滋賀銀行は10月1日、CSRの取り組みの拡張と地域社会の持続可能な発展につなげることを目的に「サステナビリティ」と「デジタル」を軸に体制を強化すると発表した。同日付でサステナビリティ方針を制定、および環境方針を改定、社内に「サステナブル戦略室」と「デジタル推進室」を設置。また、基幹系システムを約30年ぶりに刷新するため、株式会社日立製作所の「次世代バンキングシステム」の導入。システム構築「Flexsus(フレクサス)プロジェクト」を進めていく。
コロナ禍により生活様式や働き方の変化、持続可能な社会への移行を進めようという「グリーン・リカバリー」などの動きから、サステナビリティを希求する社会的要請が高まっていると判断。これまで環境金融やSDGsの導入など、持続可能な社会の実現に向けて取り組んできたが、今後はサステナビリティとデジタルを軸にした一層の体制強化を図る。
公表されたサステナビリティ方針は①マテリアリティ(重要課題)の特定と事業活動を通じた地域の課題解決②事業活動による社会的インパクトを重視した経営③地球環境の保全・再生に資するビジネスモデルの確立④人権の尊重と社会との信頼関係の構築⑤自ら考え行動できる人材の育成と職場環境の整備の5項目を柱とする。
これに先立ち、融資制度「『しがぎん』サステナビリティ・リンク・ローン」を発売、9月17日に第1号を実行している。これは、SDGsやESGに関連する事業挑戦目標であるサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)を設定し、それを達成した場合に金利等の融資条件が変動する仕組みの融資商品で、金利の引き下げなどによって目標達成への動機付けを促し、顧客のサステナビリティ経営を後押しするもの。融資金額は5億円以上、融資期間は限定せず、また、資金使途もグリーン事業に限定せず、「野心的な挑戦目標」(同社)の達成を持続的に支援していく方針。
SPTsの合理性などについては評価機関から取得するセカンドオピニオンにより確認し、融資期間中は株式会社しがぎん経済文化センターが顧客のレポーティングをサポートする。第三者機関の評価に基づいて目標が達成されていれば、貸出金利を引き下げる。逆に達成できない場合は金利が上がることもあるという。第1号として株式会社山﨑砂利商店に運転資金5億円を融資した。サステナビリティ・リンク・ローンの商品化は地方銀行単独では初めての取り組みとなる。
【参照リリース】滋賀銀行「『しがぎん』サステナビリティ・リンク・ローン」 第1号を実行
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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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