浸水、強風、停電…、不動産投資における台風被害への対策方法

日本は台風の被害が多い国です。2019年も大型の台風が到来し、大きな被害をもたらしました。不動産投資をしている人にとっても、台風は強風や浸水、停電などで物件が損壊したり入居者に迷惑をかけたりする原因になるため、大きなリスクとなります。

この記事では不動産投資における浸水、強風、停電などの台風リスクの対策方法についてご紹介します。

目次

  1. 不動産投資に影響がある台風のリスク
    1-1.強風による損壊などのリスク
    1-2.浸水や雨漏りのリスク
    1-3.土砂崩れなどで建物が崩壊するリスク
    1-4.停電などのリスク
  2. マンションを購入する際の対策法
    2-1.ハザードマップや防災地図を確認する
    2-2.川から遠いエリアや2階以上の不動産を探す
    2-3.火災保険の補償範囲を検討する
  3. 保険で補償を受けられる損害
    3-1.強風で窓ガラスが割れた場合
    3-2.強風の吹込みで室内の設備が損壊した場合
    3-3.床上浸水した場合
    3-4.残存物を片付ける費用
    3-5.雨の吹込みで家財が使えなくなった場合
  4. 大家が加入しておくと役に立つ特約
    4-1.入居者にケガをさせたり物を壊した場合の補償
    4-2.床上浸水の修復作業などで部屋が賃貸できない場合の補償
  5. まとめ

1.不動産投資に影響がある台風のリスク

不動産投資をする際に、台風によって生じるリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。確認してみましょう。

1-1.強風による損壊などのリスク

台風では強風と降雨が同時に発生していますので、強風による被害と水による被害の両方を想定しなければいけません。

強風による被害の一つとして考えられるのは、風の吹き込みや物の飛来によって窓ガラスや壁が損壊することです。リスクは物が壊れることだけではありません。窓ガラスが割れると、破片で入居者がケガをしたり、入居者の所有物が傷ついたりする可能性も考えられます。

この場合、以前から窓ガラスの損傷を放置しており割れやすい状態のままにしておいたなど、大家側に責任があると認められた場合は入居者への損害賠償義務も発生しかねません。そのため、火災保険に入るだけでなく、建物のメンテナンスも怠らないようにする必要があります。

1-2.浸水や雨漏りのリスク

台風が到来すると河川が氾濫し、1階の部屋などは浸水するリスクがあります。また、マンションでも雨漏りが発生することがあるので注意が必要です。浸水した場合は修復に時間がかかり、最悪賃貸自体ができなくなることも考えられます。

物件を選ぶ際には浸水の被害が少ない場所を選んだり、部屋や建物に雨漏りがないか、あるいは雨漏りしそうな箇所がないかどうかを確認したりすることが大切です。

1-3.土砂崩れなどで建物が崩壊するリスク

台風の影響で土砂崩れが起き、巻き込まれて建物が壊れるリスクもあります。損傷の状況によっては建て替えをしなければいけないこともあり、より深刻な問題に発展することも考えられます。崖沿いなど、土砂災害警戒区域にある物件は特に注意しなければなりません。

1-4.停電などのリスク

また台風によって電線が使えなくなり、電気の供給ができなくなることもあります。これにより数時間、長いと数日間に及んで建物が停電するリスクがあります。さらに、停電になることで水を供給する際のポンプが作動しなくなり、水道が使えないという事例もありました。このように台風による二次的災害で入居者が生活できなくなる可能性もあります。

2.マンションを購入する際の対策法

では上記のような台風の被害に備えるために、マンションを購入する際に施しておきたい対策法について見てみましょう。

2-1.ハザードマップや防災地図を確認する

不動産を購入する際は必ずハザードマップを確認するようにしましょう。ハザードマップや防災地図は災害の発生しやすい場所だけでなく、広域避難場所や緊急の給水施設などが記載されていたりします。

不動産を探す際は、災害の少ないエリアだけでなく、避難地域の近くの物件なども検討することで、入居者の安全も確保できる可能性が高くなります。これにより、防災意識の高い人の入居率が上がる可能性も考えられます。

2-2.川から遠いエリアや2階以上の不動産を探す

台風が来ると河川が氾濫することも考えられますので、なるべく川から遠いエリアの物件を購入するのも、被害を減らす一つの対策と言えます。浸水区域は上記のハザードマップに記載されていますので、必ず確認しておきましょう。川沿いだけでなく、窪地などでも浸水の危険性が高いエリアがあるので、見逃さないようにしましょう。

