マンション投資で大失敗?何がいけなかったのか検証して対策法を紹介

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マンション投資は当初のシミュレーション通りに運用できれば安定した投資になると言えます。しかし、中には損をしたとか、失敗したという話を聞くこともあります。では、多くの投資家はどのような失敗をしているのでしょうか?

今からマンション投資をする方は、失敗しないためにも失敗事例を学習し、投資に活かすことが大切です。この記事ではマンション投資で失敗した事例と、失敗しないための対策をご紹介します。

目次

  1. 節税額の試算誤りから運用に失敗した事例
    1-1.節税効果は長くは続かない
    1-2.毎月の収支はプラスになっているか確認する
    1-3.減価償却費の計算が合っているかどうか確認する
  2. サブリース契約で失敗した事例
    2-1.かぼちゃの馬車の失敗例
    2-2.サブリース契約はオーナーと管理会社双方にメリットがある
    2-3.サブリース契約は賃借人が付かないと成り立たなくなる
    2-4.サブリース契約をするのは経営戦略上必要な時
  3. 売却したが利益が出なかった事例
    3-1.売却の際にも手数料や税金の支払いが発生する
    3-2.売却をする際は出口戦略を立てることが基本
    3-3.価格相場や成約情報を調べておく
  4. 中古マンションを購入して失敗した事例
    4-1.中古マンションを購入後すぐに空室になり赤字経営になった
    4-2.利回りが良くても空室になれば運用はうまくいかない
    4-3.周辺の類似マンションの入居率を確認する
    4-4.入居率の高い管理会社を選ぶ
  5. まとめ

1.節税額の試算誤りから運用に失敗した事例

マンション投資をするメリットの一つに、節税効果があります。効果の大きさは人によって違いますし、節税効果が出せる期間には限界があります。節税における試算の仕方が原因で失敗した事例を見てみましょう。

1-1.節税効果は長くは続かない

マンションを購入してから一定の年数は、建物価額について減価償却費を計上することができ、その間は利益を圧縮できるメリットがあります。しかし、減価償却費が無くなると大きく損金が減るため、他に大きな損金が発生しない限りは赤字となることは無くなるでしょう。

また、マンションの売却時には、今まで減価償却費を計上したぶん多くの譲渡所得税が発生することにもなります。マンション投資における節税効果を得られる期間には限りがあるということを知っておきましょう。

1-2.毎月の収支はプラスになっているか確認する

マンション投資では、不動産会社が節税効果や「資産になること」をアピールする傾向があります。中には毎月の収支(キャッシュフロー)がマイナスになるようなプランで販売が行われるケースも存在します。収支がマイナスということは、オーナーが自らの貯蓄を切り崩さなければいけないということに繋がるため、家計を圧迫しかねません。

損害が大きくならないようにするためには、シミュレーションを見る際に毎月単体でプラス収支になっているかどうかを必ず確認することが大切です。毎月の収支がマイナスの場合は、いくら節税効果などのメリットがあっても、そのような投資は避けた方が無難です。

1-3.減価償却費の計算が合っているかどうか確認する

また、不動産会社から受け取ったシミュレーションの減価償却の計算が間違っている可能性も0ではありません。不動産投資のシミュレーションソフトで簡単に減価償却費の試算ができるようになっていますので、念のため計算が合っているかどうかも確認するようにしましょう。

2.サブリース契約で失敗した事例

シェアハウス問題で一気に注目を浴びたサブリース契約ですが、以前からアパート経営でもサブリース契約をしたばかりに運用に失敗したり、損をしたりした話はあります。どういった状況で失敗したのかを見てみましょう。

2-1.かぼちゃの馬車の失敗例

近年話題になったサブリースに関する事件と言えば、シェアハウス「かぼちゃの馬車」ではないでしょうか。

この不動産投資のスキームはこうです。オーナーは金融機関から融資を受けてシェアハウスを購入し、その返済はサブリース契約をした管理会社から入ってくる家賃から支払うというものでした。サブリース契約をしていますので、オーナーにとっては空室リスクが無いことから、とてもメリットの大きいスキームだと謳われていました。

