マンションを売却する際、リフォームは必要?費用対効果から解説

転勤や家族構成の変化による住み替えなどでマンションの売却を検討している方の中には、リフォームが必要かどうか気になっている方も多いのではないでしょうか?リフォームには費用がかかるので、効果が期待できるかをよく考えてから判断した方が良いと言えます。

そこで今回は、マンションを売却する際にはリフォームが必要なのか、費用対効果から判断する方法について解説します。

目次

  1. 売却前に物件のリフォームをするメリット
    1-1.物件の印象が良くなる
    1-2.需要が高くなる可能性がある
  2. リフォームをするデメリット
    2-1.売買が成立しにくい可能性がある
    2-2.費用を回収できるとは限らない
    2-3.リフォーム前提の需要がなくなる
  3. マンションのリフォームにかかる費用
  4. クリーニングや部分的な修繕でも十分?
  5. まとめ

1 売却前に物件のリフォームをするメリット

築年数の経過したマンションは内装などが劣化していることが多いため、「リフォームして少しでもきれいにした方が売却に有利になるだろう」と思っている方も多いでしょう。売却前にリフォームすることには、どんなメリットがあるのでしょうか?主なメリットは以下の2つです。

  • 物件の印象が良くなる
  • 需要が高くなる可能性がある

それぞれの売却前にリフォームするメリットについて詳しく見ていきましょう。

1-1 物件の印象が良くなる

1つ目のメリットは物件の印象が良くなることです。築年数が経過したマンションは設備が古く、内装も傷んでいるケースが多いのが一般的です。そのため、中古マンションの購入を検討している方の中には、購入した後のリフォームにどのくらい費用がかかるのかを気にしている方が多いと言えます。

しかし、リフォームしている中古マンションであれば購入後の費用を気にせずに済むため、物件に対する買い手の印象が良くなります。例えば、マンション本体の予算を3,000万円で組んでいて、リフォーム費用を100万円と想定していた買い手がいるとします。

もし、この買い手に対して、3,000万円で売却予定の物件を50万円程度でリフォームした場合に買い手が納得するような結果が得られていれば、リフォーム費用を上乗せした3,100万円で購入してくれる可能性があります。

そのままでは高く売れない場合でも、上記のケースのようにリフォームすることによって印象が良くなるため、より高く売れることが期待できるでしょう。

1-2 需要が高くなる可能性がある

2つ目のメリットは需要が高くなる可能性があることです。中古マンションはリフォームを想定して購入する方が多いということについては既に触れましたが、中には購入してからリフォームすることを面倒に感じる方もいます。その理由として挙げられるのは以下の2つです。

  • リフォームの打ち合わせが面倒
  • リフォームしている間の生活が不便

購入してからリフォームするとなると、どんなリフォームをするのか業者と打ち合わせをしなければならないため、リフォームが始まるまでに時間と手間がかかります。また打ち合わせが終わってリフォームが始まっても、リフォームしている間は使えない場所が出てくるなど、生活が不便になる可能性があります。

そのため、それらの手間や無駄を省くために、リフォームが完了している中古マンションを探している方もいます。そのような方の中には、少し費用がかかったとしても手間や無駄を省ける方が良いと考えている方もいるため、そうした方に向けて想定よりも高く・早く売れることが期待できるでしょう。

2 リフォームをするデメリット

マンション売却前にリフォームをすれば、物件の印象が良くなる・需要が高くなる可能性があるため、マンションをより高く・早く売りたい方にとっては、リフォームした方が良いと言えます。一方、売却前にリフォームする主なデメリットとしては以下の3つが挙げられます。

  • 売買が成立しにくい可能性がある
  • 費用を回収できるとは限らない
  • リフォーム前提の需要がなくなる

2-1 売買が成立しにくい可能性がある

リフォームを行うことで、売買が成立しにくくなる可能性もあります。マンションをリフォームしてから売却する方のほとんどは、少しでもマンションを高く・早く売ることが目的でしょう。そのため、リフォーム後の売却価格は、リフォーム費用に利益を乗せた価格に設定するのが一般的です。

しかし、新築マンションではなく中古マンションの購入を検討している方は、少しでも住居費用を抑えることを目的としている場合があります。そうなると、買い手の希望と売り手の希望が合わなくなってしまうため、せっかくリフォームしてきれいになった物件でも、あまりに費用を上乗せしすぎると誰も見向きもしてくれなくなる可能性があるので注意が必要です。

また、中には需要に合わせて間取りを変更する「リノベーション」をする方もいます。しかし、リノベーションにはより多くの費用がかかるため、こちらも需要が高くても価格が高すぎて売買が成立しない可能性があるので特に注意しましょう。

