アパートローンの金利相場は?金融機関・属性・物件などアパートローンの実例も

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不動産投資のためにアパートやマンションを購入する際、アパートローン(不動産投資ローン)の利用を検討している方が多いでしょう。

しかし、不動産投資に利用できる金利は、金利の種類、個人の属性、物件によって異なるほか、各金融機関によっても違うので、利用を検討する際は相場を把握しておくことが大切です。

そこでこの記事では、アパートローンの金利と相場について詳しく解説します。また、利用者の属性や物件の視点から、アパートローンの金利相場の実例についても紹介していきます。アパートローンの金利相場について詳しく知りたいという方は、参考にしてみてください。

目次

  1. アパートローンの金利とは
    1-1.変動金利型
    1-2.固定金利型
    1-3.固定金利特約型
    1-4.アパートローンの金利の決まり方
  2. アパートローンの金利相場は?
    2-1.都市銀行の金利
    2-2.日本政策金融公庫の金利
    2-3.信用金庫・信用組合の金利
    2-4.地方銀行の金利
    2-5.ノンバンク
  3. 具体的なアパートローン金利の事例
    3-1.地方銀行Aのアパートローン金利の事例(東京)
    3-2.地方銀行Bのアパートローン金利の事例(大阪府)
    3-3.地方銀行Cのアパートローン金利の事例(福岡県)
    3-4.地方銀行Dのアパートローン金利の事例(福岡県)
    3-5.E銀行のアパートローン金利の事例①(千葉県)
    3-6.E銀行のアパートローン金利の事例②(名古屋市)
    3-7.E銀行のアパートローン金利の事例③(名古屋市)
  4. まとめ

1.アパートローンの金利とは

アパートローンの金利とは、融資を受けた人の借入額に対して発生する利息の割合をいいます。金融機関で提供される不動産投資ローンやアパートローンは、借入額に対して発生する利息を得ることで利益を出すという仕組みになっています。そのため、金融機関のアパートローンを利用する場合、借入額には金利が付されます。

アパートローンの金利は、変動金利型と固定金利型の2種類に大きく分けられます。また、固定金利特約の金利形態を設けている金融機関もあります。それぞれどのような金利なのかを詳しく見ていきます。

1-1.変動金利型

変動金利型とは、経済の状況によって金利の利率が変わるタイプです。変動金利型の利率は、金融機関の短期プライムレートを基準に変動します。短期プライムレートとは、金融機関が優良企業に対して融資する際の1年以内の最優遇金利のことです。

変動金利型の利率は固定金利型と比較して低く設定されます。市場の金利が上昇しなければ、低金利の恩恵を受けられるのが特徴です。

一方、市場の金利が上昇した場合、固定金利よりも利率が高くなります。利率が常に変動するため、将来的な返済計画を立てにくい側面もあります。

1-2.固定金利型

固定金利型とは、決められた期間内は金利の利率が一定になるタイプです。市場の金利が上昇した場合でも、ローン金利の利率は変わらない点がメリットで、総返済額を計算しやすいのも特徴です。

一方、市場の金利が下落した場合でもローン金利の利率は変化しない点がデメリットになります。

1-3.固定金利特約型

固定金利特約型とは、変動金利型でありながら、一定期間はローン金利の利率が固定されるタイプです。アパートローンの固定金利特約型では、ローン金利の利率の固定期間を選択できるようになっています。

固定金利期間中は、変動金利型に変更できません。固定金利期間が終了した場合、変動金利型に移行します。しかし、アパートローンを取り扱う金融機関によっては、再度固定金利を選択できるケースがあります。

1-4.アパートローンの金利の決まり方

アパートローンの金利には、店頭金利と適用金利があります。店頭金利とは、アパートローンを取り扱う金融機関が設定している元の金利のことです。一方、適用金利とは、融資を受けるときに実際に適用される金利をいいます。

アパートローンを利用する場合、利用者の属性、購入する収益物件の内容や額によって優遇金利の対象になります。店頭金利から優遇金利分を差し引いた利率が適用されるので、適用金利のほうが店頭金利よりも低くなります。

これに対して、優遇金利の対象外の場合、店頭金利の利率がそのまま適用されます。この場合、店頭金利と適用金利は同じ利率になります。

なお、アパートローンの金利は年単位で設定されており、アパートローンの年利から発生する1年間の利息の計算方法も定められています。

1年間に発生する利息を計算する場合、まず年利を12で除して月利を出し、前月末のローン残高に月利を乗じて毎月の利息額を算出します。そして、各月の利息額を合計すると、1年間に発生する利息を算出することができます。

2.アパートローンの金利相場は?

