アパート経営をはじめとした不動産投資は、管理会社の選定が重要なポイントとなります。管理会社のクオリティによって空室時の入居付けスピードや、入居後の契約期間に大きな影響を与えるためです。
アパート経営で管理会社選びに失敗すると収益の低下につながる恐れがあるため、物件選びと同様、管理会社選びも慎重に検討することが大切です。
そこで本記事では、アパート経営をしている人やこれから経営しようとしている人に向けて、管理会社の選び方を解説していきます。管理会社を選ぶ際の参考にしてください。
目次
- アパート経営における管理業務とは?
- アパート経営時に管理会社を選ぶ6つのチェックポイント
2-1.複数の管理会社へヒアリング
2-2.管理実績が豊富かどうか
2-3.担当者の対応
2-4.管理体制
2-5.集客方法
2-6.契約形態 - まとめ
1.アパート経営における管理業務とは?
アパート経営における管理業務は以下の通りです。
- 入居者の募集業務
- 賃貸借契約の手続き
- 家賃回収
- トラブル対応
- 退去時の立ち会い
- 建物の保守管理
管理会社を選ぶ上で、管理会社が行う業務を知り、その内容を比較することが重要となります。以下よりそれぞれの業務について解説します。
入居者の募集業務
アパートの入居者を募集するのも管理業務です。ネット広告などで賃借人を募集して、内見を案内する流れが多いでしょう。物件説明や保証会社の案内など、賃貸借契約に関する説明も管理業務に含まれます。
賃貸借契約の手続き
重要事項の説明をした後に賃貸借契約を結び、鍵の引渡しに関する案内をします。重要事項とは、退去時に発生する費用や入居時のルールなどです。
家賃回収とトラブル対応
管理会社は引き落とし口座を案内したり、入金確認したりという業務も行います。仮に家賃の引き落としができなければ催促したり、クレーム処理をしたりなどのトラブル対応もあります。
退去時の立ち会い
退去時には傷や汚れの立ち合いを入居者と一緒に行います。室内に傷や汚れがあれば原状回復(≒修繕工事)が必要になるため、立ち合いをしてオーナーと賃借人のどちらが費用負担するか決めます。
建物の保守管理
建物の保守管理とは、主に清掃と設備点検のことです。アパートの共用部を清掃したり、設備に異常がないか確認したりする業務です。
2.アパート経営時に管理会社を選ぶ6つのポイント
前項で解説した管理業務の内容を踏まえた上で、次にアパート経営時に管理会社を選ぶポイントについて解説します。
2-1.複数の管理会社へヒアリング
管理会社を選ぶ1つ目のポイントは、特徴の異なる複数の管理会社へヒアリングすることです。例えば、多くの店舗を展開している管理会社は「入居者募集」に強い傾向があり、24時間の問い合わせ対応をしている会社は「トラブル対応」に強いと言えます。
このように、管理会社ごとに特徴が異なるため、自分が経営するアパートと相性の良い管理会社を探すことが大切です。管理会社選定の際はそれぞれの特徴を比較しながら、相性の良い管理会社を探す手順で進めてみましょう。
2-2.管理実績が豊富かどうか
管理会社を選ぶ2つ目のポイントは、管理実績の豊富さです。管理実績が豊富なほどノウハウが蓄積されていることが伺え、入居者のクレーム対応や退去時の修繕手配などもスムーズに行ってくれる可能性が高まります。
ただし、管理実績が豊富だからという理由だけでなく、前項のように自分が経営しているアパートとの相性も重要です。
例えば、実績が豊富なA社と、実績はA社に劣るB社が候補に挙がったとします。実績だけで比較するとA社が良いものの、B社は24時間の電話受付に対応しているため、トラブルにもスムーズに対応できることが期待できます。
トラブル対応を重視した場合は、B社の方が相性は良いとも言えます。このように実績の豊富さは確認しつつも、それぞれの比較項目を総合的に判断することが大切です。
2-3.担当者の対応
管理会社を選ぶ3つ目のポイントは、担当者の対応を確認することです。管理会社に問い合わせたときに返答が遅かったり、返答が丁寧ではなかったりする場合は、その管理会社は避けておくことも検討してみましょう。
オーナーへの対応が悪い管理会社は入居者対応のクオリティも低い可能性があります。管理会社の対応力は入居率の低下につながるポイントでもあるため、チェックしておきましょう。
2-4.管理体制
管理会社を選ぶ4つ目のポイントは管理体制です。管理体制を調べるためには、以下を管理会社にヒアリングしておくと良いでしょう。
- 管理業務の報告頻度と方法
- 入居者からの対応を受け付ける時間帯
- 清掃や建物保守管理の内容や頻度
上記の管理体制は管理会社によって異なるため、複数社にヒアリングして比較しておきます。特に清掃や建物保守管理の内容や頻度は、会社によって大きく異なる項目です。
定期的に機械を使って清掃する会社や、植木の剪定なども業務内容に含まれている会社もあります。このような細かい点も含め、複数社を比較することが重要です。
2-5.集客方法
管理会社を選ぶ5つ目のチェックポイントは、入居検討者の集客方法です。アパートの入居者を集客する方法は様々ですが、多くの場合ネットでの集客がメインとなっています。ネット集客では、ポータルサイトへ物件を登録して、そのサイト経由で入居検討者を集客します。
管理会社のネット集客は広告費が発生しているため、管理会社ごとにネット広告できる枠や期間が異なる可能性があります。その会社が管理している物件が、どのポータルサイトに登録されているかをヒアリングしたり、その会社が運営している自社サイトをチェックしたりしましょう。
ただし、地方のアパート経営をしており、賃借人が地元の人ばかりという物件の場合は、ネット集客ではなく、特定地域に強い管理会社も検討してみましょう。
地域に強い不動産会社では、他の物件で退去者が出た際に入居先として紹介してくれたり、安く修繕してくれるリフォーム業者の紹介ができたりなど、特定地域に特化していることによるメリットを受けられる可能性があります。
2-6.契約形態
管理会社を選ぶ6つ目のポイントは契約形態の確認です。管理会社との契約形態は様々ですが、管理費のパーセンテージや、滞納保証・家賃保証の有無についてが主なポイントとなります。
また、一括借り上げの空室保証を行う「サブリース契約」については注意が必要です。このタイプのサブリースは、アパート一棟を管理会社に借り上げてもらい、管理会社から賃料をもらう仕組みで、入居者がいなくても管理会社から賃料を得られるメリットがあります。
しかし、多くのサブリースは「管理会社が支払う一括借り上げの賃料について改定できる」という契約内容になっており、過去にはこの内容をオーナー側が把握・理解できていなかったことが、様々なトラブルの要因となりました。
このような過去のトラブルがあった背景から、サブリース契約時の広告・営業方法について規制を加えた「サブリース新法」へと法改正されるなどの対策が取られています。サブリース契約を締結する際は、契約内容をよく確認した上で契約することが重要です。
【関連記事】サブリース新法、従来のサブリース契約との違いは?注意点や今後の影響も
まとめ
アパートの管理会社を探すのであれば、管理会社が行う管理業務の内容について確認し、管理会社が実際に何をするのか把握しましょう。その上で上述した6つのポイントを参考にしながら、複数の管理会社を比較し、選定するという流れで進めてみましょう。
アパート経営では、管理会社のクオリティによって収益性にも大きな影響を与える可能性があります。投資用アパートを探す際には、物件に適した管理会社も並行して探し、慎重に検討することが大切です。
中村 昌弘
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