不動産売却、買取相場を知る方法は?売却価格の調べ方や仲介との比較も

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不動産の売却を考えている人の中には、不動産仲介だけでなく買取を検討している人もいるでしょう。しかし、仲介と比較した時の買取相場や、売却価格の調べた方について気になる方も少なくないのではないでしょうか。

そこでこの記事では、不動産の買取相場や、売却価格を調べる方法、および仲介との比較について解説します。不動産の売却方法について悩まれている方はご参考ください。

目次

  1. 不動産の買取相場
    1-1.不動産の買取とは?
    1-2.買取には2種類ある
  2. 不動産売却・買取における売却価格の調べ方
    2-1.買取を行っていない不動産会社もある
    2-2.複数の不動産会社へ買取査定する
  3. 不動産の買取と仲介との違い
    3-1.不動産の売却期間は買取の方が短い
    3-2.不動産売却価格は仲介の方が高い
    3-3.諸費用は仲介の方が高い
    3-4.瑕疵担保責任は買取だとない
  4. 仲介と買取のどちらを選ぶかは優先順位による
  5. まとめ

1.不動産の買取相場

不動産売却の買取相場は、仲介時のおおよそ7割~9割ほどになります。買取価格は物件によって異なるものの、仲介による売却よりも価格は下がるケースが多いでしょう。

価格が下がってしまう理由を知るために、不動産買取の概要と買取の種類について解説します。

1-1.不動産の買取とは?

不動産を売却する方法は、大きく分けて「仲介」と「買取」の2種類あります。仲介は仲介会社(不動産会社)が買主を探してきてくれますが、買取は買取業者(不動産会社)が買主となります。

買取業者が不動産を買い取るのは、買い取った後にリフォームなどを行った上で売却し、売却益を得る目的があります。買取業者がそのまま保有するケースは少なく、買取対象となるのは最終的に売却可能な物件となるケースが多くなります。

1-2.買取には2種類ある

買取には即時買取と、買取保証の2種類あります。即時買取とは、買取業者がすぐに買い取ることです。買取業者が査定して買取金額を提示し、売主がその金額に納得すれば売買契約へと移行します。

一方、買取保証とは一定期間は「仲介」を行い、仲介によって購入者が現れなかった場合に買主と売主の合意を経て買取に移行する方法です。買取保証の場合、具体的はおおよそ以下のような内容になります。

「3か月以内に2,500万円以上で売れなければ、当社が2,200万円で当該物件を買い取る」

まずは売却活動を3か月間行い、2,500万円以上で売れなければ買取業者が2,200万円で買い取ります。なお売却期間や金額は物件によって異なるため、買取業者へ確認しましょう。

1-3.買取を行っていない不動産会社もある

買取を行っていない不動産会社もある点には注意が必要です。これは不動産買取をするためには多額の資金や金融機関の融資を必要とし、不動産会社の規模によっては買取が実施できないためです。

また即時買取は行うものの、買取保証は行っていないケースもあります。買取を検討する場合は事前に査定を依頼した不動産会社へ問い合わせてみましょう。

2.不動産売却・買取における売却価格の調べ方

不動産売却・買取における売却価格は売却予定の物件のエリアや状態、依頼先の不動産会社によって異なります。そのため、複数の不動産会社に査定依頼し、査定価格を比較することでおおよその売却価格を比較して確認してみましょう・

買取価格はそのまま売却価格になるため、より高い買取価格や買取保証金額を提示してくれる不動産会社へ買取依頼をしましょう。

下記、複数の不動産会社へ不動産査定依頼が出来る不動産一括査定サイトの一覧です。これらのサイトは不動産仲介における査定金額だけでなく、買取金額の査定価格を調査する際にも役立てることが可能です。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
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【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

物件登録時の備考欄には「買取を検討しているので、買取可能な会社からのみ連絡が欲しい」「仲介と並行して買取も検討しているので、買取保証のある不動産会社に依頼したい」などの要望を記入しておきましょう。

3.不動産の買取と仲介との違い

ここまで不動産買取の概要・相場の調べ方について解説しました。しかし、「価格が下がってしまうなら買取におけるメリットがないのではないか」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。

そこで次に、不動産の買取と仲介の違いについて解説します。主な違いは以下の通りです。

比較項目 仲介 買取
売却期間 数か月~半年程度 数週間程度
売却価格 相場価格で売れる可能性が高い 相場を下回ることが多い
売却時の諸費用 仲介手数料がかかる 仲介手数料は不要
瑕疵担保責任 ある ない

