資産運用には株式投資や投資信託、FXといった多くの運用方法がありますが、上手く活用できていない土地や不動産を収益を生み出す家や施設に転用し、投資用不動産として活用することも運用方法の1つです。
しかし、需要が期待できない地域の土地で土地活用を始めてしまうと、投資金以上の収入が期待できない可能性があります。そのため、土地活用がしやすい地域の特徴を事前に把握し、どのような活用方法を選ぶのか、慎重に検討することが重要です。
この記事では、土地活用がしやすい土地の特徴と田舎でもできる活用方法を解説します。
目次
- 土地活用しやすい地域の3つの特徴
1-1.人口や需要が多く見込める地域
1-2.広い敷地を確保できる地域
1-3.建築制限を受けない地域 - 田舎でもできる5つの活用方法
2-1.太陽光発電
2-2.トランクルーム
2-3.資材置き場
2-4.サービス付き高齢者住宅
2-5.賃貸住宅経営 - まとめ
1.土地活用しやすい地域の3つの特徴
土地活用は資産運用の1つですが、需要の期待できない土地では大きな収入は期待できません。土地活用によって安定した収入を得るには土地活用しやすいエリアなのかどうか、慎重に選ぶことが重要です。
土地活用しやすい地域の特徴をまとめると以下の3つです。
- 人口が多い
- 広い敷地を確保できる
- 建築制限を受けない
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
1-1.人口や需要が多く見込める地域
人口が多いかどうかは土地活用を成功させる上で重要なポイントと言えます。例えば、土地活用として賃貸住宅経営を行う場合には人口の多い方が安定した需要が期待できるため、空室リスクを抑えることが可能です。
駐車場経営やコインランドリー経営、トランクルーム経営を行う場合にも、人口の多い方が安定した契約者の確保、利用者の確保につながると言えます。
また、現在の人口だけでなく、近隣エリアごとの人口推移も調べておきましょう。仮に現在の人口が少ない場合でも、転入者が多い転入超過のエリアや、近隣エリアの人口増加が起きているエリアであれば、一定の需要を獲得できる可能性が高まります。
どのような活用方法を選ぶのかによって、メインターゲットとなる人の年齢や性別、職業なども変化します。様々な目線から該当エリアの人口推移を調べ、土地活用が出来そうな需要を調査してみましょう。
1-2.広い敷地を確保できる地域
狭い敷地の場合には用途が限られてきます。限られた用途の中から選ぶことになった場合、土地活用に失敗するリスクが高くなってしまったり、得られる収入が少なくなる可能性があります。
また、正方形のきれいな敷地であれば使い勝手が良いと言えますが、三角形で使用できないスペースが生じる敷地や長方形で細長い敷地の場合も建築基準法による制限を受けてしまい、有効活用しにくいので注意が必要です。
土地活用では、その地域で需要が期待できる用途を検証することが重要です。用途が限られると土地活用で失敗するリスクが高くなるため、所有する土地でどのような活用方法が検討できるのか、調べてみましょう。
1-3.建築制限を受けない地域
賃貸住宅経営を検討している場合は、土地に建築制限があると土地を有効活用しにくいと言えます。
例えば、容積率や建蔽率の制限、外壁後退や高さ制限、斜線制限、日影規制といった制限が土地に設けられており、制限を超えて建築すると違反となります。
このような制限が多くかけられてしまっている土地の場合、大きな収益を上げる建物を建築することが出来ない可能性があるため注意が必要です。
土地の用途制限は、管轄する区役所や市役所の都市計画課に問い合わせると確認が可能です。どのような制限がかかっているのか、事前に確認しておきましょう。
2.田舎でもできる5つの活用方法
田舎の土地は、人口減少傾向にあったり、市街化調整区域に該当していて原則建物を建てることができない制限があったりなど、自由な土地活用難しいケースがあります。
このような田舎の土地の特徴を踏まえた上で、ここでは田舎でも検討しやすい土地活用方法として以下の5つを取り上げました。
- 太陽光発電
- トランクルーム
- 資材置き場
- サービス付き高齢者住宅
- 賃貸住宅経営
それぞれの活用方法について詳しく見ていきましょう。
2-1.太陽光発電
田舎は人口が減少傾向にあり、需要を確保するという点では不利です。しかし、太陽光発電であれば人口減少による需要の影響を受けないため、田舎の土地活用でも検討しやすい活用方法と言えるでしょう。
また、田舎の場合には土地が安く手に入る、太陽光パネルを隠してしまうような高い建物が建ちにくいなど、好条件が揃っています。
