家の住み替え、スムーズに行う手順とは?適用したい住宅ローン控除も

※ このページには広告・PRが含まれています

家の住み替えでは、現在住んでいる物件の売却に加え新居の購入・引越し・住宅ローンの手続きなどやらなくてはいけない事が多くあります。

始めての家の売却で、どこから手を付けたらよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、売却や購入の手順、買い先行と売り先行のメリット・デメリット、住み替えの計画をスムーズに立てる方法について解説します。

目次

  1. 家を売却する4つの手順
    1-1.不動産会社に売却する家を査定してもらう
    1-2.不動産会社と媒介契約を締結する
    1-3.買主と不動産売買契約を締結する
    1-4.物件の引き渡し・売却代金を受け取る
  2. 新居の購入計画~入居までの手順
    2-1.希望条件を決める・購入資金の計画
    2-2.購入する新居を探す
    2-3.新居購入の契約をする
    2-4.住宅ローンの手続き
    2-5.物件の引き渡し・入居
  3. 家の住み替えは売却と購入どちらを先にする?
    3-1.住み替えを買い先行で進めるメリット・デメリット
    3-2.住み替えを売り先行で進めるメリット・デメリット
  4. 住み替え・売却利益の控除と特例制度4つ
    4-1.住宅ローン控除
    4-2.居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
    4-3.特定のマイホームを買い換えたときの特例
    4-4.マイホームを売ったときの軽減税率の特例
  5. まとめ

1.家を売却する4つの手順

現在住んでいる住宅の売却の流れは、大きく分けて以下の4つです。

  1. 不動産会社に家を査定してもらう
  2. 不動産会社と媒介契約を締結する
  3. 買主と売買契約の締結
  4. 物件の引き渡し・売却代金を受け取る

それぞれ詳しく見て行きましょう。

1-1.不動産会社に売却する家を査定してもらう

現在住んでいる家がどのくらいの価格で売却できるかを、不動産会社に査定してもらいます。査定方法は周辺地域の相場価格から推測する机上(簡易)査定と、実際に物件を見てもらう訪問査定があります。

まずは一括査定で複数社に簡易査定を依頼し、その後数社に絞り訪問査定を依頼すると良いでしょう。

主な不動産一括査定サイト


サイト名 運営会社 特徴
SUUMO(スーモ)不動産売却[PR] 株式会社リクルート 大手から中小企業まで約2,000の店舗と提携。独自の審査基準で悪質な不動産会社を排除。60秒で入力が終了し、無料査定がスタートできる。
すまいValue[PR] 不動産仲介大手6社による共同運営 査定は業界をリードする6社のみ。全国875店舗。利用者の95.5%が「安心感がある」と回答
リガイド(RE-Guide)[PR] 株式会社ウェイブダッシュ 15年目の老舗サイト。登録会社数800社、最大10社から査定を受け取れる。収益物件情報を掲載する姉妹サイトも運営、他サイトと比べて投資用マンションや投資用アパートの売却に強みあり
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス[PR] 株式会社LIFULL 全国3100社以上の不動産会社に依頼できる。

【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

一括査定サイトとは、サイト上に物件情報を一度登録すると複数の不動産会社から簡易査定が受けられるサービスのことです。住み替え計画を立てる際、物件の売却価格が新居の購入価格にも大きく影響を与えることになります。

複数社の査定を受けて、査定価格や営業マンの対応の良しあしを比較してみましょう。

【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

1-2.不動産会社と媒介契約を締結する

不動産会社と媒介契約を交わし、売却の為の営業活動や手続き等を依頼します。

媒介契約とは複数の不動産会社と契約できる一般媒介契約、1つの不動産会社と契約、自分で見つけてきた買主とは直接取引ができる専任媒介契約、1つの不動産会社と契約、自分で見つけてきた買主とは直接取引ができない専属専任媒介契約の3種類があります。

