再建築不可物件って買っても良いの?投資する際に注意すべきポイントとは

不動産投資を検討していて物件を探している方の中には、間取りや築年数に大きな違いがないにもかかわらず、周辺物件と比較して価格が安い物件を見かけた方もいるのではないでしょうか?物件情報を詳しく見てみると「再建築不可」と書かれていて、そのような物件に投資しても問題がないのかと気になっている方もいるかと思います。

そこで今回は、再建築不可物件に投資しても問題がないのか、また投資する際に注意すべきポイントについて解説します。

目次

  1. 再建築不可物件とは
  2. 再建築不可物件に投資するメリット
    2-1.物件価格が安い
    2-2.固定資産税が安い
  3. 再建築不可物件に投資するデメリット
    3-1.建て直しができない
    3-2.ローンを契約しづらい
    3-3.出口戦略が立てにくい
  4. 再建築不可物件に投資する際の注意点
  5. まとめ

1 再建築不可物件とは

不動産投資に適した物件がないか探していると、たまに「再建築不可」と記載されている物件が見つかるときがあります。再建築不可物件は、周辺の似たような条件の物件よりも価格が安いのが一般的ですが、どのような物件なのでしょうか?

再建築不可物件とは、建築基準法が改正されたことで現行の法律に適さなくなり、新築や建て替えができない物件のことです。土地(更地・古家付き土地)および築年の古い戸建物件で目にすることが多くあります。

現行の建築基準法において、建物が建築できる土地の条件は主に以下の通りです。

  • 道路に2m以上接している
  • 建築基準法上の道路に面している

それぞれ建築基準法の42条と43条に詳細が記載されており、道路とは幅員4m以上(4m未満でも道路としてみなされる場合がある)のものを指します。これらの道路に2m以上接していることが建築条件となっています。

建築した時点では建築条件を満たしていても、時代とともに法律は改正されるため、法律に適さない物件が残ってしまいます。既存建物の竣工当時には再建築ができたものの、法改正後に建築基準法の要件を満たしておらず、現状では再建築できないのが再建築不可物件の特徴です。

2 再建築不可物件に投資するメリット

一般的な物件と再建築不可物件では、投資する際に何か違いがあるのでしょうか?再建築不可物件に投資するメリットは以下の2つです。

  1. 物件価格が安い
  2. 固定資産税が安い

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

2-1 物件価格が安い

再建築不可物件は、一般的な物件と比較すると物件価格が安いという大きな特徴があります。再建築不可物件は、現状のままでは建物の再建築ができないため、不動産の利用価値や資産価値が周辺の一般的な物件よりも低くなります。そのため、売りに出される価格も一般的な物件よりも低いので安く物件を手に入れることが可能です。

再建築不可物件は利用価値や資産価値は低くなるものの、かといって賃料が低くなるわけではありません。再建築不可物件は物件価格が安いにもかかわらず、賃料は普通の物件とほぼ変わらないため、一般的な物件よりも利回りが高くなります。

不動産投資で継続的に安定した利益を得るには、利回りの高い物件に投資することが重要です。そのため、物件価格が安く利回りが高い再建築不可物件に投資することを検討するのも一つの手段です。

2-2 固定資産税が安い

再建築不可物件には物件価格が安いという特徴がありましたが、同時に固定資産税が安いという特徴もあります。不動産投資では、入居者がいる間は継続的な安定した家賃収入が期待できますが、修繕費や固定資産税などのランニングコストが生じます。これらのランニングコストが大きくなるほど実質利回りは低くなります。

再建築不可物件は資産価値が低いため、固定資産税評価額も低く設定されているのが特徴です。固定資産税評価額を基準に算出する固定資産税や都市計画税・相続税・贈与税なども安くなります。

再建築不可物件を運用することによって、ランニングコストを一般的な物件よりも小さく抑えられるので、実質利回りを高くできます。また、相続や贈与を予定している場合は、相続税や贈与税を抑える効果も期待できるでしょう。

3 再建築不可物件に投資するデメリット

再建築不可物件は一般的な物件よりも利回りが高く、相続税や贈与税も小さく抑えられるメリットがありました。そのため、再建築不可物件に興味を持った方も多いと思いますが、一方で以下のようなデメリットも存在します。

