東北地方の南西部に位置する山形県は全国で9番目に広い面積を持ち、2023年5月1日時点の人口は1,030,665人、世帯数は401,404世帯となっています。
山形県では物件の売買成約数に対して在庫件数の割合が多く、エリアによっては売却に苦戦してしまうケースも少なくありません。売却価格と売却にかかる期間のバランスを取った、適切な売出価格の設定が重要となるでしょう。
今回は、山形県で不動産を売却する際に活用できる不動産一括査定サイト4社を比較しながら紹介していきます。不動産市場の傾向や売却時の注意点なども解説していきます。
目次
- 山形の不動産売却で活用できる不動産一括査定サイト
1-1.SUUMO不動産売却
1-2.LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス
1-3.HOME4U
1-4.RE-Guide - 山形の不動産売却の傾向
2-1.山形の中古マンション売買の傾向
2-2.山形の中古一戸建て売買の傾向 - 山形で不動産売却をする際の注意点
3-1.在庫物件数が多く、供給過多になっている可能性がある
3-2.売却できない理由は築古物件だからという訳ではない - 山形で不動産を売却するときの手順
- まとめ
1 山形の不動産売却で活用できる不動産一括査定サイト
不動産を売却する際に複数の不動産会社に査定をしてもらうことで、「物件価格の相場が分かりやすくなる」「不動産会社を選ぶ際の参考になる」などのメリットがあります。そこで便利なのが、一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できる不動産一括査定サイトです。
下記の表は山形の不動産を売却する際に活用できる代表的な4つの不動産一括査定サイトについて、2023年6月時点の情報をもとに比較したものです。
サイト名 | 参加企業数 | 同時依頼可能数 | 運営会社 |
---|---|---|---|
SUUMO不動産売却 | 約2,000店舗 | 10社 | 株式会社リクルート |
LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス | 3,945社 | 6社 | 株式会社LIFULL |
HOME4U | 2,100社 | 6社 | 株式会社NTTデータ・スマートソーシング |
RE-Guide | 900社以上 | 10社 | 株式会社ウェイブダッシュ |
次の項目から、それぞれのサイトについて特徴を解説していきます。
1-1 SUUMO不動産売却
SUUMO不動産売却の主な特徴は下記になります。
- 株式会社リクルートが運営する不動産ポータルサイトSUUMOのサービスの一つ
- 提携数は約2,000店舗
- 同時に依頼できる不動産会社の数は最大10社
SUUMO不動産売却は、株式会社リクルートが運営する不動産ポータルサイトSUUMO(スーモ)が提供している不動産一括査定サービスです。提携数は、大手不動産会社から地元で展開している中小不動産会社の約2,000店舗となっています。
査定は「マンション」「一戸建て」「土地」の3つの種別に対応しており、「簡易査定」と「訪問査定」のどちらかを選べるようになっているため、「簡易査定は必要ない」と考えている方は時間の短縮にもなります。同時に依頼できる不動産会社の数は最大10社で、情報を入力した後に依頼できる不動産会社が表示される仕組みになっています。
1-2 LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービスの主な特徴は下記になります。
- 株式会社LIFULLが提供する不動産ポータルサイトLIFULL HOME’Sのサービスの一つ
- 2023年6月時点で3,945社が参加
- サービスを利用した方は2022年1月時点で838万人
- 不動産会社の情報が見やすいサイトデザイン
2023年6月時点で3,945社が参加しており、多くの不動産会社の情報が掲載されているのが特徴です。また、これまでサービスを利用した方は2022年1月時点で838万人となっており、豊富な実績を積み重ねています。
不動産会社の情報が細かく掲載されており、不動産会社が選びやすい画面デザインも特徴です。「ひとことアドバイス」や「ココが強み」というコーナーのほか、取り扱いプランもわかるトピックなど不動産会社の特色がわかりやすくなっています。
1-3 HOME4U
HOME4Uの主な特徴は下記になっています。
- NTTデータグループの株式会社NTTデータ・スマートソーシングが運営
- 累計売却査定数は2022年11月時点で50万件
- 2,100社の優良企業を掲載
- 情報の入力はチャット形式でできる
2001年に日本で初めてサービスを開始した不動産一括査定サイトです。運営しているのは、情報サービス業界最大手NTTデータグループの株式会社NTTデータ・スマートソーシングです。
大手不動産会社から地域に精通した中小不動産会社まで2,100社の優良企業が掲載されており、最大6社まで同時に査定を依頼することができます。情報の入力はチャット形式で行われるため、質問に回答していくことで簡単に入力が完了します。
1-4 RE-Guide
リガイド(RE-Guide)の主な特徴は下記になっています。
- 大手不動産会社から中小不動産会社の900社以上が参加
- 同時に査定を依頼できるのは最大10社
- 独自の審査で掲載企業を厳選
