債券投資の種類別メリット・デメリットは?初心者向け商品も

債券には様々な種類があります。例えばニュースなどでよく耳にする国債も債券の一つで、国が発行する債券です。国債には「個人向け国債」という個人投資家でも購入できる商品があります。

債券には国債のほかにも様々なものがあります。そこで、今回は債券投資の種類別メリット・デメリットと初心者向けの金融商品を紹介します。

目次

  1. 国債
    1-1.国債のメリット・デメリット
    1-2.個人向け国債は年率0.05%の最低金利保証ありa>
    1-3.
    10年物価連動国債はインフレに強い
  2. 社債
    2-1.社債のメリット・デメリット
    2-2.個人向け社債(劣後債)は高クーポンが狙える
    2-3.価格上昇が期待できる新株予約権付社債(CB)
  3. 外債
    3-1.外貨建債券(外債)のメリット・デメリット
    3-2.まずは米国債から検討
  4. まとめ

1.国債

国債には機関投資家(主に金融機関)が売買する国債(一般国債)と個人向け国債の2種類があります。一般的にニュース等で報道される国債は「10年国債」を指し、機関投資家が売買しています。個人向け国債は個人向けに発行されている国債です。

個人向けと一般国債では市場が違います。一般国債はマイナス金利で取引されている銘柄もありますが、個人向けはマイナス金利が設定されていません。そのため、個人向け国債は一般国債よりもメリットのある国債といえます。

どの国債も国が元利金を保証しているため、元本割れがなく、非常に低リスクな資産とされています。国債のメリット・デメリットについてみていきましょう。

1-1.国債のメリット・デメリット

国債のメリットは、元利金はすべて国が補償しているという点にあります。

手元に2,000万円あったとして、国債を購入した場合と銀行に預金として全額預けた場合を考えてみます。国は銀行が破綻した場合、1行あたり1,000万円までを保証し、残りの1,000万円については保証しません。これをペイオフと呼びます。

一方、国債は国が元本と利息を保証しています。そのため、購入した2,000万円については元利金が保証されます。また、証券会社や銀行、郵便局など近くの金融機関で購入できるのもメリットです。

一方、社債(企業が発行している債券)と比較すると利率(クーポン)が低めなのがデメリットです。国債はその国の社債利回りの基準となるため、償還までの期間が同じ場合、国債の金利は最も低く設定されます。また、債券全般にいえることですが、インフレに弱いのもデメリットです。

1-2.個人向け国債は年率0.05%の最低金利保証あり

一般国債に比べメリットのある個人向け国債について詳しくみてみましょう。

個人向け国債には、固定金利のものと変動金利(利息が変動する)のものがあります。固定金利のものは、満期まで3年と5年の2種類、変動金利のものは10年の1種類です。すべて1万円(額面)単位で購入することができます。なお、最低でも0.05%(税引前)の金利が保証されており元本割れはしません。(※参照:財務省「個人向け国債窓口トップページ」)ただし、換金(売却)できるのは発行後1年以上経過してからです。

一般国債の3年債や5年債の市場金利はマイナスです。しかし、個人向け国債は最低金利0.05%が保証されており、優遇金利が適用されている国債といえます。2020年9月10日時点で、5年国債利回りはマイナス0.1%前後、10年が0%程度です。しかし、個人向け国債は額面100円につき100円、金利は0.05%と、市場金利よりも良い条件で発行されています。

1-3.10年物価連動国債はインフレに強い

上記で債券はインフレに弱いと説明しましたが、10年物価連動国債はその例外で、インフレに強い国債です。クーポンや元本がインフレに連動するためです。10年後の償還時に、インフレ率が今より10%上昇していた場合(100円の物が10年後110円になった場合)、償還金額が額面100円につき110円となります。10年物価連動債は10万円単位で購入できます。

2.社債

社債は企業が発行する債券です。期間はまちまちで5年が中心ですが、2年、3年、7年、10年、20年やそれ以上のものもあります。

社債は証券会社で購入することができます。証券会社の店頭では、新発債と既発債が販売されていますが、新発債は起債時にのみ販売されます。社債にも普通社債のほか、劣後債(れつごさい)など様々なものがあります。特に最近では、利率が高い劣後債が人気です。また社債にも「個人向け」(販売単位が少額)があります。

社債のメリット・デメリットをみていきましょう。

2-1.社債のメリット・デメリット

国債と比較した場合、金利水準が高いことがメリットにあげられます。個人向け社債は銘柄によって「おまけ」がつく場合があります。個人向け社債の多くは、額面100万円単位ですが、なかには1万円や10万円から投資できる銘柄もあります。