また2階以上にある部屋なら浸水の被害をほぼ回避することができますので、そのような点も考慮して物件を探すことが大切です。

2-3.火災保険の補償範囲を検討する

火災保険に加入する際は補償範囲や特約の加入を検討することも、台風に対するリスクヘッジの一つと言えます。特約に加入するとその分保険料は高くなりますが、補償の範囲が広がりますので、その分リスクに対応できる範囲も広がることになります。大家向けの特約もありますので、火災保険に加入する際は検討してみましょう。
   

3.保険で補償を受けられる損害

物件を探す際はハザードマップを確認して災害が起きやすい立地を回避することが必要です。また損害が発生した場合は修復費用が高額になることが多くなりますので、必ず火災保険にも加入しておくようにしましょう。火災保険では、台風により被った損害の修復費用を保険会社が補償してくれます。

ここでは、火災保険によって台風被害にどのような補償を受けられるのかを見てみましょう。

3-1.強風で窓ガラスが割れた場合

台風による強風が原因で窓ガラスが割れた場合、火災保険の風災補償で修理費用の補償を受けることが可能です。保険に加入する際は、保険会社によって補償金を受ける際に一部自己資金を負担するタイプか、自己資金の負担がないタイプかを選択できますので、確認してから加入するようにしましょう。

3-2.強風の吹込みで室内の設備が損壊した場合

強風の吹込みで室内の設備が損壊した場合も補償を受けることが可能です。ただ、台風が来ているにもかかわらず入居者が窓を開けていて、そこから吹き込んだ風により損壊した場合は入居者の過失となるため、大家ではなく入居者が責任を負い、火災保険で補償を受けることになりますので注意が必要です。

3-3.床上浸水した場合

1階にある部屋の場合、河川が氾濫して床上浸水することも考えられます。この場合は保険の水災補償というものでカバーが可能です。ただし、床上45cm以上浸水していなければ補償されない保険がほとんどですので、こちらも加入の際に確認しておくことが大切です。

3-4.残存物を片付ける費用

窓ガラスや壁が壊れて色々なものが飛び散ったり、修理している間、ビニールシートを張ったりした場合は、損害保険金とは別に片付けに要した費用も補償を受けることができます。ただし損害保険金だけしか請求しない場合は支払われませんので、こういった費用も事前に確認して、補償される場合は忘れずに請求するようにしましょう。

3-5.雨の吹込みで家財が使えなくなった場合

窓などから雨が吹き込み家財を使うことができなくなった場合は、大家には過失がない限り責任が発生しないため、大家側の保険では補償されません。家財の補償は入居者が加入する保険でカバーできますので、入居する際に入居者にも保険に加入してもらうことが大切です。

4.大家が加入しておくと役に立つ特約

不動産投資では、大家として自分が居住している場合とは違った責任が発生する可能性があります。火災保険では大家向けの特約もありますので、内容を確認してみましょう。

4-1.入居者にケガをさせたり物を壊したりした場合の補償

台風の影響で壊れた部分で入居者がケガをした場合は、自然災害での事故ということになり、基本的には大家に責任はありませんので、入居者が自分の傷害保険でカバーするしかありません。

しかし、自然災害に関係なく管理状態が原因で入居者にケガをさせたり物を壊したりした場合は、大家に損害賠償責任が発生することもあります。その場合は施設賠償責任特約で補償を受けることが可能です。賃貸経営をしていると、どのような形で賠償責任が発生するかわかりませんので、台風などとは関係なく賠償保険を検討するようにしましょう。

4-2.床上浸水の修復作業などで部屋が賃貸できない場合の補償

台風の影響による床上浸水や、台風の際の落雷で電源が使えなくなった場合などには、賃貸自体が長期間できなくなる可能性もあります。その場合の家賃が補償される保険もあります。保険会社によって補償できる期間や条件などが異なりますので、比較して検討することが大切です。
  

まとめ

近年、台風の際は強風だけでなく、浸水や停電などでも大きな被害が発生していますので、不動産投資をする際は、被害が少ないと思われるエリアで物件を探すなどの工夫が必要とされます。また、台風で被害を受けた場合は、損害額が大きくなる可能性が高いため、火災保険の加入が必須となります。

ただし場合によっては大家が入る保険では補償できないものもありますので、台風被害の対策をする際は、入居者にも保険の加入を促したり、大家向けの特約を付加したりするなどして、建物だけでなく入居者への補償も考えて取り組むことが大切です。

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西宮光夏

西宮光夏

不動産業界を含め、金融業界に20年以上携わっていました。不動産 会社では投資用不動産の販売や土地の仕入れ、営業推進、金融機関と の折衝などの実務を担当しました。
自己所有不動産はアパートと区分マンション、戸建て、土地を山3つ と畑や田くらいです。その経験を活かしHEDGEGUIDEでは不動産投資 コラムと、新しくその他のカテゴリーも担当させて頂いています。直近 ではAI導入後の不動産市況の動向に注目しています。