不動産投資を行ううえで、不動産投資会社は重要なパートナーとなります。不動産投資会社は、投資用物件の購入時だけでなく、運用開始前後のアドバイスやサポートも行ってくれます。
そこで今回のコラムでは、不動産投資会社を選ぶ際の見極めるポイントを5つ取り上げて解説していきます。不動産投資会社選びを失敗しないためにも、ぜひ参考にしてください。
目次
- 不動産投資会社の役割とは?
- 不動産投資会社を見極めるポイント
2-1.不動産投資会社の「会社規模」
2-2.不動産投資会社の「実績」
2-3.不動産投資会社の「提携金融機関」
2-4.不動産投資会社の「営業力」
2-5.不動産投資会社の「サポート体制」 - まとめ
1 不動産投資会社の役割とは?
不動産投資会社では、不動産投資家に対して投資用物件を紹介するほか、物件購入のアドバイスをしたり、物件の運営をサポートしたりしてくれます。不動産投資会社がワンルームマンションやアパート、リノベーション物件などの投資用物件の開発を独自で行っているケースもあります。
詳細なサポート内容は会社ごとに異なりますが、主には下記のようなことを行っています。
- 投資先となる不動産を紹介する
- 物件購入のサポートをする
- 融資元となる金融機関を紹介する
- ワンルームマンションやアパート、リノベーション物件などの投資用物件を開発する
- 物件購入後に運営のサポートをする
- 管理業務を受託する
- 最新の不動産業界の情報を提供する、など
特に、初めて不動産投資に挑戦する方にとって、プロの立場から提案やアドバイスをしてくれるので頼りになる存在です。
しかし一方で、自社の販売利益を優先して投資家に十分なリスクやデメリットの説明をしなかったり、甘いシミュレーションを提案して運用開始後のサポートを行わない事業者も存在します。
不動産投資をこれから始める際は、複数の不動産会社を比較しながら、自身に合った不動産会社と取引を進めることが大切なポイントとなります。
2 不動産投資会社を見極めるポイント
不動産投資会社を見極める際のポイントについて、ここでは「会社規模」「実績」「提携金融機関」「営業力」「サポート体制」の5つを紹介していきます。
2-1 不動産投資会社の「会社規模」
不動産投資会社を見極める際に、会社の規模を確認します。一概には言えませんが、会社規模が大きい方が金融機関からの融資も得やすく、高額物件の取り扱いもしやすくなります。
そこで会社の規模を見極めるポイントとして、「資本金」「従業員数」の2つについて解説していきます。
資本金
不動産投資会社の資本金の大きさを確認することで、おおよその事業規模をうかがい知ることができます。
事業規模が大きいと経営における体制が充実していたり、アフターフォローや管理体制など、投資家向けのサービスが充実していることにも期待が持てます。
従業員数
従業員が多い方が売上も上げやすく、企業規模も大きいと推測することができます。
不動産業はサービス業に分類されますので、中小企業基本法での定義は以下のようになります。
- 中小企業の定義:資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
- 小規模企業者の定義:従業員5人以下
※参照:中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」
2-2 不動産投資会社の「実績」
実績が豊富な不動産投資会社は、それだけ経験を積んでおり、不動産投資に関するノウハウを持っていると考えられます。ノウハウが豊富であれば、幅広いアドバイスや提案がもらえることが期待できます。
そのため不動産投資会社のホームページを確認する際には、下記の点にも注意してみましょう。
- 創業年
- これまでの取引件数
- 物件供給件数
- 取引オーナー数
- 売上高
- 管理業務を行っている場合は管理戸数や入居率
- 取引実績のあるエリア、など
このような実績の数値を知っておくと、不動産投資会社を検討する際に客観的な視点で比較することができます。
ただし件数の多少だけではなく、不動産投資を行う際の自身の投資目的に合うかどうかも重要です。デザインやターゲット層、取引実績エリアなどが自身の考える投資目的と合わなければ、どれだけ実績数が多くても他の不動産投資会社を検討したほうが良いでしょう。
