アパート経営を始めるには、まずは物件探しを行う必要があります。しかし物件をどう探していいのか、物件探しをどう進めていいのか、わからない方もいるでしょう。
そこで今回のコラムでは、アパート経営の初心者の方向けに、物件探しの標準的な流れを順を追って詳しく説明します。また、その際に必要な作業の手順や注意点も紹介します。
目次
- 投資用アパートを探す流れ
1-1 中古か新築かを決める
1-2 不動産情報をチェックする
1-3 気になるアパートの資料を集める
1-4 アパートの比較検討をする
1-5 候補のアパートを見学しにいく
1-6 購入の申し込みを行う - まとめ
1 投資用アパートを探す流れ
投資用アパートを探すにはまず物件を見つけるところから始めます。物件を探すためには、通常は下記のように進めていきます。
- 中古か新築かを決める
- 不動産情報をチェックする
- 気になるアパートの資料を集める
- 比較検討をする
- 候補のアパートを見学しにいく
- 購入の申し込みを行う
ただし、「中古か新築かを決める」と、「不動産情報をチェックする」が逆になるというケースもあります。次の項目からそれぞれについて詳しく見て行きましょう。
1-1 中古か新築かを決める
投資用アパートとひと口に言っても、新築アパートと中古アパートの2つの種類があります。まずはどちらのタイプを購入するのか、決定しましょう。
それぞれのタイプについて、特徴やメリット、リスクなどを比較検討する際は下記の表を参考にしてください。
項目 | 新築アパート | 中古アパート |
---|---|---|
販売価格 | 8,000万円〜2億円以上 | 2,000万円〜1億円以上 |
表面利回り | 4〜6% | 6~12%以上 |
空室リスク | 低い | 築年数に合わせて高くなる |
資産価値下落リスク | 低い | 築年数に合わせて価値が下がる |
修繕リスク | 低い | 急な修繕が必要になることもある |
新築アパートは金融機関の融資を受けやすいため、物件価格が高く利回りが低いという特徴があります。一方で、中古アパートと比較して上記のリスクを低く抑えられる点はメリットとなります。
ただし、価格が高いということはそれだけ失敗したときの損失が大きいということに注意が必要です。特に不動産投資初心者の場合、経営について不慣れなことがある場合でも不動産会社へ任せきりにならず、疑問点がある場合には都度確認を行うことも大切なポイントです。
1-2 不動産情報をチェックする
投資用アパートについての情報を集めるときは、「不動産ポータルサイトで見つける方法」と「不動産会社に見つけてもらう方法」という2つが考えられます。それぞれについて見てみましょう。
不動産ポータルサイトで見つける手順
不動産ポータルサイトとは、不動産についての情報を掲載している「LIFUL HOME’S(ホームズ)」「suumo」「athome」といったサイトのことです。不動産ポータルサイトで投資用アパートの情報を集めるには下記のような手順で行います。
- 地域または沿線、駅名を選ぶ
- 「物件種別」で「1棟アパート」を選ぶ
- 価格帯や築年数、建物面積などの条件を選択する
- 検索ボタンを押す
- 条件が一致する物件の一覧が表示される
- 気になる物件の情報を確認する
新築物件を探すときは、「築年数」の項目で「新築」か「築1年未満」などを選んで検索します。
不動産会社に見つけてもらう手順
不動産会社に投資用アパートを見つけてもらう手順は下記のように行います。
- 不動産会社を探す
- エリアや価格帯、築年数、おおよその規模などの条件を伝えておく
- 条件に合ったアパートが紹介される
- 物件についての説明を聞く
不動産会社を探すには、前項で紹介した不動産ポータルサイトでもできますし、ネット広告や新聞の折込チラシなどでもできます。
ただし、新築アパートを探す場合は、新築アパートを手掛けている不動産会社をまずは探しましょう。不動産会社によって新築物件を取り扱っている場合と、中古物件を専門に行っている場合があるからです。
また、不動産会社へ不動産会社へ問い合わせをする際には1社だけでなく、複数の不動産会社へ同時に問い合わせ、それぞれから紹介される物件や対応内容なども比較してみましょう。
【関連記事】アパート経営に強い不動産投資会社一覧
1-3 気になるアパートの資料を集める
