相続不動産の売却、遺品や残置物はどうするべき?それぞれ手順や費用を解説

被相続人が亡くなり、生前に居住していた不動産を取得した場合、不動産に遺品や残置物がそのまま放置されている状態となっていることも少なくありません。

勝手に残置物の処分を進めてしまい、他の相続人にとって大切なものを勝手に処分したことが原因でトラブルに発展するケースもあります。相続不動産の残置物の処分は慎重に進めることが大切です。

この記事では、相続不動産の売却を進める際に、遺品や残置物が残っていた場合の対処法と費用などを解説します。

目次

  1. 相続不動産を売却する際は遺品や残置物を確認
  2. 遺品や残置物の処分方法
    2-1.処分センターに持ち込む
    2-2.リサイクルショップで売却する
    2-3.残置物撤去業者に依頼する
  3. 残置物撤去業者への依頼を検討する
    3-1.作業時間を大幅に短縮できる
    3-2.遺品や残置物処分に伴うアドバイスが受けられる
  4. まとめ

1.相続不動産を売却する際は遺品や残置物を確認

被相続人の遺品や残置物がそのまま放置された不動産を売却する際は、相続人同士で放置されている遺品や残置物を確認し、どのように処分するのかを決めることが大切です。

遺品には金銭的な価値で評価できるものだけではなく、遺族にとって大切な思い出深いものが含まれていることが少なくありません。相続人が複数の場合、1人の主観で物品の処分をしてしまうと後のトラブルとなる可能性があります。

まずは遺品の整理を行い、処分するものと相続を行うものの仕分けを行いましょう。この時、他に金銭的な価値があるものが含まれている場合は相続対象の遺産となります。

なお、残置物の処分には業者とのやりとりの手間や処分費用が発生します。処分方法の検討に加えて、これらの手間を誰が請け負い、どこから費用の捻出を行うのか、話し合いを進めておきましょう。

2.遺品や残置物の処分方法

不動産に放置されている遺品や残置物を確認した後は、どのように処分するのかを決める必要があります。遺品や残置物の処分方法として、以下の3つが挙げられます。

  • 処分センターに持ち込む
  • リサイクルショップで売却する
  • 残置物撤去業者に依頼する

それぞれの処分方法について詳しく見ていきましょう。

2-1.処分センターに持ち込む

遺品や残置物の量が多い場合、軽トラックといった荷物を運べる車を手配し、物件の近くの処理センターに搬入して引き取ってもらいます。

処理センターでは、タンス、ベッド、机などの家具類、家庭電化製品、その他の粗大ゴミ、陶磁器、ガラス、金属類などの燃えないゴミなどを直接搬入可能です。

一般家庭で出たゴミを直接搬入する場合、10キログラム80円といったように重さ単位で処分代金が決まります。

しかし、ブラウン管式や液晶・プラズマ式テレビ、電気冷蔵庫や電気冷凍庫、電気洗濯機や衣類乾燥機、エアコン、デスクトップ型パソコンなどの搬入はできません。これらの遺品や残置物はリサイクル法に協力している電気店に処分方法を相談しましょう。

2-2.リサイクルショップで売却する

不動産に放置された遺品や残置物の中には、リサイクルショップに持って行けば購入してもらえる可能性があります。

処分センターには搬入できなかった困ったテレビや冷蔵庫、電気洗濯機やエアコンなどの電化製品も買い取ってもらえる可能性があり、一気に処分を進めることが可能です。

ただし、全てを買い取ってもらえるわけではないため、売れるもの、売れないものの選別に時間がかかります。また、売れないものは、結局処分センターに持ち込むことになるため、手間と時間がかかることが大きなデメリットと言えます。

少しでも処分にかかる費用を抑えたいという人は、リサイクルショップでの売却を検討してみると良いでしょう。

2-3.残置物撤去業者に依頼する

遺品や残置物の整理・撤去を専門的に扱う業者に依頼するのも選択肢の1つです。業者に依頼すれば、処分センターに持ち込む手間や持ち込めないものの処分、分別にかかる時間と手間を大幅に軽減できます。

大型家具や電化製品を運び出す際は、体への負担が大きく、ケガをするまたは壊してしまう可能性もあります。

業者に依頼すれば全て任せられるのが大きなメリットですが、費用がかかるということを忘れてはなりません。費用は作業に取りかかる人数、遺品や残置物の量、周辺環境、作業を依頼する業者によって大きく異なります。

数万円~数十万円と費用の差が大きいため、業者に依頼する際は複数の業者に見積もりを依頼し、なるべく遺品や残置物を減らしてから依頼するとスムーズです。

3.残置物撤去業者への依頼を検討する

遺品や残置物が非常に多い場合、自分で遺品や残置物を処分することは容易ではありません。相続人同士でトラブルに発展することを避けるために、業者に依頼した方が良いケースもあります。

3-1.作業時間を大幅に短縮できる

自身で遺品や残置物を処分する場合、設置されているエアコンや電気洗濯機などを自身で取り外さなくてはならないケースがあります。

特に、エアコンは室外機とつながっているため、専門知識のない方が取り外すことは困難です。また、電気洗濯機も水抜きが完了していない状態で運び出そうとすると、残っていた水が流れ出して室内が水浸しになる可能性もあります。

また、生前に遺品整理をしている場合は問題ありませんが、何も取り組んでいない場合にはトラック数台分の遺品や残置物が出ることも珍しくありません。

相続では、他にも費用な手続きが多いため、遺品や残置物の処分にかかる作業時間を大幅に短縮できるのは大きな負担軽減につながると言えるでしょう。

3-2.遺品や残置物処分に伴うアドバイスが受けられる

遺品や残置物の処分を専門的に扱う業者の場合は、遺品や残置物処分に伴うアドバイスが受けられる可能性があります。

例えば、被相続人が生前までその物件で暮らしていた場合、電気、ガス、水道、電話などの契約がそのままになっています。解約手続きをスムーズに行わなければ、使用していないにもかかわらず、無駄な料金を支払い続けることになります。

また、高価な遺品や相続品を発見した場合は、相続税を決める際の相続財産の算出に影響を与えるため、扱いには注意が必要です。

残置物撤去業者の中には、解約手続きや相続品の扱いについてアドバイスをくれるケースもあります。実績や専門知識が豊富な業者選びをすることで、煩雑な相続手続きの手間を軽減できる可能性があります。

しかし、全ての業者が必ず対応しているというわけではありません。遺品整理士といった専門家が在籍している業者であれば、総合的なサポートが受けられる可能性があるため、業者選びの1つの判断材料にしてみると良いでしょう。

まとめ

遺品や残置物が放置されている相続不動産をそのまま売却すると、次の買主が撤去費用を支払うことになり、売却条件も悪くなる傾向にあります。そのため、まずは遺品や残置物を処分してから売却を進めることを検討し、相続人同士で話し合いを進めて行きましょう。

遺品や残置物の処分方法は複数あり、選んだ方法によっては時間や手間がかかる、費用がかかるといったデメリットがあります。後悔しないためにもそれぞれの手段を比較してから処分方法を選ぶことが重要です。

不動産を売却する際は、生前に利用していた電気、ガス、水道、電話といった契約の解除も行う必要があります。遺品や残置物の処分やその他の手続きをスムーズに行うためには、専門的な知識を有する業者に依頼するのも選択肢の1つと言えるでしょう。

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矢野翔一

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。