神戸市は150万人が暮らす第7位の政令指定都市です。また大阪圏の通学・通勤圏でもあり、アパート経営の候補地としても検討されやすい環境にあります。
そこで今回のコラムでは、神戸でアパート経営を始めるメリットとデメリットを解説します。また神戸で実績が豊富な不動産投資会社の紹介もいたします。
目次
- 神戸でアパート経営を始めるメリット
1-1.ブランド力があり、住宅需要が豊富
1-2.耐震化に対する補助金制度が充実している - 神戸でアパート経営を始めるデメリット
2-1.人口減少が進んでいる
2-2.人気のエリアに新しくアパートを建てられない - 神戸のアパート経営で実績のある不動産投資会社
3-1.シノケンプロデュース
3-2.アイケンジャパン - まとめ
1 神戸でアパート経営を始めるメリット
神戸でアパート経営を始めるにはどのようなメリットがあるのでしょうか。この項目では代表的な2つのメリットを紹介します。
1-1 ブランド力があり、住宅需要が豊富
利便性の高い三宮などの都市部に加えて、港町ならではのレトロな西洋建築物が並ぶおしゃれな街並みも神戸市にファンが多い理由です。
株式会社リクルートがリリースする関西の「住みたい街ランキング」では、神戸市や神戸市の中心地である三宮が上位にランクインしており、高いブランド力を持っていることがわかります。(※参照:株式会社リクルート「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」)
また、大阪圏へは公共交通機関を利用して30分程度となっており、通勤や通学するにも支障のない距離に位置しています。アシックスや川崎重工業、住友ゴム工業、神戸製鋼所、シスメックス、フジッコ、ノーリツなど全国的に規模の大きい企業が本社や工場などを構えており、単身者やファミリー層向け住宅ともに住宅需要が豊富なエリアとなっています。
なお、神戸市では持ち家率が高まっており、借家率は2018年時点で38.8%と減少傾向にあります。一方で、神戸市「平成30年神戸市の住宅・住環境の現状調査報告書」によると、借家の数は年々増加していることがわかります。
調査年 | 借家 | 民営借家 |
---|---|---|
2003年 | 260,020戸 | 151,700戸 |
2008年 | 269,940戸 | 163,540戸 |
2013年 | 272,500戸 | 170,700戸 |
2018年 | 274,700戸 | 185,600戸 |
※引用:神戸市「平成30年神戸市の住宅・住環境の現状調査報告書」
神戸市の借家は1992年に発生した阪神淡路大震災後に一時的に比率が高まった公的借家が減少する一方、民営借家の比率が上昇しています。借家のうち67.5%を民営借家が占めており、今後も上昇すると考えられます。
これらの数値から、住宅需要が豊富に見込める反面、競合となる借家の数も増えていることが分かります。神戸市でのアパート経営は、競合物件との差別化や、適切なエリア選びが重要なポイントとなります。
1-2 耐震化に対する補助金制度が充実している
神戸市は、阪神淡路大震災で多くの被害を受けたことで知られています。防災意識が高い市民が多いと想定され、アパートの耐震性能や強度なども物件選びの際の条件の一つになることもあります。そのため長期間にわたってアパート経営をする際は、耐震性の高い物件を選ぶことが必要と考えられます。
通常、耐震性の高い物件を取得するには費用が高くなりますが、神戸市では住宅や建築物に対する補助制度を設けています。具体的には次の3つの対策が用意されています。
- 無料耐震診断…耐震診断員(建築士)による無料の建物耐震診断
- 神戸市住宅耐震化促進事業補助金交付…補助対象住宅の耐震改修工事に対して補助金の交付
- 耐震改修工事に伴う税金の控除…一定の耐震改修工事を行った場合、改修工事を完了した年の所得税額が控除。控除額は標準的な費用の10%相当額(上限25万円)。
※参照:神戸市「住宅の耐震化の補助制度」
なお神戸市では、地震に対する安全性が確保されている建築物は、2013年11月に施行された改正耐震改修促進法に基づき、所管行政庁から「建築物の地震に対する安全性に係る認定」を受けることができます。