デメリットについては、証券会社との相対取引のため、売り買いの価格が証券会社の言い値となります。償還前に売却した場合には元本割れのリスクがあるため、満期まで保有するつもりで購入しましょう。

2-2.個人向け社債(劣後債)は高いクーポンが狙える

劣後債は、発行企業が倒産した場合、債権者としての順位(債権を回収できる優先順位)が低く設定されています。そのため、クーポンは高めに設定されています。

2020年8月末に三井住友トラストホールディングス劣後14回債が発行されました。この債券は、満期までの期間は10年ですが2025年に途中償還(コール)が設定されています。これを専門用語で10NC5(テン・ノンコール・ファイブ)と言います。

当初の5年間のクーポンが0.53%、もしコールされない場合、残りの5年間の利率は5年後の5年SWAP金利+0.45%に変わります。社債市場では新発5年債の利率が0.2%前後なので2倍以上の利率が設定されています。

市場ではコールされることが前提で取引されています。つまり、この債券のリスクはコールされないことです。

2-3.価格上昇が期待できる新株予約権付社債(CB)

CBは債券と株式の複合債券です。株価が上昇すれば債券価格も上昇します。しかし、株価が下落しても債券価値がクッションの役割をするため、額面を大きく棄損することはほとんどありません。損失を抑えつつ上値が期待できる商品のため、初心者には適しています。

最近の例をみてみます。2020年8月27日に上場した大豊建設3回債の発行価格は102.50円でしたが、株価が上昇したことでCB価格も上昇し、9月11日時点で108.25円となりました。

CBは証券会社を通じて購入できますが、東京証券取引所に上場しているため証券会社の言い値での取引ではありません。

また、元債券トレーダーとしては、債券価格が110円以下の銘柄を選ぶことが望ましいと言えます。株価が思うように上昇せず、償還時にCBに設定されている転換価格を下回ってしまう場合には償還価格は額面100円となります。そのため、あまり高額の銘柄は選ばないほうが無難です。

また、CBは銘柄数が12銘柄と少ないため、選択肢が少ないことがデメリットです。

米国市場やユーロ円CBも発行されていますが、初心者の場合は東証上場銘柄を中心に投資するのが無難でしょう。CBの投資単位は額面100万円ですが、多くの銘柄の価格が額面を上回っているため、必要金額は100万円以上になります。CB価格が108.25円、額面100万円の場合は108.25円×100万円÷100=108.25万円が必要になります(手数料別)。

3.外債

外債は外国通貨建ての債券のことで、主に米国やオーストラリアなどの国債のほか、新興諸国通貨建て債券などがあります。米国債は利回りや為替水準といった必要な情報がウェブサイト等で比較的簡単に得られるほか、GDP世界一の米国に投資をすることで資産分散効果が期待できます。

3-1.外貨建債券(外債)のメリット・デメリット

外債に投資することで、ポートフォリオの分散投資効果が期待できます。

外債のリスクは、為替と金利の2つです。償還時の為替水準が、購入時と比較して円高の場合、円換算では元本割れとなります。

新興諸国の通貨建て債は、表面金利(クーポン)が高いものの、通貨のリスクが高いため、償還時の元本割れリスクが高い商品です。主なものとしては、トルコリラ、ブラジルレアル、インドルピー、南アランド等があります。高いクーポンが設定されている背景には、高いインフレ率がありますから、注意しましょう。

3-2.まずは米国債から検討

米国債は証券会社で購入することができます。投資単位は証券会社によって異なりますが、ネット証券では額面100ドル、一般的には額面1,000ドルからの会社が多い傾向にあります。満期までの期間は2年から30年まで様々です。

米国債は、流動性が高いことや、利息を外貨建MMFに移すことができるため、他の通貨と比較すると便利です。また、クーポンを使わずに貯め米国株を購入することで、より高いリターンを期待することもできます。

まとめ

ここまで、債券の種類別にメリットとデメリットをみてきました。種類ごとの特徴を理解し、経済情勢、政策など投資環境にも注意しながら投資する商品を選ぶことが大切です。

債券は、償還までの期間が長ければ長いほど、また、クーポンが低ければ低いほど、金利変動に対して価格が大きく上下するという特徴があります。世界的に金融緩和政策がとられるなか、市場は金利の上昇リスクを秘めており、現時点ではなるべく償還まで短い銘柄(できれば3年以内、長くても5年以内)を選ぶ必要があります。

なお、高クーポン銘柄であるリンク債などの仕組債には、元本割れのリスクがあります。異常に高い金利の債券には注意しましょう。

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藤井 理

藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。