で運用するのがベストかを考えていきましょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。