築古物件の売却は更地にすべき?解体前に確認しておくべき5つのポイント

不動産の売却を検討しているものの、建物の築年数がかなり経過していて、なかなか買主が見つからずに困っている方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、建物を解体して更地で売却すると解体費用や税金などの費用が発生する可能性があるうえ、確実に売却できるとも限りません。実際に解体をしてしまう前に慎重に検討する必要があるでしょう。

そこでこの記事では、古い家の売却は更地にすべきなのか、解体前に確認しておくべきポイントを解説します。

目次

  1. 古い家の売却は更地にすべき?
  2. 解体前に確認しておくべき5つのポイント
    2-1.固定資産税の負担が大きくなる
    2-2.都市計画税の負担も大きくなる
    2-3.再建築不可だと建て直しができない
    2-4.既存不適格建物だと建物の規模が小さくなる
    2-5.解体費用がかかる
  3. 建物を解体する前に専門家へ相談することが大切
    3-1.築古不動産の売却実績のある不動産会社の探し方
    3-2.建物を解体するのであれば、土地活用と比較してみる
  4. まとめ

1.古い家の売却は更地にすべき?

不動産会社に仲介を依頼しているものの、なかなか買い手が見つからずどうすればいいか悩んでいる方も少なくないでしょう。

このような場合、まずは何が原因となり売却が滞っているのか、需要が得られない理由を明確にすることが大切です。

例えば、買い手が見つからない理由には、周辺施設の住環境が優れていない、駅から離れているなどの立地の悪さ、築年数が経過していて建物の劣化が目立つことなど、様々な理由が挙げられます。

立地や周辺環境の悪さが原因の場合、建物を解体し更地にしても需要が得られない可能性があります。また築年数の経過による建物の劣化が原因の場合でも、適切なリフォームを行うことで売却に至る可能性もあるでしょう。

このように、一度解体すると元に戻せないため、建物を解体してしまう前に売却が長期化している原因がどこにあるのか、その他の手段はないのか、慎重に検討することが重要になります。

2.解体前に確認しておくべき5つのポイント

更地にすることで買い手が自由に土地を使えるというメリットがあります。しかし、解体して後悔しないためにも以下の5つのポイントを押さえた上で更地にすることが重要です。

  1. 固定資産税の負担が大きくなる
  2. 都市計画税の負担も大きくなる
  3. 再建築不可だと建て直しができない
  4. 既存不適格建物だと建物の規模が小さくなる
  5. 解体費用がかかる

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

2-1.固定資産税の負担が大きくなる

不動産を所有している場合には、所有者に対して固定資産税という税金が課されます。固定資産税の税額は「課税標準額(税額計算の基準額)×標準税率1.4%」となっています。

しかし、土地上に住居が建っている場合は住宅用地の特例(総務省自治税務局固定資産税課「固定資産税制度について」を参照)が適用されるため、固定資産税を抑えることが可能です。

特例が適用されると、200㎡以下の部分は固定資産税が6分の1、200㎡を超える部分は3分の1に軽減されます。

建物を解体して更地にした場合、この特例が適用されなくなることで固定資産税の負担が大きくなります。建物の固定資産税が課されなくなるので損とは言い切れませんが、すぐに買い手が見つからないと、固定資産税が高くなってしまう点には注意が必要です。

2-2.都市計画税の負担も大きくなる

不動産を所有している場合、固定資産税だけでなく都市計画税も課されます。都市計画税の税額は「課税標準額(税額計算の基準額)×制限税率0.3%」ですが、制限税率は各地域で異なるので注意が必要です。

都市計画税も特例が適用されるため、200㎡以下の部分は3分の1、200㎡を超える部分は3分の2に軽減されます。

ただし、固定資産税と同様、更地にした場合は特例が適用されなくなるので税負担が大きくなります。更地にする場合は、すぐ売却できないと税負担が大きくなるということを覚えておきましょう。

2-3.再建築不可だと建て直しができない

売却予定の不動産に再建築不可という条件が付いている場合には注意が必要です。再建築不可とは、建築基準法という法律に記載されている接道義務を満たしていない不動産です。

接道義務とは、建築基準法上の道路に2m以上接しているという条件のことで、この条件を満たしていない不動産には再建築不可の条件が付与されます。

再建築不可物件はリフォームやリノベーションは行えるものの、一度建物を解体した場合、建て直しができません。土地の需要が大幅に下がるため、解体してから後悔しないためにも再建築不可の条件が付いていないかを事前に確認しておきましょう。

2-4.既存不適格建物だと建物の規模が小さくなる

再建築不可のように、売却予定の不動産が既存不適格建物である場合には注意が必要です。既存不適格建物とは、現在建っている建物が建蔽率や容積率を超えている建物のことです。

既存不適格建物は、建蔽率や容積率を超えているからという理由で建物を解体する必要はありません。しかし、建物を解体した後は、建蔽率や容積率の範囲内の建物を建てなくてはならないため、建物の規模が解体前よりも小さくなります。