2 神戸でアパート経営を始めるデメリット
神戸でのアパート経営にはメリットがある一方、デメリットもあります。代表的な2つのデメリットを見ていきましょう。
2-1 人口減少が進んでいる
150万人の人口が暮らす神戸市ですが、近年は人口減少が進んでいます。神戸市「人口統計」によると、2023年4月1日の推計人口は1,501,678人となっており、対前月比2,919人の減少となっています。また2022年4月1日時点では1,508,996人となっており、1年間で約7,300人の減少となっています。このペースで人口減少が進むと、1年後には150万人を割り込むことも想定されています。
神戸市は坂が多いことでも知られますが、エリアによって特徴が異なります。そのため人口推移も区によって異なります。下記は、2023年4月1日時点の神戸市9区の人口推移です。
行政区 | 人口(対前年同月) | 世帯数(対前年同月) |
---|---|---|
東灘区 | 21,0,645人(▲823人) | 102,907世帯(344世帯) |
灘区 | 135,828人(▲188人) | 70,863世帯(735世帯) |
中央区 | 79,523人(1,088人) | 92,912世帯(1,478世帯) |
兵庫区 | 109,250人(461人) | 63,327世帯(1,216世帯) |
北区 | 206,869人(▲1,499人) | 89,828世帯(579世帯) |
長田区 | 93,166人(▲360人) | 50,239世帯(516世帯) |
須磨区 | 155,556人(▲1,450人) | 74,423世帯(▲33世帯) |
垂水区 | 209,047人(▲2,610人) | 96,963世帯(▲495世帯) |
西区 | 233,266人(▲1,937人) | 101,314世帯(671世帯) |
※引用:神戸市「人口統計」
神戸市の西側に当たる西区、垂水区、須磨区が1,000人以上の減少となっており、世帯数は須磨区と垂水区だけが減少しています。また六甲山の北側に位置する北区でも同様に1,000人以上の減少となっている一方、神戸市の中心部である中央区と兵庫区では人口が増加しており、世帯数も1,000世帯以上増加しています。
アパートを選ぶ際にはこうした人口推移を把握した上で、エリアや物件を見極める必要があります。
2-2 人気のエリアに新しくアパートを建てられない
神戸市では都市機能とバランスのとれた都心居住を誘導するため、特別用途地区「都心機能誘導地区」を策定しています。そのため市中心地である三宮では、2020年7月から新たな住宅を建てることが禁止され、さらにタワーマンションが建てられないような規制が設けられています。
具体的な規制内容は下記になります。
規制エリア名 | 都心機能高度集積地区 | 都心機能活性化地区 |
---|---|---|
規制エリア | JR三ノ宮駅南側約350m | 新神戸駅〜神戸駅 |
規制エリア面積 | 約22.6ha | 約292ha |
規制内容 | 住宅建設原則禁止 | 住宅の容積率を900%から400%に |
この規制は、JR三ノ宮駅周辺にオフィスビルや商業施設を集中させることを目的としたものですが、人気の三宮エリアに住宅が建てられないため、アパートを新築する場合は候補地が限られてしまいます。一方、三宮エリアにすでにあるアパートは今後物件不足になる可能性があり、価格の上昇も想定されます。
人口が減少している中、アパートの選択エリアが限定されるため、適切な物件やエリアを選んでアパート経営を行うことが必要になります。
3 神戸のアパート経営で実績のある不動産投資会社
ブランド力の高い神戸市ですが、人口減少傾向にあるエリアもあるなど注意しておきたいポイントがいくつか見られます。神戸市でアパート経営を行うには、それぞれエリアの特性に合わせた投資戦略が重要です。
ここでは、神戸でのアパート経営に実績のある不動産投資会社の「シノケンプロデュース」と「アイケンジャパン」の2社について紹介していきます。
3-1 シノケンプロデュース
