再び注目?数万円から不動産投資ができるJ-REITとは何かを解説します!

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いよいよ来年は東京オリンピックです。ここ数年どんどん不動産の価格は上昇し、都心のマンションなどは価格が高止まりしているとも言われています。今回は、そんな不動産投資の中でも、大家さんにならなくても少額で不動産投資ができる「J-REIT」という仕組みに注目してみました。

目次

  1. そもそもREITとは?なぜJ-REIT?
  2. 不動産投資の1つ、J-REITの魅力とは?
    2-1.少額から投資ができる
    2-2.換金性が高い
    2-3.分散投資ができる
    2-4.収益の分配割合が高い
    2-5.J-REITにはデメリットもある
  3. J-REITはどこで買えるの?
  4. J-REITと投資信託の違い
  5. まとめ

1.そもそもREITとは?なぜJ-REIT?

REITは、Real Estate Investment Trustの頭文字を略したものです。この不動産投資信託・REITの仕組みはアメリカから生まれました。今では、世界中でREITが取り扱われており、不動産投資という観点でも欠かせない金融商品となりました。

REITは、投資信託と同じような形態を取るため、投資信託の仲間とも言えます。単にREIT というと、世界中の不動産を対象とした投資信託のことを指しますが、J-REITは、Real Estate Investment Trustの頭文字に、JapanのJを付けているので、日本の不動産のことを指しています。単純ですが、J-REITは日本の不動産に投資する商品ということがわかります。

2.不動産投資の1つJ-REITの魅力とは?

J-REITの魅力というのは、大きく分けて4つあります。

2-1.少額から投資ができる

将来値上がりするだろうという都心のマンションやオフィスビルは、一棟で何億円もするため、個人で購入できる人はそうそういません。

J-REITの魅力の一つとして、将来値上がりしそうな場所や不動産を見つけるプロが、みんなから集めたお金でそういった物件に投資することで、一口あたり数万円から手の届かないような物件を購入できるという点があります(※商品によっては一口何十万とするものもあります)。

2-2.換金性が高い

J-REITは証券取引所に上場しているので、普通の株式と同じように取引所(証券会社)で購入することができます。日々の値動きをみながら、指値注文や成行注文などで購入することが可能です。

通常の不動産の場合は、その名の通り「不動の財産」なので、換金性という点では難しい場合もあります。不動産は二つとして同じものがなく、立地や設備などを吟味する必要があるほか、や相対取引(1対1で直接取引を行う)になるからです。その点からすると、取引所で一口単位から売買を行うJ-REITは換金性が高い商品と言えます。

J-REITは、流動性確保の為に、解約に応じない「クローズドエンド型」という仕組みを用いています。これは、途中での換金、解約には応じない形態の投資信託のことです。

例えば、途中で大きな金額を解約したいと投資家からの申し出があった場合、対象となる不動産の売却、購入がすぐには難しいことと、運用が不安定になってしまう問題が生じます。投資したのに解約ができないとなると、投資家にも不利なため、REITを証券取引所に上場させて市場で売買してもらうという仕組みを取っています。

なお後に説明する通常の投資信託は、換金・解約はファンドに応じて手続きができますが、中には「クローズドエンド型」で運用をする場合もあるので、投資信託の購入の際には事前に確認することが必要です。

2-3.分散投資ができる

J-REITの商品は、一つだけの不動産に投資はせず、オフィスビルに特化した不動産投資を行う、あるいは住宅、商業施設への投資などというように、ある程度不動産投資の対象を決めています。あるいはすべての不動産を投資対象にするなどしていても、いくつかの不動産に分散させて、リスクを軽減させています。

ポートフォリオを分散することによって、家賃収入や売却価格の下落リスクを軽減できるため、安定した運用を行うことができます。また、物件の選定や運用は不動産投資の専門家が行うため、ある程度成長性の高い、収益率が高い物件に投資できる可能性が高くなります。