2-2 費用を回収できるとは限らない

上記のようにリフォームには費用がかかりますが、必ずしもその費用を回収できるとは限りません。「リフォームで利益を出すことができなくても、せめて費用くらいは回収できるのでは?」と思っている方もいるかもしれませんが、やや甘い見通しと言えます。

リフォームをした方がマンションをより高く・早く売れる、というのはあくまでも売り手の立場から考えた話で、買い手の立場ではありません。先ほども触れたように、住居にかかる費用を抑えるために中古マンションを選んでいる方もいるため、より価格の安い中古マンションの方が魅力を感じる方が多い可能性もあります。

リフォーム費用を上乗せした売却価格で募集をかけたにもかかわらず、買い手がなかなか現れないケースはよくあります。結果的に値下げして募集をかけ直す手間と無駄な支出を考慮すると、そのまま売りに出した方が良かったと言える可能性も0ではないでしょう。

2-3 リフォーム前提の需要がなくなる

リフォームに対して「面倒」という印象を抱いている方にとっては、リフォームされたマンションの方が魅力的に感じられるかもしれません。しかし、購入後にリフォームすることを前提としている方の中には、自分達で設備を選んだり内装を選んだりすることを楽しみにしている方もいるため、リフォームしたことが需要低下の引き金になる可能性もあります。

また、リフォームに自分の好みを出すと、好みが受け入れられた場合には問題ありませんが、そうでない場合には需要が低下する可能性もあります。そのため、リフォームをしてから売る際は、費用とターゲットの双方を考えることが重要と言えるでしょう。

3 リフォームにかかる費用

リフォームと一口に言っても、リフォームする場所や規模によって大きく費用が異なってきます。そのため、リフォームするかどうかを決めるには、まずはリフォームにどの程度の費用がかかるのかあらかじめ把握しておくことが重要です。場所別にかかるリフォームのおおよその費用は以下のようになっています。

  • 壁材や床材の張替え:20~40万円
  • キッチンのリフォーム:10~30万円
  • トイレのリフォーム:10~20万円
  • 洗面所のリフォーム:20万円
  • 浴室のリフォーム:50~100万円

上記はあくまでも一例です。セパレートタイプやユニットタイプのキッチンのリフォーム費用は比較的安く抑えられますが、システムキッチンを採用する場合は、上記以上の費用がかかります。

無駄に費用をかけすぎたことが原因で回収できなかった時のリスクを考えると、全部をリフォームするのは避けておいた方が良いと言えるでしょう。

4 クリーニングや部分的な修繕でも十分?

全体的にリフォームするのは避けておいた方が良いと言っても、経年劣化によるクロスやフローリングの傷みなどが気になって、内覧までに何とかしておきたいというケースもあるでしょう。そのような場合は、全体的なリフォームではなく、クリーニングや部分的なリフォームをした方が良いと言えます。

クリーニング費用は、依頼する業者によって異なりますが、全ての水回りのクリーニングを依頼しても5万円程度で済みます。水垢やカビ、錆などの汚れは、自分で取ろうと思っても簡単には取れない場合がありますが、クリーニングのプロに任せれば簡単にきれいにすることが可能です。

また、必要な箇所のみを部分的にリフォームを行うことで、費用対効果を高くすることができます。事前に不動産会社にどこをリフォームすればいいかアドバイスを貰うことで、無駄な支出を抑えられるリフォームができるでしょう。

5 まとめ

マンションを売却する際には、事前にリフォームをすることでマンションの印象が良くなりますが、それが必ずしもマンションを高く・早く売ることに繋がるとは限りません。

中古マンションの購入を検討している方にとって、内装の手直しが必要であることは想定の範囲内で、むしろ築年数の経過によって構造体に問題がないかどうかを気にしている方も多いと言えます。また、自分の好みにリフォームすることを楽しみにしている方もいます。

そうなると、買い手の印象を良くする目的で行ったリフォームが空振りになり、売出価格の上昇によってむしろ買い手が付きにくくなる可能性もあります。そのため、マンションを売却する際には、事前に不動産会社に相談してからリフォームを行うかどうか、またどのようなリフォームをすれば良いかを判断するのが望ましいでしょう。

不動産会社は不動産売却に関するプロですので、最小限のリフォームに抑える、部分的な修繕やクリーニングで済ませるなど、効果的なアドバイスをくれる可能性があります。それにより無駄な支出を抑えることが可能です。

売却やリフォームに強い良い不動産会社を見つけて、できる限り無駄な支出を抑えながら効率良くマンションを売却しましょう。

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矢野翔一

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。