一般媒介契約は複数社と取引が出来るメリットがありますが、不動産会社が積極的に売却活動を行わなくなる可能性があります。

専任媒介契約や専属専任媒介契約は1社の不動産会社依頼するため積極的な売却活動が期待できますが、依頼した不動産会社の販売力が低かった場合は他社に依頼することが出来なくなってしまいます。

それぞれメリットとデメリットがあるため、都心・駅近・築浅マンションなどの需要のある物件であれば一般媒介契約を締結して様子を見たり、査定理由・売買戦略・担当者のレスポンス速度や的確さ・過去の類似物件の売却実績などについて納得ができる不動産会社と専任媒介契約を締結するなど、ケースに応じて使い分けることが大切です。

1-3.買主と不動産売買契約を締結する

売り出した物件の購入希望者から、不動産会社を通して「買付証明書(購入申込書)」が送られてくることがあります。

買付証明書には物件の購入希望価格や有効期限などの条件が記されており、この書類を基に条件の調整を行い、売買契約書を作成します。

契約を一度結ぶと手付による解除や担保責任による解除など、特定の条件以外で解除することが出来なくなります。契約書の内容は事前に確認してから契約しましょう。

また買主が契約を解除する際にどのような条件になっているのか、あわせて確認をしておきましょう。

1-4.物件の引き渡し・売却代金を受け取る

物件の引き渡し日には残金決済や所有権の移転登記を行います。引き渡し日までのスケジュールを逆算して、住み替えによる引っ越しの準備や手続きを済ませておきましょう。

また取引慣例上、物件に関わる固定資産税や管理費などの精算も引渡し日に行われます。

2.新居の購入計画~入居までの流れ

ここまで不動産売却の手順について解説しました。

次に、新居の購入計画から入居までの5つの手順をご紹介します。

  1. 希望条件を決める・購入資金の計画
  2. 物件を探す
  3. 新居購入の契約をする
  4. 住宅ローンの手続き
  5. 物件の引き渡し・入居

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1.希望条件を決める・購入資金の計画

まずは一戸建て、マンション、地域や物件の間取り、築年数などの希望条件を絞り、該当する物件を調べましょう。

新しい家を担保に住宅ローンの融資を受ける場合、物件の築年数やエリアが融資の上限額に大きく影響します。希望条件や価格帯から購入資金の計画を立てておきましょう。

2-2.新居購入の契約をする

購入希望の新居が決まったら、不動産会社に購入希望の旨を伝え、書面で申し込みを行います。金融機関の住宅ローンを利用する場合は、ローンの審査を受けることになります。

審査がおりたら不動産会社から重要事項の説明を受けます。契約書の内容を確認した上で契約を結び、物件の手付金を支払う流れになります。

2-3.住宅ローンの手続き

契約が成立したら正式に住宅ローンの契約手続きを行います。各種控除やローンの返済方法、借入先などの情報を調べた上でローンを組みましょう。

引き渡しの前に内覧会が行われることがあります。契約内容と違いが無いかを確認しておきましょう。

2-4. 物件の引き渡し・入居

物件の引き渡しと同時に残金の決済を行います。登記申請や抵当権の設定も同時に行われますので、あらかじめ手続きを依頼する司法書士を探しておきましょう。鍵を貰い引き渡しが完了したら引越し・入居となります。

入居した年度は確定申告を行い、住宅ローン控除の申請を行いましょう。

3.住み替えは売却先行と購入先行どちらがお得か

住宅の住み替えでは「売り先行」(売却が先)と「買い先行」(購入が先)という2つの方法があり、双方にメリットとデメリットが存在します。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

3-1.住み替えを買い先行で進めるメリット・デメリット

メリット デメリット
引越しが1回で済む
仮住まいが要らない
自宅を引き渡す事がないので、新居をじっくり探す事が出来る
現在の家と二重のローンを抱えてしまう可能性がある
売却価格が決まっていないため資金計画が立てにくい