アパートローンの金利相場は、取り扱う金融機関によって異なります。そこで、アパートローンの金利相場を金融機関ごとに見ていきます(いずれも2020年12月22日時点の金利です)。

2-1.都市銀行の金利

都市銀行のアパートローンは、申込方法によって適用される金利の利率が異なります。店頭で申込をする場合、金利の利率は年2%台となるのが通常です。

ここから利用者の条件に合わせて優遇金利が適用される場合もあるので、都市銀行のアパートローンの金利相場は、年1%~が目安になります。

2-2.日本政策金融公庫の金利

政策金融公庫のアパートローンの金利相場は、年1.2~2%程度になります。都市銀行のアパートローンの金利相場と比較すると若干高めになりますが、それでも他の金融感と比較して低金利の部類に入ると言えるでしょう。

政策金融公庫のアパートローンの金利は固定のみです。返済期間中の金利は、年1.2〜2%の利率が継続して適用されます。そのため、経済状況によっては、都市銀行よりも金利の利率が低くなるケースもあります。

2-3.信用金庫・信用組合の金利

信用金庫・信用組合のアパートローンの金利相場は、年2%台です。金融機関の中には、年2%台の金利で提供しているところもあります。そのため、信用金庫、信用組合のアパートローンの金利相場は、平均的な水準となります。

2-4.地方銀行の金利

地方銀行のアパートローンの金利相場は、年1.5~4.5%程度で、他の金融機関よりも金利の利率幅が広くなっています。

不動産投資に積極的な地方銀行の場合、アパートローンの金利相場も低い傾向があり、年2%台の銀行も複数あります。

このようにアパートローンの金利相場に関して、都市銀行と同程度のケースもあれば、年3~4%台の地方銀行もあります。

2-5.ノンバンクの金利

ノンバンクのアパートローンの金利相場は、年3~4%台で他の金融機関よりも高くなっています。例えば、不動産投資でよく利用されるセゾンファンデックスのアパートローンの場合、金利の利率は年3.6%からです。

ただ、ノンバンクによっては、地方銀行や信用金庫・信用組合と同じ水準の金利でアパートローンを利用できる場合もあります。

3.具体的なアパートローン金利の事例

ここまで、アパートローンを取り扱う各金融機関にはそれぞれ設定されている金利相場があることについて解説してきました。

しかし、アパートローンで適用される金利の利率は、借入者の属性、購入する収益物件の内容や額などによって大きく左右されるため、実際に融資を受ける際の金利や諸条件について正確に把握するのは非常に困難です。

そこでここからは、アパート経営会社「アイケンジャパン」から、実際の金融機関における金利相場の実例を7つご紹介します。事例の中から自身の状況に近いケースを参照し、アパートローン融資を受ける際の参考としてみてください。

アイケンジャパンとは

株式会社アイケンジャパンアイケンジャパンは、「堅実なアパート経営」をコンセプトに掲げる不動産投資会社で、2006年の創立から1000棟以上の開発・引渡し実績があります。対象エリアを主要駅10分圏内(首都圏は15分圏内)、入居者のターゲットは物件選びの目線が厳しい社会人女性に絞って、防音性・防犯性・デザイン性・コストパフォーマンスなどを追求し、入居率99.3%(2023年年間実績)を実現しています。提案時の設定家賃に対しても、10年以上経っても98.6%(2023年6月末時点)の高い収益率を達成できています。

家賃滞納保証や管理代行サポートなども利用できるため、初心者の方でもアパート経営に取り組むことができます。アイケンジャパンでは資料請求により同社のアパート経営ノウハウが詰まった詳細資料とアパート経営に関する書籍を無料プレゼントしてもらえます。

3-1.地方銀行Aのアパートローン金利の事例(東京)

東京都のアパート2棟(1億2,299万円)の融資実績として、借入額は1億800万円、年1.5%の金利でのアパートローンの借入事例があります。

地方銀行Aのアパートローンの金利相場は、店頭申込の場合、年2%台です。しかし、自己資金比率が16%であることと、自宅を共同担保に入れることで、年1.5%の金利を条件に借入することが可能となったケースです。

3-2.地方銀行Bのアパートローン金利の事例(大阪府)

大阪府のアパート(9,434万円)の融資実績として、8,240万円年1.2%の金利でのアパートローンの借入事例です。

融資を受けた方は勤続年数が長く、借入時点で二棟の区分建物を保有している不動産投資の経験者です。勤続年数の長さ、保有金融資産の額、不動産投資の経験者である点などが考慮され、年1.2%の条件で融資を受けることができたケースです。