シノケンプロデュースは、全国賃貸住宅新聞「賃貸住宅に強い建築会社ランキング」による「年間アパート開発棟数部門」で9年連続No.1の実績がある不動産投資会社です。「シノケングループ」の100%子会社で、一般投資家向け賃貸住宅経営のパイオニアとして土地の選定から企画、設計、施工、引き渡し後の賃貸管理まで一貫したサービスを提供しています。
東京都港区の本社ほか、福岡市、名古屋市、大阪市、仙台市にオフィスを展開しており、これまで7,000名を超える全国のオーナーと契約しています。アパート供給棟数は自社施工で7,000棟以上を数えており、神戸市内でも東灘区など主要エリアにアパートを供給している実績があります。
アパートの特徴
シノケンプロデュースのアパートはデザイン性に優れており、2016年度には主力商品の「New Standard」が2016年度のグッドデザイン賞をダブル受賞しています。また、外見だけではなく入居者の快適性を考慮した下記のような特徴があります。
- 土地は、最寄り駅から徒歩10分以内の入居ニーズの豊富なエリアを厳選し、独自ルートにより取得
- 耐震性を高めて、震度7でも倒壊しない建物をつくる
- 入居者へのアンケートをもとに、サーモスタット付水栓など人気の高い設備を標準装備
- 独自工法を採用し、防音対策を徹底
- 劣化対策等級2に適合しており、概ね50〜60年の長期耐久性能を保有
- エアコンなどの保証や原状回復時の定額リフォームなどを保証する「シノケンあんしんシステム」を提供
このような物件の特徴から、年間8,000名以上の入居希望者から申し込みを受けています。
仲介業者との提携で高い入居率を実現
管理業務はグループ企業のシノケンファシリティーズが担当しており、アパート経営に欠かせない入居者募集、入居者対応、建物メンテナンス・改修工事などの賃貸管理業務を行っています。そのため遠隔地にいるオーナーでも、アパートを建てたあとにスムーズに管理業務に移行することが可能です。
2023年3月末時点の管理戸数は45,000戸を超えており、入居率は2022年の年間平均で98.39%となっています。5,000店舗以上(2024年5月時点)の仲介業者と提携している点も、入居率の高さにつながっています。
金融機関との信頼関係による豊富な融資実績
シノケンプロデュースは融資付けの実績を豊富に持っています。1990年の創業から30年以上にわたる金融機関との信頼関係があり、日本で初めて新築投資用アパート100%ローンを提供した実績があります。
また、独占契約を含めて20行以上の金融機関と提携しており、紹介してもらうことが可能です。オーナーの属性によっては、金利が1%台、融資期間が住宅ローンやRC造と同じ35年間のプランが適用になることもあります。
シノケンプロデュースでアパート経営を始める流れ
シノケンプロデュースでアパート経営を始めるには、主に次の3つの方法があります。
- オンラインセミナーを受ける
- 個別相談会に参加する
- 資料を請求する
「まずシノケンプロデュースのアパート経営について学びたい」という方は、ノウハウブックを入手することで、自宅で学ぶことができます。「申し込みページ」から資料請求のページに行き、入力フォームに住所などを記載して送信することで申し込みが完了します。届いた資料を確認し、アパート経営を検討する場合は、個別相談などでさらに詳しい相談をする流れになります。
3-2 アイケンジャパン
アイケンジャパンは、「グランティック」「レガリスト」などのアパートブランドを全国で展開している不動産投資会社です。コンセプトに「堅実なアパート経営」を掲げているのが特徴で、2021年12月にはアパート販売棟数累計1,000棟を達成しています。
2006年に福岡市で創業し、2023年4月時点で福岡本社と東京本社を含めて国内外に11拠点を展開しています。2015年には大阪支店を大阪市中央区に開設し、関西エリアでの物件供給も行っています。兵庫県内では「REGALEST西宮北口」(西宮市青木町)など18棟を供給しており、そのうち神戸市内では「GRRESIDENCE湊川公園」(神戸市兵庫区)など5物件のアパート供給実績があります。
アパートの特徴
アパート経営の成功の本質を「入居者に選ばれるかどうか」としているアイケンジャパンでは、下記のようなこだわりを持ってアパートの設計および建築を行っています。