詳しく解説していきます。

3-1.不動産の売却期間は買取の方が短い

売却期間は買取の方が短くなります。この点について解説するため、仲介・買取の流れについて見て行きましょう。

仲介の流れ

不動産を仲介する際の流れ、および期間は以下の通りです。

  • 査定:1週間
  • 媒介契約の締結:査定から1週間
  • 売却活動:1か月~5ヶ月
  • 申込み&売買契約:1週間
  • 引渡し:売買契約から1ヶ月~2ヶ月

上記の期間はあくまで目安であり、物件によって異なります。ただ上記のように、査定から引き渡しまで3ヶ月~半年程度かかるケースも少なくありません。

買取の流れ

一方、買取は以下の流れです。

  • 査定&買取金額の提示:1週間
  • 申込受付&売買契約:1週間
  • 引渡し:契約から1~2週間

上記の期間もあくまで目安となります。ただし買取は売却活動がないため、仲介よりも査定から決済までの期間は非常に短くなります。この「決済(現金化)までの期間が短い」という点は、買取の大きなメリットといえるでしょう。

3-2.不動産売却価格は仲介の方が高い

上述のように、売却価格は仲介の方が高くなります。仲介はチラシやネットなどで広告を打ち、購入検討者を集客します。そして、その検討者に物件を案内して交渉していくという流れとなります。

仲介の成約価格は市況と不動産会社の営業力次第で変わりますが、個人の購入者の多くは転売目的ではなく居住用として購入するため、相場並に売れる可能性が高い売却方法となります。

一方、買取は買取業者が売却益を目的として買取を行うため、相場並の価格で買い取ると不動産会社は転売時に利益を出せないことになります。

このような事情があるため、買取時は仲介相場の1~3割減となるケースが多くなります。この点は、買取の大きなデメリットと言えるでしょう。

3-3.諸費用は仲介の方が高い

不動産を売買するときの諸費用は以下の通りです。

  • 仲介手数料
  • 登記関係費用
  • 測量費用(測量する場合)

上記のうち、仲介手数料が大きな割合を占めます。売却価格が400万円超の場合、仲介手数料は「売却価格×3%+6万円」となるためです。仮に2,000万円の不動産を仲介で売却した場合、66万円の仲介手数料が発生することになります。

一方、買取は仲介会社に「仲介」されるのではなく、直接買取業者とやり取りするため仲介手数料は発生しません。仲介と買取の価格を比較する際は仲介手数料などの諸費用についても慎重に検討しましょう。

3-4.買取だと契約不適合責任が免責になる

契約不適合責任とは、不動産の引き渡し後に不動産売買契約に記載されていない瑕疵(欠陥)があった場合に、売主が補修費用などの責任を負う制度のことです。

不動産買取は買主が宅建業者になるため、契約不適合責任を免責とすることが可能です。不動産仲介でも「契約不適合責任の免責」の特約を結ぶことでこれらの責任を免責にすることは可能ですが、免責の代わりに買主から価格交渉などの要求をされるケースもあります。

不動産買取はこれらの特約や価格交渉を経ずに契約不適合責任を免責にできる大きなメリットがあると言えます。

なお仲介の場合でも、買主が宅建業者であれば瑕疵担保責任は免責されますが、その場合も買主が宅建業者であることから実質的な買取となる点には注意が必要です。

【関連記事】売主が不利に?不動産売却の契約不適合責任(瑕疵担保責任)を解説

4.仲介と買取のどちらを選ぶかは優先順位による

前章のように仲介と買取はそれぞれ特徴があるため、どちらを選択すべきかは優先順位によって異なると言えます。一例として以下を参考にしてください。

  • 売却価格を優先するなら仲介の方が向いている
  • すぐに決済(現金化)したければ買取の方が向いている
  • 売却活動が面倒なら買取の方が向いている

どうしても仲介と買取を迷う人は、不動産一括査定サイトを利用して仲介・買取のどちらも査定依頼してみましょう。どちらも行っている会社であれば、両方の査定価格を算出してくれます。

まとめ

買取相場は物件の状態やエリア、不動産会社によって異なるものの、相場の7~9割程度まで下がることが多くなります。

しかし、買取には売却期間は短かく、契約不適合責任が免責になるというメリットもあります。これらの点を知った上で、仲介と買取のどちらを選択するか判断してみましょう。

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中村 昌弘

都内の大学を卒業後にマンションディベローパーに就職。マンションディベロッパーでは、新築マンションの販売や中古不動産の仲介業務に従事する。 2016年に独立して、不動産関係の記事を中心としたライター業務としても活動。自身のマンションを売却した経験もあるため、プロの視点・一般消費者の視点と、両方の視点を持った記事が執筆できる点が強み。