しかし、管理会社は資金繰りがうまくいかず、サブリース契約した家賃を支払うことができなくなったため、オーナーが困窮したといった流れでした。

かぼちゃの馬車のオーナーは1億円以上のローンを組んでいる人が多く、その額になると1ヵ月の返済額は数十万円以上になりますので、普通のサラリーマンでは支払うのは難しい金額です。

2-2.サブリース契約はオーナーと管理会社双方にメリットがある

サブリース契約は不動産会社が借り上げをして、第三者に貸し出すという仕組みになっています。家賃設定や募集、賃貸契約と言った賃貸に関することは全て不動産会社が行いますので、オーナーはそのようなことで手を煩わすことがありません。オーナーには一定の借り上げ家賃が入ってくる契約になっていますので、賃借人が付かない場合の空室リスクはオーナーにはありません。

不動産会社は入居者から入る家賃と、オーナーに支払う借り上げ家賃との差額を利益として得ることができます。この場合の差額は一般的な管理費より大きくなりますので、普通に管理するより利益が大きくなります。

このようにサブリース契約は本来オーナーと不動産会社の双方にメリットがある契約なのです。

2-3.サブリース契約は賃借人が付かないと成り立たなくなる

しかし、サブリース契約では賃借人が付かない場合、不動産会社は借り上げ家賃だけをオーナーに支払うことになりますので、長期間そのような状態が続くと双方にとって大きなリスクになります。

かぼちゃの馬車問題ではこのことが引き金になって会社が破産しています。会社が破産するとオーナーには家賃が入りませんので、最悪の場合、オーナーも破産することになりかねません。そうでなくても、大きく借り上げ家賃を値下げされる可能性や、サブリース契約を打ち切られる可能性があるため要注意と言えます。

2-4.サブリース契約をするのは経営戦略上必要な時

では、サブリース契約はしない方が良いのでしょうか?サブリース契約はオーナーにとって、家賃収入は少なくなりますが、空室リスクが無くなるメリットがあります。

しかし、空室リスクが大きい可能性があるからという理由でサブリース契約をすると、先に触れているように実際に空室が続いた場合、不動産会社とオーナー双方のリスクが大きくなります。サブリース契約は「空室が多くなるかもしれない」という理由でするものではない、ということが言えます。

サブリース契約はオーナーが複数の不動産投資をしている場合などに、経営を安定させるための戦略上必要性がある場合に使ったりするもので、例えば空室リスクが高い可能性があるエリアで空室リスクを軽減させるために使う、といったものではありません。

そもそもサブリース契約をしなければ賃借人が付かないほど空室リスクが高いエリアでは、マンション投資はしない方が良いでしょう。サブリース契約は、空室が多い場合にはオーナーと不動産会社の双方にリスクを伴うものだということを認識して取り組むことが大切です。

3.売却したが利益が出なかった事例

利益が出ると思ってマンションを売却したところ、結果的に手数料などでマイナスになった、という事例がありますので見てみましょう。

3-1.売却の際にも手数料や税金の支払いが発生する

マンションを購入する際に不動産取得税などの税金やそのほかの諸費用がかかるように、売却の際にも税金や諸費用がかかります。売却の際はそういった費用も試算した上で取り組まなければ、費用分マイナスということにもなりかねませんので注意が必要です。

3-2.売却をする際は出口戦略を立てることが基本

売却の際に想定外の手数料で損をしないためには、あらかじめ出口戦略をきちんと立てて売却活動をする必要があります。仲介手数料や登記にかかる費用、その他諸費用をきちんと試算してから売却することで、経費が原因でマイナスになるということを防止できるはずです。売却活動は計画的に行うようにしましょう。