解体前の方が解体後よりも需要が高い可能性もあるため、解体すべきかをよく考えてから解体しましょう。

2-5.解体費用がかかる

建物を解体する際は解体費用がかかります。解体費用は建物の構造で異なりますが、木造で3~4万円/坪、鉄骨造で3.5~4.5万円/坪がおおよその解体費用の目安です。

建物の規模や解体を依頼した解体業者ごとに解体費用は大きく異なりますが、基本的には100万円以上の費用を想定しておかなくてはなりません。

解体費用を更地の売出価格に上乗せすることも可能です。しかし、売出価格が高くなると、買い手がなかなか見つからない可能性もあるため、土地売却における周辺相場を調べたうえで解体を行った方がよいでしょう。

3.建物を解体する前に専門家へ相談することが大切

ここまで建物を解体して更地にする際の注意点について解説してきました。一度建物を解体してしまうと、元に戻すことは出来なくなるため慎重に検討する必要があります。

しかし、これまでに建物の解体をした経験やノウハウがない方では、建物付きの状態と土地の売却のどちらが有利になるのか、判断が難しい場合もあるでしょう。

そのため、建物の解体前には築古物件の売却実績のある不動産会社や、土地活用の提案ができる会社へ事前に相談することが大切です。

専門家へ相談する際は「このままの状態で売った場合と、更地にした場合のメリットとデメリットが知りたい」というように、比較検討がしやすい回答が得られる質問をしてみましょう。

3-1.築古不動産の売却実績のある不動産会社の探し方

築古物件の売却実績がある不動産会社であれば、金融機関の融資情報や、解体費用についても詳しく知っていることがあり、様々な提案が受けられることがあります。

現在売却を依頼している不動産会社での売却期間が長期化しているようであれば、違う不動産会社への切り替えも検討してみましょう。

実績のある不動産会社を探すには、複数の不動産会社に一括で問い合わせができる不動産一括査定サービスが有効活用できます。物件情報の登録は無料でできるうえ、備考欄に「解体を検討している」「売却が長期化して困っている」という悩みを記載することが可能です。

不動産一括査定サービスの種類によって、登録されている不動産会社は異なります。いくつかのサービスへ登録し、実績のある不動産会社を探してみると良いでしょう。

主な不動産一括査定サービス

サイト名 運営会社 特徴
リガイド(RE-Guide) 株式会社ウェイブダッシュ 14年目の老舗サイト。登録会社数700社、最大10社から査定を受け取れる。収益物件情報を掲載する姉妹サイトも運営、他サイトと比べて投資用マンションや投資用アパートの売却に強みあり
すまいValue 不動産仲介大手6社による共同運営 査定は業界をリードする6社のみ。全国870店舗。利用者の96.7%が「トラブルなく安心・安全に取引できた」と回答
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス 株式会社LIFULL 全国1600社以上の不動産会社に依頼できる。匿名での依頼も可能

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3-2.建物を解体するのであれば、土地活用と比較してみる

建物部の損傷が激しく、どうしても解体をしなければならない場合には、売却と並行して土地活用も検討してみましょう。土地活用とは、空いた更地を売却せずに、賃貸物件の運用や、太陽光発電、駐車場などを運営し、収益を得る手法のことです。

更地を購入する買主は、住宅や施設を建設するなど、土地の利用目的があり購入を希望することになります。売却前に自分でも活用できる方法がないか検討し、売却した時のメリット・デメリットと比較してみましょう。

複数社から土地活用の提案が受けられる「HOME4U」

HOME4Uは、NTTデータグループが提供するサービスで、マンション経営やアパート経営、駐車場経営、賃貸併用住宅、大規模施設などの収益性の高い土地活用や不動産投資について、最大7社の収益最大化プランを比較することができます。

土地の活用方法について様々な提案が受けられるため、これから賃貸経営を始める初心者の方でも比較検討しやすいサービスとなっています。それぞれの提案の初期費用や収益性を比較しながら、どのような活用方法があるのか見てみると良いでしょう。

まとめ

売却予定の不動産の築年数がかなり経過している場合は、建物の劣化が進行しているため、なかなか買い手が見つからない可能性があります。

そのような場合には、リフォームやリノベーションを行って需要を高めるといった対策が考えられますが、築年数は変わらないので効果があまり期待できない可能性もあります。

そこでもう1つの対策として挙げられるのが、更地にしてから売却するという方法です。更地にすることによって土地の自由度が高くなって、買い手が見つかりやすくなるというメリットがあります。

しかし、更地にして売却するという方法には、固定資産税や都市計画税の負担が大きくなってしまったり、再建築不可だと建物を解体すると建て直しができないといったデメリットも伴います。

建物を解体してから後悔しないためにも、この記事に記載されている注意点よく確認し、慎重に更地にするかどうかを検討してみましょう。

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矢野翔一

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。