住宅ローンの返済中に自宅を売却する手順・方法は?控除制度も紹介

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住宅ローンを返済中の家を売却したい時には、一体どのような手順で売却を行ったらよいのかお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では住宅ローンを返済中の家の売却方法や手順、家を売却した時に利用できる控除制度をお伝えしていきます。

目次

  1. 家の査定価格と住宅ローンの残債を比較する
    1-1.アンダーローンとオーバーローン
  2. 住宅ローン返済中の家を売却する方法と手順
  3. オーバーローンで売却後の返済が厳しい場合には任意売却を検討する
  4. オーバーローンの家を売却する際に利用できる控除制度
  5. まとめ

1.家の査定価格と住宅ローンの残債を比較する

住宅ローン返済中の家を売却する場合、まずは家の査定価格とローンの残債を比較しておきましょう。住宅ローン返済中の家には金融機関の抵当権がつけられており、原則的に抵当権がついたまま家を売却することはできないためです。

ローンの残債は金融機関の窓口で問い合わせるか、残高証明書で確認しましょう。残高証明書は年に1回の送付となりますので、金融機関の窓口で聞く方がより正確な残額を知る事が出来ます。

売却価格の相場は、不動産会社に査定を依頼することで分かります。この時、査定の依頼は1社だけではなく複数の不動産会社に一括査定を申し込み、各社の査定価格を比較するようにしましょう。

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【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

1-1.アンダーローンとオーバーローン

ローンの残債と売却価格の相場を比較し、売却価格の相場がローン残債を上回った時にはアンダーローン、ローン残債が売却価格の相場を上回った時にはオーバーローンとなります。

アンダーローンでは不動産会社の仲介や買取など、通常の手順で売却が可能で、売却した代金でローンを全て返済できます。

オーバーローンでは不動産売却の資金でローンが相殺できないため、残債を手元の資金で一括返済するか、任意売却を検討することになります。なお、任意売却後にはローンが残るため、不動産を手放した後も返済を続ける必要があります。

2.住宅ローン返済中の家を売却する方法と手順

住宅ローン返済中の家を売却する手順を見て行きましょう。主には下記のような流れとなります。

  1. 不動産会社に査定を依頼、ローン残債と売却価格の相場を比較
  2. 査定を元に不動産会社を選び、媒介契約を結ぶ
  3. 売却活動を開始
  4. 購入希望者の内覧対応、条件交渉
  5. 売買契約の成立
  6. 物件の引き渡し・ローン完済と同時に決済
  7. 確定申告

家の査定を行った後、査定額や担当者の対応などにより不動産会社を選びスケジュールや宣伝方法などを話し合い、契約を結びます。査定額を元に売り出し価格を決め、売却活動がスタートします。

ただし、不動産査定で算出した売出価格がそのまま売却価格とならない可能性もあることに注意しておきましょう。購入検討者から物件価格の値下げ交渉をされたり、競合物件が多く想定した需要が獲得できなかった時など、値下げを検討することも少なくないためです。

購入希望者が現れたら内覧の対応を行い、必要に応じて物件価格や引き渡し時期などの交渉を行います。この時、住宅ローンを借りている金融機関へ抵当権抹消手続きについて問い合わせておくと、後の手続きもスムーズです。

買主との事前交渉がまとまったら、売買契約を締結します。売買契約に記載した引渡しの日程で物件の鍵と権利証を引き渡し、所有権が移転します。売却代金の残金を受け取り、ローンを一括返済します。

3.オーバーローンで売却後の返済が厳しい場合には任意売却を検討する

売却代金でローンを返済できない方は、残債を自己資金で一括返済する方法以外に、任意売却により家の抵当権(金融機関が家を差し押さえる権利)を外すという選択肢があります。

任意売却を行うことで、住宅ローンの返済方法や期間を配慮して貰える可能性があります。ただし、任意売却には金融機関の許可が必要で、売却価格に関しても金融機関の承諾を得る必要があります。

任意売却を行う際には、まずは金融機関へ任意売却が可能かどうか、可能な場合どのような条件となるのか、それぞれ確認と相談をしましょう。

【関連記事】不動産の任意売却とは?メリット・デメリットや売却手順を解説

4.オーバーローンの家を売却する際に利用できる控除制度

オーバーローンで家を売却した場合、「マイホームの譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例」を利用できる可能性があります。

2021年12月31日までに、住宅を譲渡した年の1月1日に所有期間が5年を超えるマイホームを売却して損失が出た場合、住宅ローンの残高から売却価額を差し引いた残りの金額を限度として他の所得と損益通算を行う事が出来ます。

損益通算とは、所得金額で生じた損失を他の各種所得の金額から控除できる制度で、その年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます

損益通算を行っても赤字となった金額は確定申告で翌年以降3年間繰り越して控除できます。一定の住宅ローンの残高があること、売却価格がローン残高を上回ることなど、複数の適用要件があります。

まとめ

住宅ローン返済中の家を売却では、ローンの残債と売却価格の相場を比較しておきましょう。住宅ローン返済中の家には金融機関の抵当権がつけられており、原則的に抵当権がついたまま家を売却することはできないためです。

アンダーローンの場合は通常の売却手順での売却が可能ですが、オーバーローンの場合は残債を自己資金で一括返済するか、任意売却を検討することになるため注意が必要です。

なお、オーバーローンの家を売却した時には「マイホームの譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例」を利用できる可能性があります。それぞれの住宅ローンの状況に合わせて、適した売却手段を検討してきましょう。

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田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。