- 土地を選定する際は、最寄り駅から徒歩15分以内で「老朽化しても入居者から選ばれるかどうか」を判断する
- 住み心地や快適性に配慮し、ビルトインキッチンや温水洗浄便座、浴室テレビといったアパートとは思えないような設備を標準とする
- 間取りの工夫、独自のSVC構造の採用などで、RC造と遜色のない防音性能を提供する
- 「キソゴム」と耐力壁を用いた独自のBSP構造で、建築基準法で定められている基準以上の強度を確保する
- 劣化対策等級は3を獲得し、建物が長持ちするだけではなく、メンテナンス費用も軽減する
このほかスマートフォンが部屋の鍵となる「スマートロック」、家電の遠隔操作なども行える「ホームIoT」といった先進的な設備が標準装備されているのも特徴です。
このように入居者の快適性や利便性に優れた物件となっていることに加え、不動産建築会社としての信頼性を高めていることなどを背景に、金融機関からも高い評価を獲得しています。
充実したサポート体制
提供するアパートには初回満室保証制度、宅地地盤保証、住宅瑕疵担保責任保険の3つの保証制度を用意しており、初心者オーナーにも適したサポート体制が整っています。
一方、管理業務では、入居者募集から家賃集金、退去時精算、クレーム対応、清掃などのメンテナンスといった業務全般を代行しているほか、入居者からの問い合わせには24時間で対応しています。またオーナーには、収支明細や清掃状況が一目でわかる専用のホームページを提供しています。
このように管理体制やサポート体制を充実させているため、遠隔地のオーナーからも高い評価を受けています。
業界トップ水準の入居率と収益稼働率
アイケンジャパンでは、企画施工した物件のうち、2021年12月末時点で7,232戸の賃貸管理を行っています。この7,232戸における、2021年1月から12月までの平均入居率は99.7%で、最も新しい2023年3月の速報値でも99.67%となっています。ほとんど満室状態で、高い水準を維持していることがわかります。
フリーレントや家賃の値下げなど、オーナーの負担が大きく一時的な空室対策を行っていないことも特徴です。仲介店と情報交換をし、お互いに協力し合える関係を構築していることが高入居率の要因となっています。
また、新築時に提案した年間想定家賃収入に対して、実際の家賃収入を示す指標として、アイケンジャパンでは収益稼働率を公表しています。アイケンジャパンの収益稼働率は2022年12月末時点で98.3%となっており、収益ベースで見ても高い実績を上げています。
アイケンジャパンでアパート経営を始める流れ
アイケンジャパンでアパート経営を始めるには、下記のような方法があります。
- セミナーに参加する
- 個別相談会に参加する
- 資料を請求する
セミナーへの参加前にアイケンジャパンについて詳しく知っておきたいという方は、同社のパンフレットと「アパート経営成功の秘訣55」を無料でプレゼントしてもらうことも可能です。気になる方は「資料請求」のページから申し込みをされてみると良いでしょう。
まとめ
神戸市は街としてのブランドも高い政令指定都市です。本社や工場を構えている上場企業が多いのも特徴で、単身者やファミリー層からの賃貸需要も見込みやすいエリアです。
しかし、人口減少傾向にあり、人気のエリアで住宅に関する規制もあります。そのため、アパート経営には不透明な部分もあり、実績のある不動産投資会社をパートナに選ぶなど、エリアに合わせた投資戦略を練ることが重要と言えるでしょう。
倉岡 明広
最新記事 by 倉岡 明広 (全て見る)
- 不動産売却はどこがいい?大手不動産会社5つの比較や不動産査定サイトの使い方も - 2024年11月11日
- 不動産売却の実績が多い大手不動産会社は?10社の実績ランキングを比較 - 2024年11月11日
- 不動産売却で「東急リバブル」と「住友不動産販売」の違いは?評判・実績を比較 - 2024年11月11日
- 住友不動産販売の不動産売却査定の評判・口コミは?申込み手順も - 2024年10月3日
- 地価上昇が続くエリアはどこ?好立地の用地仕入れに強いアパート経営会社も - 2024年9月30日