2-4.収益の分配割合が高い

J-REITの仕組みでは、ファンド(不動産デベロッパーなど)は「(不動産)投資法人」という形態の会社を作り、投資家から集めたお金で投資対象となる不動産投資を購入します。

会社として事業を運営している場合、会社の利益に対して法人税が課せられます。しかし、J-REITの場合は、収益の90%超を分配するなどの一定の条件を満たせば、実質的に法人税がかからないという税制上の優遇があります。

これは、投資法人が会社という形態を取っているものの、中身は事業ではなく投資家から集めた資金を運用しているということから税制上の優遇が適用されているのです。そのため、運用が上手くいき、収益が上がれば上がるほど、高額の分配を行いやすいという側面があります。

2-5.J-REITにはデメリットもある

J-REITの良い面ばかりを上げましたが、もちろんリスクがある商品ということや、デメリットもあることを補足しておきます。

例えば、不動産に投資するので、経済状況の悪化などによる不動産市場の下落や金利状況などによって、大きく価格が下落する場合があります。また投資家の出資以外に、金融機関に融資をしてもらって投資対象の不動産を購入している場合は、金利状況によっても収益が悪くなる場合があります。そうなると分配等がなくなったり、価格が下落したりする可能性があります。

また、火事、地震によって投資対象の不動産がなくなってしまったりするリスクもあります。他にもJ-REITは証券取引所に上場しているので、上場廃止基準に抵触した場合の上場廃止のリスクがあったり、運用が上手くいかずに会社が倒産するリスクなどがあったりします。上場廃止になるとJ-REITの資産価値は無くなりますので、投資した分が戻ってこない可能性が高いということになります。

3.J-REITはどこで買えるの?

J-REITは、証券会社で購入することができます。証券口座を開設し、株取引と同じように売買を行うことになります。通常の投資信託であれば郵便局や銀行など様々な店舗で購入できますが、J-REITはETF(上場投資信託)と同様、市場取引でしか購入ができない点に注意しましょう。

4.J-REITと投資信託の違い

J-REITと投資信託の違いは、まず上記の通り購入方法が異なります。J-REITは証券取引所で取引ができますが、投資信託はできません。また投資信託は投資対象が不動産以外にもたくさんありますが、J-REITの投資対象は不動産に限定されています。

J-REITは、投資信託の仲間で、形態や法令は投資信託の商品として適用がなされています。その投資信託を取引所で取引できるように証券化したもの(投資証券」が、J-REITの仕組みです。

なお、東証全体のREITの動きを示す指標として「REIT指数」というものもあります。上場しているすべてのREITを対象としているので、REITの動きがどうなっているのかの参考になります。

5.まとめ

不動産投資では、物件の購入にまとまった大きな金額が必要になる、流動性が低いという側面がありましたが、J-REITの登場によって、少額から通常の不動産投資よりも気軽に投資ができるようになりました。

分配の出しやすさから利回りが高いと一時人気がありましたが、最近は、不動産価格やREITの株価が上昇し、利回りが低下しているものもあります。しかし、そのぶんキャピタルゲインを狙えたり、少ない価格で不動産に投資ができたりするメリットは健在です。

人口減少を迎えている日本ですが、国をあげて東京や大阪など都市の活性化には力を入れていますし、地方にしても、地域活性化のためにいま行政で様々な取り組みが行われています。地域が活性化し、それに伴い不動産価格も上昇すれば、J-REITの魅力ももっと上がるはず。そんなJ-REITを探して、見つけて投資してみてはどうでしょうか。

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河合志保

証券会社での勤務経験を活かし、金融商品、投資、経済関連などのライティングをしています。 日々変化する金融の世界は、Fintechでさらに加速し、ますます面白くなっていきそうです。 そんな金融の世界にもっと興味を持ってもらえるよう、わかりやすく、ためになる記事を発信していきます!