- 日々、プロの目でサービスをチェック
2006年に「SBI不動産ガイド」としてスタートした不動産一括査定サイトRE-Guideは、独自審査によって掲載企業を厳選しているのが特徴です。現在は大手不動産会社から中小不動産会社の900社以上が参加しています。同時に査定を依頼できるのは最大10社となっており、Yahoo!やFacebookのユーザー情報を自動入力することが可能です。
2 山形の不動産売却の傾向
不動産を売却する際、スケジュールにある程度の余裕があれば、不動産事情がどういう状況なのかについても確認されておくことも大切です。山形ではどのような不動産が取引されているのか、その傾向を見ていきましょう。
2-1 山形の中古マンション売買の傾向
山形県での中古マンション売買の傾向を確認するために、東日本レインズ(公益社団法人東日本不動産流通機構)が公表している市況レポートを紹介します。下記の表は、「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」から、2022年の月別の成約動向を抜粋したものです。
年月 | 成約件数(前年同月比) | 成約価格(前年同月比) |
---|---|---|
2022年1月 | 4件(33.3%) | 1,767万円(12.5%) |
2022年2月 | 8件(14.3%) | 1,321万円(−12.5%) |
2022年3月 | 2件(−50.0%) | 1,245万円(−12.3%) |
2022年4月 | 3件(0.0%) | 1,857万円(−13.8%) |
2022年5月 | 6件(50.0%) | 1,915万円(26.8%) |
2022年6月 | 5件(150.0%) | 1,640万円(9.4%) |
2022年7月 | 3件(−40.0%) | 1,855万円(70.5%) |
2022年8月 | 2件(100.0%) | 950万円(54.7%) |
2022年9月 | 2件(−71.4%) | 3,808万円(−15.6%) |
2022年10月 | 1件(−75.0%) | ―(―) |
2022年11月 | 4件(33.3%) | 2,420万円(38.8%) |
2022年12月 | 1件(―) | ―(―) |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
2022年の山形県の中古マンションは、950万円から3,808万円の間で成約価格が値動きしています。成約件数は毎月一桁台で、中古マンション市場は活発とは言いにくい状況にあります。
成約件数が毎月一桁台なのは、山形県以外に青森県、秋田県、山梨県、福井県、鳥取県、徳島県です。ただし、9月の平均成約価格が3,808万円となっており、物件によっては高値での売買が行われていることも伺えます。
2-2 山形の中古一戸建て売買の傾向
次は中古一戸建ての売買について見ていきましょう。同じく、東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」から、山形県の中古一戸建ての成約件数と成約価格の平均値を抜粋したのが下記の表です。
年月 | 成約件数(前年同月比) | 成約価格(前年同月比) |
---|---|---|
2022年1月 | 17件(0.0%) | 1,243万円(−1.0%) |
2022年2月 | 16件(−27.3%) | 1,199万円(−11.0%) |
2022年3月 | 17件(0.0%) | 1,166万円(−26.8%) |
2022年4月 | 13件(8.3%) | 1,278万円(5.8%) |
2022年5月 | 15件(15.4%) | 1,342万円(0.9%) |
2022年6月 | 25件(38.9%) | 1,322万円(−8.9%) |
2022年7月 | 22件(22.2%) | 1,468万円(−6.9%) |
2022年8月 | 23件(76.9%) | 1,118万円(−37.2%) |
2022年9月 | 16件(−33.3%) | 1,708万円(68.1%) |
2022年10月 | 24件(20.0%) | 1,589万円(23.7%) |
2022年11月 | 20件(33.3%) | 1,532万円(35.3%) |
2022年12月 | 13件(−7.1%) | 1,051万円(−46.4%) |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
中古一戸建ては1,051万円から1,708万円までの値動きとなっており、中古マンションに比べると価格の変動は小さくなっています。成約件数が前年同月比マイナスになっている月は2月、9月、12月の3月のみで、成約件数は前年よりも増加傾向にあります。
3 山形で不動産売却をする際の注意点
山形県での不動産売却の傾向について把握できたところで、売却する際の注意点を紹介していきます。
3-1 在庫物件数が多く、供給過多になっている可能性がある
2022年における山形県での中古マンション市場は、1年間の成約件数が41件です。これに対して、在庫件数は下記のようになっています。
年月 | 成約件数 | 在庫件数(前年同月比) |
---|---|---|
2022年1月 | 4件 | 57件(−6.6%) |
2022年2月 | 8件 | 49件(−14.0%) |