3-3.価格相場や成約情報を調べておく

適正な価格帯を知らずに売却活動をすると、相場とかけ離れた価格で売りに出したり、買主から交渉されて低い価格で売却をしたりする可能性がありますので、相場の価格や成約情報を把握しておくことが大切です。大手の不動産情報サイトや不動産一括査定サイトなどを利用するなどして、必ず確認するようにしましょう。

4.中古マンションを購入して失敗した事例

中古マンションの場合、購入後すぐに修理代が発生したり、維持費が想定以上にかかったりすることがあるので注意が必要です。中古マンションを購入して失敗した事例を見てみましょう。

4-1.中古マンションを購入後すぐに空室になり赤字経営になった

入居者付きの中古マンションを購入後、すぐに空室になり、さらに空室期間が長期化して運用がうまくいかなかったという事例があります。空室時には、オーナーはローンの返済やその他の経費を自分の貯金から支払わなければいけないことがありますので、空室は資金的な面で大きなリスクになります。

空室リスクには十分注意することが大切です。例え入居者が付いているオーナーチェンジ物件であっても、賃貸ニーズがあるかどうかの見極めは怠ってはいけません。

4-2.利回りが良くても空室になれば運用はうまくいかない

中古マンションの場合、新築マンションと比較して利回りが良いことが大きなメリットになります。物件によっては利回り10%や20%という中古マンションもあり、その利回りに魅かれる方もいるでしょう。しかし、そのような物件を検討する場合は、利回りが良くても入居者がいないと赤字経営になってしまうということを認識して検討することが大切です。

4-3.周辺の類似マンションの入居率を確認する

このような空室リスクに悩まされないようにするには、周辺の家賃相場と入居率を確認して検討することが大切です。利回りが良いということは、物件価格に対して家賃が高いことを意味します。本当にその家賃で賃貸経営が成り立つのか、相場を確認して経営的な視点から厳しくチェックするようにしましょう。

4-4.入居率の高い管理会社を選ぶ

管理会社の管理の仕方によって入居率が上下する可能性もあります。投資用不動産を管理している管理会社の中には入居率が99%以上ある会社もありますので、そのあたりに着目して管理会社を選ぶことも大切です。

仮に入居率99%と入居率80%の部屋では、空室時の損害がどれくらい大きいかを試算してみましょう。どちらも家賃7万円とします。1年間、5年間、10年間の期間でどれくらい違うかを家賃に空室率をかけた期待値で試算します。

入居率99%の場合 1年間の損害額 7万円×12ヵ月×1%=8,400円
入居率80%の場合 1年間の損害額 7万円×12ヵ月×20%=16万8,000円

この試算をもとに以下の表にまとめました。

入居率 1年間 5年間 10年間
99% 8,400円 4万2,000円 8万4,000円
80% 16万8,000円 84万円 168万円

このように、空室が積み重なればとても大きな損害額になることが確認できます。特に中古マンションの場合は、物件が古くなり、だんだんと入居率が落ちることも考えられますので、入居率は厳しくチェックすることが大切です。

まとめ

マンション投資で失敗した事例をもとに、失敗しないための対応策や確認ポイントについてご紹介しました。

失敗事例の中には、不動産会社の過失や悪意が原因で発生したものもあります。しかし、マンションを購入したり、売却したりする時点でシミュレーションや相場などをきちんと確認することができれば、被害額を小さくできるものもあります。

マンション投資は必ずうまくいくということはありませんので、きちんとシミュレーションを確認し、リスクを認識した上で取り組むことが大切です。

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西宮光夏

不動産会社での勤務や、所有している不動産運用の経験をもとにHEDGE GUIDEでは不動産関連記事を執筆しています。現在は主にふるさと納税の記事を担当しています。ふるさと納税記事では、地域の人たちが心を込めて提供する返礼品の素晴らしさを、少しでも多くの人にお伝えできればと思っています。