3-3.地方銀行Cのアパートローン金利の事例(福岡県)

福岡市のアパート(1億1,147万円)で、アパートローンの借入額は1億500万円、年1.8%の金利でのアパートローンの借入を実現しています。直近1年間の年収が950万円で専門的な職業であることから、融資審査で高い評価を受けることができたケースです。

こちらのケースでは、自己資金比率10%(5%+諸経費)、信用保証付きの条件で融資の審査が下りています。

3-4.地方銀行Dのアパートローン金利の事例(福岡県)

こちらの収益物件は、福岡市のアパート(9,414万円)で、地方銀行Dのアパートローンを7,900万円、年1.5%の金利で借入をしているケースです

借主は直近1年間の年収は500万円未満という属性で、自営業である点や営業歴が3年と短めである点が属性面で不利になると考えられました。

しかし、すでに不動産を所有していることや、自己資金を20%弱用意できることなどが評価され、融資審査を通過できたと考えられます。

このように、年収や勤務先の属性評価が低い場合でも、自己資金率や不動産賃貸業の実績によって高評価が得られるケースは少なくありません。

3-5.E銀行のアパートローン金利の事例①(千葉県)

千葉県のアパート(7,091万円)に対して借入額7,000万円、年2.5%の金利でアパートローンの借入をしている事例もあります。フルローンに近い形ですが、借主の属性として直近1年間の年収は920万円と高収入であった点が評価されたと推測できます。

自己資金の額が少し不足している場合でも、年収や勤務先の信用性で評価が得られた事例と言えるでしょう。

3-6.E銀行のアパートローン金利の事例②(名古屋市)

同じくE銀行のケースで、名古屋市のアパート(6,898万円)では、借入額は6,750万円、年2.5%の金利でのアパートローンの借入事例があります。融資審査における借主の属性として、住宅ローンの借入がある点がややネックであるケースとなります。

E銀行では年収の10~12倍程度の融資実績がありますが、借入額の存在と、提供できる自己資金割合の低さが融資の審査でネックになると考えられました。

このケースでは勤務先の企業が高く評価され、融資の審査に通過することができています。このように、勤務先の信頼性や勤続年数などの属性を高めることで、金融機関から高い評価を得られるケースは少なくありません。

3-7.E銀行のアパートローン金利の事例③(名古屋市)

名古屋市のアパート(8,987万円)で、E銀行のアパートローンの借入額は8,000万円となります。ただし、こちらのケースでは自己資金率によって金利1.8%か、金利2.3%という条件を提示されました。

こちらのケースでは自己資金を投入し、金利1.8%で購入されています。この事例のように、自己資金率を高めることで金利交渉をスムーズに進められるケースがあります。

まとめ

借入の際に適用される金利の利率は、借入者の属性や購入する収益物件の内容や額によっても変化します。

この記事の実例でも紹介した通り、年収、職種、勤務先、保有資産額、不動産投資経験の有無、自己資金の割合などが高く評価されると店頭金利より低い利率での借入も可能となります。

不動産投資をする際、アパートローンの金利は、事業の収益性や返済総額に大きな影響を与えます。そのため、アパートローンを活用する際は、このような金利相場を把握した上で適切に判断することが大切です。

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依田泰典

依田泰典

不動産投資家。情報経営イノベーション専門職大学客員教授。公認不動産コンサルティングマスター。宅地建物取引士(宅建マイスター)。
ソニーにて、ITソリューション関連の法人営業や企画・マーケティングに従事(MVP受賞)。株式(信用取引)等幅広く金融商品を運用。リーマン・ショックを経験後、不動産投資を徹底研究。日本銀行のマイナス金利政策を勝機とし数億円の融資を獲得。分譲マンション(1Kから3LDK)を20戸以上購入。ソニー退職後、不動産会社(ベンチャー企業・東証上場企業)にて、収益用不動産(1棟物件)の売買、事業開発、広報・広告宣伝に従事。現在は、ベンチャー企業を創業。東証上場グループ企業等の社外取締役、顧問、アドバイザーとして活動。不動産テック等スタートアップ30社に出資。貸金業務取扱主任者、ビル経営管理士、賃貸不動産経営管理士、社会保険労務士、行政書士等の資格を保有。趣味は、マンガアプリ(電子書籍)とYouTube。街の散策と食べ歩き。合気道(有段者)。アイドルファン(乃木坂46齋藤飛鳥)。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」