そのため、さらに絞り込む際には、取引実績の内容やデザインの方向性、得意なターゲット、取引エリアなどをより細かく分析してみることも大切です。
2-3 不動産投資会社の「提携金融機関」
不動産を購入するには金融機関から融資を受けるケースが多く、属性評価が乏しい方にとっては、融資が得られるのか不安に感じることも少なくありません。
そのため融資に強い不動産投資会社を選ぶと良いのですが、その見極めポイントとなるのが連携数や連携プランの有無などです。これらが明記されていることで、金融機関から信頼を得ている不動産投資会社であることが期待できます。
融資判断は、投資家自身の属性だけでなく物件の担保評価も重要な指標となります。不動産投資会社や提供されている物件の信頼が厚ければ、融資が得やすくなると考えられます。
そこで不動産投資会社を検討するときは、下記の点も確認しましょう。
- 連携している金融機関の数
- 特別金利が適用されるかどうか
- 連携プランの有無、など
不動産投資は融資によるレバレッジ効果をうまく活用することによって、用意した自己資金に対して高い投資効率を得られる可能性があります。より良い金利・融資年数の条件で融資を受けられる不動産投資会社は、不動産投資を継続的に行うには重要な存在です。2件目3件目といったように、複数の物件保有を検討している場合には重視しておきたいポイントの一つです。
2-4 不動産投資会社の「営業力」
不動産投資を始める際および投資用物件の運用に不可欠なのが営業担当者の能力です。会社としての実力がどれだけあっても、それを活かすのは営業担当者だからです。
営業担当者としての能力がないと、必要なときに適切なサポートが受けられない可能性もあります。そこで下記のポイントを参考にして、営業担当者を見極めてみましょう。
- 幅広い情報を持っている
- 投資家目線で提案してくれる
- レスポンスが早い
- リスクやデメリットにも言及してくれる
- 営業担当者のインセンティブの有無、など
不動産投資会社の営業担当者は、インセンティブ(歩合制)が設定されていることがあり、歩合制によって報酬がもらえると営業活動により力を入れてくれます。
ただし、給与の割合に対してインセンティブが高すぎる不動産投資会社は、無理な営業手法によって売上を創出している可能性もあります。不動産投資会社の人材募集欄を確認するなどして、インセンティブに関する情報があるかも確認しておきましょう。
なお、営業的な会話が多かったり、しつこく勧誘してくるなどの営業担当者には注意が必要です。メリットだけしか伝えず、こちらの質問に適切に答えずにはぐらかしたりするような担当者も信頼できるとは言えません。
不動産投資は大きな金額が動きますので、ご自身で信頼できると思えるかどうか適切に判断することが大切です。
2-5 不動産投資会社の「サポート体制」
不動産投資は賃貸用物件を購入することがゴールではありません。購入する前には分からないことがありますし、経営し始めても不安やトラブルがつきものです。
そこで、下記の点を確認してみましょう。
- 無料セミナーを開催している
- 個別相談会を開催している
- 弁護士や税理士などの紹介もしてくれる
- 相談窓口を幅広く設けている、など
不動産投資は、物件の取得から運用に至るまでに多彩な業務があります。そのため幅広いサポート体制を整えていると、何かあったときに気軽に相談することができます。
購入前から購入後まで、あらゆる角度からサポートできる体制が整っている不動産投資会社はとても頼りになるのです。
まとめ
不動産投資を始めるときや投資用物件の運用において、強力なパートナーとなってくれるのが不動産投資会社です。
無料セミナーや相談会などに参加することで、物件についての情報以外に不動産投資の知識や不動産業界についても学ぶことができます。物件購入時だけではなく、不動産投資会社を上手に活用することも検討してみましょう。
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倉岡 明広
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