投資用アパートの情報を集めている最中で気になる物件を見つけた場合は、取り扱っている不動産会社に資料を提供してもらいます。
通常は物件についての資料が用意されており、主に下記のものを見せてもらうことができます。
物件資料
販売価格や所在地、利回り、構造、建物面積、築年数などの物件についての情報がまとめられている資料です。物件概要と呼ばれることもあります。
レントロール
家賃明細表とも言われますが、家賃や共益費、入居状況など各部屋の賃貸借に関する情報が記されています。
間取り図
物件がどのような間取りになっているかわかる図です。物件資料と一体になっていることもあります。
物件写真
外観だけではなく居室内や共用部分などの写真です。こちらも物件資料と一体になっていることもあります。
固定資産評価証明書
アパートにかかる固定資産税の評価額が記されています。これを見ることで、一年間の固定資産税および都市計画税の納入金額がわかります。
不動産登録事項証明書
土地や建物などの不動産に関して登記されている内容をはじめ、取得や売却などに関わる情報も記載されています。通常はコピーを渡されます。
修繕履歴表
中古アパートの場合、どのような修繕を行ったかわかるとその後の見通しが立ちやすくなります。そのため過去に行った修繕工事をまとめている資料を提供してもらいます。用意していない売主がいる場合は、これまでにどのような修繕工事を行ったのか、不動産会社に聞いてもらうといいでしょう。
事業計画書
アパート経営に関する取得後の事業計画についてまとめてあり、金融機関から融資を得る際に提出する書類になります。不動産会社が用意しています。
不動産会社によって異なりますが、通常は資料を請求すると物件資料が届きます。そこからさらに詳しくその物件について知りたい場合に、それ以外の資料を請求するという流れになります。
1-4 アパートの比較検討をする
エリアが限られている場合では難しいケースもありますが、できれば複数のアパートを比較して検討しましょう。その際の注意点は、利回りだけで選ばないことです。下記のポイントを確認しながら、比較しましょう。
- エリア
- 周辺環境
- 価格
- 利回り
- 築年数
- 間取り
- 入居率
- 設備・仕様
- 修繕状況(中古物件の場合)
比較検討をして候補を絞り込み、物件の下見に備えます。
1-5 候補のアパートを見学しにいく
物件の資料を比較検討して、より情報が欲しい場合は実際にアパートを見学させてもらうことができます。物件を見学する際は、下記のことが注意点となります。
- 交通アクセス
- 商業施設などの周辺環境
- 敷地境界線
- 最寄り駅までの道路
- アパートの外観
- 玄関や郵便受け、エレベーターなどの状態
- 物件内の掃除状況
- 居室内の状況
最寄り駅からの道路や周辺環境、外観の状態などは入居率に関わりますので、問題がないかよくチェックしましょう。満室になっている場合は、居室内の見学はできないことがあります。その場合は多めに写真を見せてもらうようにしましょう。
1-6 購入の申し込みを行う
物件探しの締めくくりは購入するアパートを決めて、購入を申し込むことです。新築アパートは販売会社、中古物件は売主に対して行いますので、様式が異なります。
物件 | 提出する書類 | 提出する相手 |
---|---|---|
新築物件 | 不動産購入申込書 | 新築アパートの販売会社 |
中古物件 | 買付証明書 | 売主 |
中古物件の場合、買付証明書に希望の価格を記入して提出します。このときに、売主の想定外の価格で買付証明書を提出すると、交渉が決裂してしまうこともありますので買い付け価格の設定には注意しましょう。
購入の申し込みを行った後は、販売元の回答を待ってローン審査の申し込みなどに進んでいきます。
まとめ
アパート経営は物件を探すところから始まります。まずはアパート経営を行う目的や投資規模を想定し、適したアパートを探し始めるような流れを意識しておくと希望に合った物件をスムーズに探しやすくなります。
また、不動産会社へ問い合わせをする際には1社だけでなく、複数の不動産会社へ同時に問い合わせ、それぞれから紹介される物件や対応内容なども比較してみましょう。
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倉岡 明広
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