投資用の不動産を売却して利益を出すには、できるだけ低い価格で購入して、できるだけ高い価格で売却することが求められます。しかし、建物は一般的に築年数が経過するほど価格は下落します。では、どのようにすれば不動産売却で利益を出すことができるのでしょうか。
この記事では、投資用不動産を売却して利益を出すためのポイントについて解説いたします。
目次
- 不動産売却の利益の考え方
1-1.不動産売却の利益は総収入と総支出の差を見る[PR]
1-2.経費やローンの残債を引いた残りが純粋な利益 - ローンの残債を減らす方法
2-1.頭金をなるべく多めに入れておく
2-2.繰上返済をしておく
2-3.借り換えをしておく - 売却のタイミングを逃さない
3-1.目標の利益が出た時
3-2.ローンの残債が不動産価格を大きく下回った時 - 家賃を設定する際のポイント
4-1.家賃はなるべく高く設定する
4-2.管理を万全にしておく - 売却活動をする際のポイント
5-1.複数の不動産会社に査定を依頼する
5-2.募集広告は適宜変えていく
5-3.不動産会社とコミュニケーションを良好にしておく
5-4.値引き幅やその他の細かいことを共有しておく - まとめ
1.不動産売却の利益の考え方
不動産は冒頭で触れたように、築年数の経過とともに価格が下落します。そのため、購入した価格より低い価格で売却をしても利益が残るようにしなければいけません。ここでは売却益の考え方について見てみましょう。
1-1.不動産売却の利益は総収入と総支出の差を見る
仮に不動産を購入した価格が2,000万円で、売却価格が1,800万円の場合、単純計算では200万円の赤字です。しかし、運用期間中にストックされた現金が400万円あるとしたら、合わせると200万円の利益が出ることになります。
このように、不動産を売却して得られる利益は、購入価格と売却価格の差ではなく、総収入と総支出の差を見て判断されます。
1-2.経費やローンの残債を引いた残りが純粋な利益
上記の例では経費やローンの残債を考慮していません。不動産を売却する際には抵当権抹消費用や仲介手数料などの経費がかかります。また、不動産を購入した時のローンが残っているのであれば完済しなければいけません。
さらに売却をして利益が出た場合は所得税なども支払わなければいけません。そのような費用を引いて最終的に手元に残るお金が利益になります。
2.ローンの残債を減らす方法
上記の通り、ローンや経費を引いた残りが不動産投資における最終的な利益になりますので、売却価格に対するローンの残債を減らせば、手元に残るお金を増やすことができます。ローンの残債をうまく減らすには、どのような方法があるのかを見てみましょう。
2-1.頭金をなるべく多めに入れておく
購入時に頭金をなるべく多く入れておくことで、組むローン金額が少なくなり、運用中の毎月の収支が良くなったり、売却時の残債が少なくなったりする効果があります。この場合は、毎月現金のストックを増やすことができる上に、売却時も残債が少ないぶん、ローンを完済しやすくなります。そのため最終的に利益を残すには効果のある方法だと言えます。
通常、ローンを組む際には購入代金の1~3割程度の頭金が必要となります。頭金なしでローンを組める場合もありますが、その場合は現金の持ち出しが少なくなる一方で返済額が増え、毎月の収支が悪化するデメリットもありますので、購入時の現金残高とのバランスを考えることが必要です。
2-2.繰上返済をしておく
頭金をあまり多く準備できなかったとしても、途中で繰上返済をすることで頭金を入れた効果と同じような効果を出すことができます。繰上返済で返済するお金は利息ではなく元金に充当されますので、月々の返済額だけではなく総返済額を減らす効果もあります。
2-3.借り換えをしておく
現在よりも安い金利のローンに借り換えをすることで、毎月の返済額や総返済額を減らすことができます。ただ、借り換えには費用がかかるため、費用を支払っても効果があるのかどうかを慎重にシミュレーションして取り組むようにしましょう。
なお、金融機関は予定していた利益が得られなくなるという理由で、繰上返済や借り換えに対してあまり良い顔をしない傾向があります。今後も同じ銀行でローンを組むことを検討するのであれば、あらかじめ担当者と相談のうえ判断を行うのが無難でしょう。
3.売却のタイミングを逃さない
不動産を売却して利益を出すには、適切な売却のタイミングを逃さないことも大切です。どのようなタイミングで売却をすれば良いのかを見てみましょう。
3-1.目標の利益が出た時
目標としている利益が出せる場合には、所有する不動産を売却する良いタイミングと言えます。不動産価格が上昇している時期だと「まだ上がるかもしれない」と思い、売却を先延ばしにしがちですが、その後は下がる可能性もあります。