資金に余裕があり、時間をかけて新居を探したい方は買い先行を検討すると良いでしょう。

買い先行では新居を焦ることなく探せますが、現在の住宅と新しい住宅の二重のローンを返済する必要があるため注意が必要です。

また、売却前に新居の購入を行うため、新居の頭金に物件の売却代金を充てる事が出来ません。買い先行で住み替えをする場合は、一定の現金を準備しておく必要があります。

3-2.住み替えを売り先行で進めるメリット・デメリット

メリット デメリット
新しい住居の資金を得る事ができ、資金計画も立てやすい
売却に時間をかけることができるので、希望の価格で売却できる可能性が高い
タイミングがずれると仮住まいが必要になり、引越しが2回になる

売却利益や資金計画を優先させる場合は売り先行を選びましょう。

買い先行と違い、余裕のある売却活動を行う事が出来る上に売却資金が確定しているという点でメリットがあります。

売却後になかなか新居が決まらない場合は仮住まいが必要になってしまいますが、「二重ローンのリスクを避けたい」「現在の家を納得する価格で売りたい」という方は売り先行で検討すると良いでしょう。

4.住み替え・売却利益の控除と特例制度4つ

住宅の住み替えをした時に活用できる控除や特例制度を4つご紹介します。

  1. 住宅ローン控除
  2. 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
  3. 特定のマイホームを買い換えたときの特例
  4. マイホームを売ったときの軽減税率の特例

それぞれ詳しく見て行きましょう。

4-1.住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、「住宅借入金等特別控除」と言い、ローンの年末残高の1%を住民税・所得税から控除できる税制度のことです。(国税庁「住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」を参照)

返済期間が10年以上などの条件を満たせば、住み替えでも住宅ローン控除が適用されるケースがあります。

4-2. 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

3,000万円の特別控除とは、マイホームを売却した時に利益があっても3,000万円までは所得税がかからない税制度です。(国税庁「マイホームを売ったときの特例」を参照)

他の特例との併用はできず一定の条件を満たす必要はありますが、売却利益が3,000万円を超えた場合は特例が適用できるか検討してみましょう。

4-3.特定のマイホームを買い換えたときの特例

特定のマイホームを買い換えたときの特例が適用されれば、住宅を住み替えた際に売却利益の所得税を繰り延べることが出来ます。(国税庁「特定のマイホームを買い換えたときの特例」を参照)

不動産の所有・居住期間がそれぞれ10年を超えていることなどが条件で、将来譲渡するまで適用されますので売却しない場合は非課税の状態が続きます。

また、特定のマイホームを買い換えたときの特例は住宅ローン控除や他の特例との併用が出来ない点に注意しましょう。

4-4. マイホームを売ったときの軽減税率の特例

マイホームの所有期間が10年以上などの諸条件を満たす時に譲渡の所得税・住民税が軽減される制度です。(国税庁「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を参照)

譲渡所得(売却代金から控除や費用を差し引いたもの)の金額が6,000万円以下の場合は14%、6,000万円超の場合は20%の税率が軽減されます。

こちらも他の特例とは併用することは出来ないので注意しましょう。

また、ここまでご紹介した控除・特例制度を利用する際は確定申告が必要になります。家の住み替えを予定している方は、これらの控除の適用も視野に入れつつ検討してみましょう。

まとめ

家の住み替えで大事なポイントは以下の3つになります。

  1. 売り買いの流れを把握しておく
  2. 「買い先行」と「売り先行」のメリット・デメリットを知り、どちらかを決める
  3. 控除や特例制度について知っておき、可能な場合は活用する

売り買いの流れでは、物件と共に様々なお金の受け渡し時期を把握しておきましょう。

「買い先行」と「売り先行」のどちらを選ぶかは個人の資産状況や転居の理由などにより左右されます。双方のメリットとデメリットを考慮した上で判断しましょう。

また、家の住み替えでは様々な控除や特例制度を受けられる可能性があります。こちらも事前に確認しておき、どのような控除が受けられるのか条件を確認しておくことも大切です。

家の住み換えは売却と購入のどちらも行う必要があり、手順を知っていなければ思いがけず手間取ってしまうこともあります。この記事を参考にスムーズな家の住み替えを進めていきましょう。

The following two tabs change content below.

田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。