2022年3月 | 2件 | 51件(−1.9%) |
2022年4月 | 3件 | 44件(−24.1%) |
2022年5月 | 6件 | 41件(−25.5%) |
2022年6月 | 5件 | 37件(−27.5%) |
2022年7月 | 3件 | 44件(−17.0%) |
2022年8月 | 2件 | 40件(−29.8%) |
2022年9月 | 2件 | 43件(−4.4%) |
2022年10月 | 1件 | 43件(−14.0) |
2022年11月 | 4件 | 44件(−21.4%) |
2022年12月 | 1件 | 49件(−18.3) |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
山形県における中古マンションの成約件数は月平均3.4件となっている一方、在庫物件は月平均45.2件となっています。成約件数に対して在庫件数が多く、物件が供給過多になっている可能性があります。
ただし、在庫物件数の前年同月比はすべての月でマイナスとなっており、在庫件数が減っていることも伺えます。
3-2 売却できない理由は築古物件だからという訳ではない
下記の表は、山形県における中古一戸建ての成約物件と在庫物件の平均築年数を、「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」から抜粋したものです。
年月 | 成約物件の平均築年数 | 在庫物件の平均築年数 |
---|---|---|
2022年1月 | 31.99年 | 34.03年 |
2022年2月 | 34.27年 | 33.40年 |
2022年3月 | 36.84年 | 32.33年 |
2022年4月 | 25.66年 | 31.65年 |
2022年5月 | 29.88年 | 32.39年 |
2022年6月 | 31.88年 | 33.05年 |
2022年7月 | 35.25年 | 33.55年 |
2022年8月 | 34.58年 | 33.52年 |
2022年9月 | 34.49年 | 34.57年 |
2022年10月 | 28.44年 | 34.31年 |
2022年11月 | 32.45年 | 34.97年 |
2022年12月 | 35.66年 | 35.57年 |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
通常、中古物件は築年数が経過しているほど売却が難しくなります。これは年数が経過することで建物の劣化によるニーズの減少、修全の必要性、ローン利用の難しさなど、様々な要因があります。
一方で山形県では在庫物件よりも成約物件の方が平均築年数が浅いという月もあります。12月分のうち半分近く5月分あり、売却が難しい理由として築年数がそこまで重要視されていない、ということも言えるでしょう。
しかしながら、成約数の件数の少なさ(1~6件)を勘案すると1~2件の成約によって全体のバランスが大きく崩れているという見方もできます。いずれにせよ、このような状況下では物件の強みを前面に押し出して売却活動を行うことが必要です。前述した不動産一括査定サイトなどを活用し、不動産会社を慎重に選ぶようにしましょう。
4 山形で不動産を売却するときの手順
不動産を売却するには、不動産会社に査定を依頼し、仲介契約を締結してから売却活動を始める流れになります。下記が代表的な手順です。
- 査定してもらう不動産会社を選ぶ
- 机上査定をしてもらい、結果を精査する
- 訪問査定をしてもらう不動産会社を選ぶ
- 訪問査定をしてもらう
- 提出された査定価格を検討する
- 売却活動をしてもらう不動産会社を選択する
- 不動産会社と媒介契約の締結をする
- 不動産会社が売却活動を開始する
売却活動が開始され、買主が現れると売買契約を結んで、引き渡す流れになります。
不動産会社を探す場合は、前述した不動産一括査定サイトを利用するなどして、効率的に不動産会社を比較されると良いでしょう。一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼することができるので、査定価格や不動産会社の対応力をしっかり調査する際に便利に活用することができます。
不動産会社を選ぶ際は下記の点がポイントになります。
- 物件のあるエリアに精通している
- スピーディーな対応をしている
- 売却する物件タイプを得意としている
- 豊富な実績がある
- 親身になって相談に乗ってくれる
- 知識に基づいたアドバイスをしてくれる、など
また宅地建物取引業免許を確認したり、行政処分歴がないかチェックすることで、より信頼のおける不動産会社を選ぶことができます。
まとめ
山形県での不動産売却で活用できる代表的な4つの不動産一括査定サイトを紹介しました。山形県では売出物件の在庫件数が多く、なかなか成約に至らずに売却期間が長期化してしまう可能性があります。
不動産を売却する際は不安や戸惑いがつきものですが、実績が豊富な不動産会社をパートナーにすることで不安は軽減されます。適切な売却活動をしてくれる不動産会社を選ぶことが重要となるため、複数の不動産会社を比較し、売却戦略を練っていきましょう。
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倉岡 明広
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