  1. 建て直しができない
  2. ローンを契約しづらい
  3. 出口戦略が立てにくい

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

3-1 建て直しができない

再建築不可物件に投資する最も大きなデメリットは、建て直しができないことです。不動産投資では、築年数の経過とともに劣化が進行するため、修繕によって劣化を補うか、もしくは建て直して新しくする必要があります。

しかし、再建築不可物件では、既に建っている建物の修繕やリフォーム・リノベーションは可能ですが、一度取り壊すと建て直すことは不可能です。修繕やリフォーム・リノベーションで劣化を防げている間は問題ありませんが、建物を支える躯体部分に問題が生じた場合にはいよいよ建て直しを検討する必要があります。

また、地震や火災などの自然災害によって建物が大きな被害を受けた場合にも建て直しを検討する必要がありますが、再建築不可の場合はどちらの状況でも建て直しができません。更地にした後は、建築の許可が出ない限りは更地としてしか所有できないことがデメリットと言えるでしょう。

3-2 ローンを契約しづらい

居住用不動産の場合は住宅ローン、投資用不動産の場合は不動産投資ローンを契約すれば自己資金を抑えながら不動産を取得することが可能です。しかし、再建築不可物件に対する投資の場合は、利用価値や資産価値が低いことから不動産投資ローンの審査に通りにくい可能性があります。

不動産投資ローンの審査に通りにくいということは、再建築不可物件を購入する際は自己資金で購入しなくてはならない可能性も高いということです。そうなると、自己資金の一部が現金ではなく流動性の低い不動産に変わるため、万が一現金が必要になった時に対応できなくなる場合があります。

再建築不可物件で不動産投資ローンを契約できても、一般的な物件よりも金利を高く設定される可能性もあります。そうなると、キャッシュフローが悪化して安定した不動産投資の継続が困難になる可能性もあるので注意しましょう。

3-3 出口戦略が立てにくい

不動産投資では出口戦略を事前に立てる必要があります。出口戦略とは、購入した不動産を最終的にどうするのかという戦略です。出口戦略には例えば以下のような方法があります。

  • 売却する
  • 更地にして売却する
  • 自宅として住む

しかし、再建築不可物件の場合は、建物を建て直して運用を続けるという選択肢がありませんので、売却すると言っても簡単には買い手が見つかりません。

再建築不可物件を購入した場合は、一般的な物件よりもさらに流動性が低くなるほか、売却価格も低くなる可能性があります。購入したはいいものの、出口戦略が立てにくいことで困ってしまう可能性もあるので注意しましょう。

4 再建築不可物件に投資する際の注意点

再建築不可物件の建て直しができない・不動産投資ローンの審査に通りにくい・出口戦略が立てにくいというデメリットを見る限り、不動産投資に再建築不可物件は適していないと言えます。しかし、せっかく似たような条件の物件を安く手に入れられることを考えると、何か良い対策はないのでしょうか?

通常、再建築不可物件は、建築基準法の「建築基準法上の道路に2m以上面している」という条件を満たしていないことで再建築不可になっています。そのため、この条件を満たせば再建築が可能になります。

例えば、建築基準法上の道路に2m以上面している隣接する土地を購入すれば、再建築不可物件でも建築条件を満たすことが可能です。また、再建築不可物件のある地域が住宅密集地や古い町並みで、火災の危険性が高いと判断された場合には区画整理などによって再建築が可能になるケースもあります。

しかし、建築条件を満たしている隣接する土地が取得できるとは決まっておらず、取得には追加資金が必要であることを忘れてはなりません。また、区画整理も実施が保証されているものではありません。再建築不可物件を購入したものの、負の資産を抱えて終わる可能性もあるため、出口戦略を熟考するなど対策を練ってから再建築不可物件を購入しましょう。

5 まとめ

似た条件の周辺の物件よりも物件価格が安い再建築不可物件が気になっている方も多いと思います。再建築不可物件は「建築基準法上の道路に2m以上面している」という条件を満たしておらず、物件を取り壊すと再建築ができない物件です。

利用価値や資産価値が低いので物件価格も安くなるほか、固定資産税や相続税・贈与税も安くなるため、運用時の利回りが高くなる・相続や贈与にも有利というメリットがあります。一方で建て直し不可・不動産投資ローンの審査に通りにくい・売却がしにくいというデメリットもあります。

一般的な投資用不動産よりも条件面での制限が多いため、不動産投資で失敗しないためにメリットとデメリットをよく理解してから再建築不可物件への投資を始めましょう。

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矢野翔一

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。