コロナショックで不動産価格はどうなる?価格推移から売却タイミングを検証

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コロナショックで不動産価格がどのような影響を受けるのか、それによって売却タイミングを探っている方は多いのではないでしょうか。

不動産価格はコロナショックの影響を受けて一時的に下落したものの、2020年9月現在、回復基調にあります。

この記事では、そのような現況を踏まえて、近年の不動産価格の推移、不動産市場の動向、今後の景気イベントなどから、不動産の売却タイミングについて検証します。

目次

  1. 2008年以降の不動産価格指数の推移
  2. 長期金利の推移と金融機関の貸出動向の推移
  3. コロナショックを含む2020年8月までの不動産成約価格の推移
  4. 市場動向と今後の景気イベントから売却タイミングを検証
  5. まとめ

1.2008年以降の不動産価格指数の推移

※国土交通省「不動産価格指数」より引用

国土交通省は、2012年より、買主からヒアリングした住宅・マンション等の取引価格情報をもとに、全国の不動産価格指数を公表しています。

IMF(国際通貨基金)の指針に基づいて運用されており、金融・経済危機の要因となる不動産価格の変動を把握することを主な目的とし、不動産投資判断の指標の一つとなっています。

不動産価格指数は、住宅と商業用不動産、いずれの指数もリーマンショック以降下落し、しばらく停滞基調にあったものの、アベノミクスによる金融緩和が始まった2013年から上昇傾向が続いてきました。

特に、区分マンションの指数ではこの傾向が顕著に表れており、指数は2013年初頭から2020年初頭まででほぼ1.5倍となっています。

2.長期金利の推移と金融機関の貸出動向の推移

不動産は融資を受けて購入する人が多く、不動産市場は住宅ローン、不動産投資ローン等の長期金利、金融機関の貸出動向の影響を受けています。

日銀の主要行長期金利の推移をみてみると、2008年頃2.4%程度まで上がったものの、その後低下を続け、2016年には1%を切っています。その後現在まで、1%前後の低金利で推移しています。

また、金融機関の貸出態度判断は、日銀短観によると、2008年を底にしてアベノミクス以降、緩和傾向が継続しています。

アベノミクス以降の不動産価格上昇には、長期金利の低下と金融機関の貸出態度の緩和によって、市場に資金が流れて不動産需要が増加していた背景があると言えるでしょう。

3.コロナショックを含む2020年8月までの不動産成約価格の推移

それでは、コロナショックの以前・以後を含む2020年8月までの不動産の成約価格はどのように推移しているでしょうか。

首都圏の中古マンションの成約価格は上述したアベノミクスの金融緩和以降、上昇傾向が続いていました。

2020年2月から4月にかけてコロナショックの影響でいったんは下落したものの、5月以降8月に至るまで前年を上回る状態が継続しています。首都圏の中古戸建の成約価格も、やはりいったん下落したものの、8月に入って前年を上回る成約価格にまで回復しています。

※東日本不動産流通機構「サマリーレポート 2020 年8月度」より引用

このまま価格上昇傾向に戻る可能性もありますが、見方を変えればコロナショックによる自粛などで抑えられていた反動であるとも考えられます。現時点の情報だけではなく、今後の指数動向についても確認し、検証する必要があるでしょう。

4.市場動向と今後の景気イベントから売却タイミングを検証

2020年9月現在、不動産価格は回復基調にあり、長期金利も低水準かつ金融機関の貸出態度も緩和された傾向が継続しています。今後、不動産価格が急落するということは考えにくいといえます。

ただし、コロナショック以前の2019年から新築マンションの供給戸数が減ってきており、契約率も横ばいであることから、新築マンション市場は近年縮小の兆しがあるとも考えられます。

その他、不動産市場においては東京オリンピック後の景気減退や2022年の生産緑地放出による需給バランスの変化の問題、コロナ感染の再拡大など、ネガティブな要因もあります。このように、市場に悪影響を及ぼしかねない不安要素もあることから、不動産価格が大きく上昇するということも予測しづらいといえます。

不動産価格は個別要因にも左右されます。特にマンションの場合は、建物価格の割合が大きいため、経年劣化の進み具合で売却タイミングを決めるのも一つの選択肢といえます。

また、所有不動産の立地地域で再開発がおこなわれて、その影響で価格が値上がりすることもありえます。全体的な市場動向が予測しにくい現状では、このような所有不動産の価格を形成する個別要因で売却タイミングを図ることを検討してみましょう。

個別要因による所有不動産の価格を調査するには不動産会社の査定を受け、現時点での不動産価格を調査しておくことも一つの方法です。

不動産会社は不動産市場全体の動向だけでなく、建物の経年劣化、周辺環境の変化、過去の取引事例のデータなど、個別要因における情報を加味したうえで査定を行います。売却に悩んでいるタイミングであらかじめ査定を受けておくことで、将来に売却を行う際の判断材料としても活用できるでしょう。

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まとめ

コロナショック以降も、直近では不動産価格は堅調に推移しているといえます。低金利と金融機関の貸出態度の緩和が継続している状況では、今後も不動産価格が急落する可能性は低いと考えることができるでしょう。

しかし、今後の市場動向を考慮すると大幅な価格上昇も見込みにくいといえます。実際の売却タイミングは、所有不動産の築年数や周辺環境の変化、人口動態や家賃相場など、個別要因によって判断しておくことも検討しましょう。

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佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。