ただし、太陽光発電の固定価格買取制度の期間が決まっていたり、悪天候が続くと想定通りの発電がおこなわれずに収益が得られないデメリットがあります。人口や需要の減少に影響を受けないメリットだけでなく、これらのデメリットを比較して慎重に検討しましょう。
2-2.トランクルーム
トランクルーム投資は倉庫の貸し出しを行うことで収益を得る投資方法です。管理を自身で行って個人や企業に直接貸し出す個人運営方式、トランクルームの運営を行っている業者に土地やトランクルーム等の設備を貸し出すリースバック方式などがあります。
アパートや戸建ての不動産投資と比較しても利回りが高く、田舎であってもトランクルームの需要をしっかり調査することで運営が可能です。
一方で空き室のリスクや、周辺のトランクルームの値下げによるレンタル料の下落リスクなどのデメリットがあります。実際に運用する場合は周辺の需要やレンタル料の相場を調べ、慎重に検討しなければならないでしょう。
2-3.資材置き場
田舎は広い敷地を確保できることから、機材や資材を多く持っているような企業は田舎に拠点を置いているケースもあります。このような企業に余った土地を資材置き場や拠点を構える敷地として貸し出し、資材置き場として活用する方法があります。
太陽光発電、トランクルーム、資材置き場といった土地活用の場合、大規模な建物を建てずに運営することが可能です。市街化調整区域や農地法による規制の影響を受けない点はメリットと言えるでしょう。
一方、資材置き場として活用するには比較的広い土地が必要になります。また、土地を探している企業をタイミングよく見つけるのはやや難易度が高いと言えます。
2-4.サービス付き高齢者住宅
サービス付き高齢者住宅とは、2011年10月に「高齢者住まい法」の改正により誕生した、高齢者が安心して暮らしていけるようなサービスを提供するバリアフリー構造の賃貸住宅のことです。
施設を事業者に貸し出して経営を任せる「一括借り上げ方式」や、賃貸契約や入居者探しは自身で行いつつ、介護サービスのみを外部の業者に委託する「テナント方式」などの方法があります。
全国的に高齢化が進む中、広い敷地が用意しやすい田舎ではサービス付き高齢者住宅の需要は増加傾向にあり、大きな収益が上げられる可能性があります。
一方、必要な設備や床面積を確保するために初期投資額が大きくなってしまったり、まとまった広い土地が必要になる点はデメリットと言えます。
2-5.賃貸住宅経営
田舎の土地であっても、周辺に大きな工場や大企業の職場、大学や専門学校などがある場合は、賃貸需要が多い可能性があります。このような場合は周辺の賃貸需要を調べ、賃貸住宅経営を検討してみましょう。
また、同じ建物内に不動産オーナーが居住する「賃貸併用住宅」であれば、自身の家を確保しながら賃貸住宅経営をすることが可能です。賃貸併用住宅では、金融機関の融資年数や融資額の条件が良くなる点もメリットと言えます。
一方賃貸住宅経営の主なデメリットとして、空室リスクや金利変動リスク、建築コストなどの投資金額が大きくなる点が挙げられます。将来的な人口減少や家賃下落の可能性も視野に入れながら、慎重に検討する必要があるでしょう。
どのような土地活用方法が良いか迷った場合
土地活用を始めるにあたっては初期費用が高額になるものも多く、投資額を利益が下回ってしまう元本割れのリスクがあります。そのため、活用方法に沿った需要や土地の制限についてしっかりと調査し、それぞれの活用方法について比較検討することが重要です。
じっくりと調査したり比較したりする時間がなく、土地活用方法に迷われた場合は、NTTデータグループが提供する「HOME4U(土地活用サービス)」の利用を検討してみましょう。
HOME4Uでは希望の土地活用プランを選択し、最大7社からの収益最大化プランを比較することが可能です。どの土地活用方法が良いのか迷われた場合は利用してみましょう。
【関連記事】HOME4U(土地活用)の評判・概要
まとめ
資産運用の1つとして土地活用が気になっている人もいると思いますが、どんな地域でも土地活用が向いているわけではありません。
「人口が多い」「広い敷地を確保できる」「建築制限を受けない」などの条件を満たしている地域は土地活用を有利に進めやすいと言えます。
田舎で土地活用を行う場合、田舎に合った土地活用を行うことが必要不可欠です。それぞれの土地活用の特徴を理解し、慎重に比較検討しながら土地活用を始めましょう。
矢野翔一
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