そうなると本来得られていたであろう利益を逃すことになります。当初目標の利益が出せる場合には、計画通り売却を検討することをおすすめします。
3-2.ローンの残債が不動産価格を大きく下回った時
建物の価格は築年数の経過とともに下落します。しかし、下落率は一定ではなく、築年によってあまり下がらなかったり、急激に下がったりする時期があります。一方でローンの残債は毎月ほぼ一定の割合で減っていきます。
そのため不動産価格があまり下がらず横ばいが続く時期にはローンの残債が不動産価格を下回る状態になりやすく、売却のタイミングが来やすいと言えるでしょう。
このようなタイミングを逃さないために、不動産価格とローンの残債は日頃からチェックしておくようにしましょう。
4.家賃を設定する際のポイント
次に家賃設定をする際のポイントについて見てみましょう。
4-1.家賃はなるべく高く設定する
投資用の不動産を売却する際の査定は2回行われます。1回目の査定は、机上で計算して価格を算出する、簡易査定と言われるものです。投資用の物件の場合、簡易査定では主に収益還元法という計算方法が使われます。収益還元法は2種類ありますが、わかりやすい計算式は以下の式になります。
不動産価格=(年間の家賃収入‐年間でかかった経費)÷還元利回り
この計算式では家賃収入が高いほど不動産価格が高くなります。そのため、家賃はなるべく高く設定することが大切です。
4-2.管理を万全にしておく
なるべく家賃を下げないためにしておくこととして、建物の管理を徹底しておく、ということが挙げられます。小さな傷や少しの汚れは「これくらいならいいか」とそのままにしがちですが、時間の経過とともに傷が大きくなったり、汚れが取れなくなったりする可能性があります。
大きな傷や汚れは入居者の心証を悪くするため、家賃や入居率に悪影響を与えるほか、査定価格を下げる要因にもなります。また古くなった設備は新しいものに変えたりするなどして、日頃から管理は手を抜かずに万全にしておくことが大切です。管理会社とは日頃からよくコミュニケーションを取っておく必要があるでしょう。
5.売却活動をする際のポイント
売却活動をする際はどのような点に注意すれば良いのでしょうか。売却活動をする際のポイントについて見ておきましょう。
5-1.複数の不動産会社に査定を依頼する
簡易査定を依頼する際は1社だけでなく、複数の不動産会社に依頼するようにしましょう。1社だけだと査定価格が適正ではないことがあり、その場合、高すぎて売却ができなかったり、安すぎて売却できても利益が少なかったりするからです。複数の不動産会社に効率よく査定を依頼する方法として、不動産一括査定サイトを利用する方法があります。
不動産一括査定サイトでは物件情報を1度入力するだけで、複数の会社から査定価格を提示してもらうことができます。複数の不動産会社の価格を見ることで、査定価格を知るだけでなく、最高値や最安値を把握できたり、相場が掴めたりするメリットもあります。
5-2.募集広告は適宜変えていく
買い手の募集を出してすぐに応募が入れば良いのですが、苦戦する場合もあります。長期間同じ募集広告を出していると、買主側も飽きたり、売れない理由があるのではないかと詮索したりする可能性があります。売却がすぐにできないことも想定して、募集広告は適宜仲介会社と相談して内容を改善するようにしましょう。
5-3.不動産会社とコミュニケーションを良好にしておく
売却活動の際、仲介する不動産会社は募集広告を出して買主の応募を待ったり、条件交渉をしたりと大きな役割を担います。そういった意味で、売却をスムーズに進めるには、不動産会社に気持ち良く手伝ってもらうことが大切です。そのためには不動産会社とのコミュニケーションを良好にしておくようにしましょう。
5-4.値引き幅やその他の細かいことを共有しておく
不動産会社の担当者とはコミュニケーションを良くするだけでなく、適宜打ち合わせをして、値引き額やその他の細かいことを共有しておくことも大切です。
買主は内覧をした後には不動産会社と連絡をとって話を進めます。この際に値引き交渉などへの回答がすぐにできないと、買主の気持ちが変わる可能性もあります。そうならないように、値引き額やその他の細かいことは不動産会社の担当者とも相談し、あらかじめ考えを共有しておくようにしましょう。
まとめ
今回は不動産売却で利益を出すポイントについてご紹介しました。売却して利益を出すには、家賃をなるべく高く保ったり、不動産会社の担当者とコミュニケーションを良くしたりして、運用時から計画的に進めることが大切です。
そのためには早い時期から不動産会社と相談をして、出口戦略をきちんと立てておくようにしましょう。
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西宮光夏
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