マンションから一戸建てに住み替える方法は?費用や手順、注意点を解説

家の住み替えは、旧居の売却と新居の購入を行わなければいけないため「どちらを先に行ったらよいか」「費用はどの位準備したら良いのか」と疑問や不安を感じる方もいるのではないでしょうか。

住み替えは、旧居の売却を先に行う売り先行と新居の購入を先に行う買い先行がありそれぞれメリット・デメリットが存在します。不動産会社への仲介手数料や引っ越し代、登記費用などの費用がかかるため、これらの準備も済ませておくこともポイントとなります。

本記事ではマンションから戸建てに住み替える前に確認すること、手順や費用、注意点を解説していきます。

※記事内の税制内容は2021年11月時点の情報となります。最新の情報については、国税庁などのサイトをご確認のうえ、税理士などの専門家へのご相談もご検討ください。

目次

  1. マンションから戸建てへ住み替える前に査定を行う
  2. マンションから戸建てへ住み替える際の手順・費用
    2-1.売り先行・買い先行を決める
    2-2.媒介契約を締結・マンションの売却
    2-3.新居探し・戸建ての購入
  3. 住み替えにおける注意点
  4. まとめ

1.マンションから戸建てへ住み替える前に査定を行う

マンションから戸建て住宅へ住み替える前に、ローンの残債が残っている方はローン残債とマンションの売却予想価格を比較しましょう。

ローンの残債は、残高証明書を確認したり、金融機関に尋ねる事で分かります。金融機関によっては専用のサイトで確認する事も可能です。

マンションの売却予想価格は、複数の不動産会社に査定を依頼して査定価格や査定の根拠を比較してみましょう。不動産会社によって査定価格にばらつきが生じることがありますが、あえて高値の査定価格を出し売却を促す業者もいるため、価格だけでなく根拠も合わせて確認することが大切です。

以下、複数の不動産会社へ査定依頼ができる不動産一括査定サイトの一覧です。大手6社に限定して依頼できる「すまいValue」や、大手不動産会社だけではなく、地元に密着した企業も多い点が特徴的な「LIFULL HOME’S」など、悪徳業者の排除を行っているサイトを厳選しています。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
すまいValue 不動産仲介大手6社による共同運営 査定は業界をリードする6社のみ。全国900店舗。利用者の96.7%が「トラブルなく安心・安全に取引できた」と回答
リガイド(RE-Guide) 株式会社ウェイブダッシュ 15年目の老舗サイト。登録会社数800社、最大10社から査定を受け取れる。収益物件情報を掲載する姉妹サイトも運営、他サイトと比べて投資用マンションや投資用アパートの売却に強みあり
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス 株式会社LIFULL 全国3100社以上の不動産会社に依頼できる。匿名での依頼も可能
HOME4U 株式会社NTTデータ スマートソーシング 全国1800社から6社まで依頼可能。独自審査で悪徳会社を排除
イエウール 株式会社Speee 全国1600社以上、悪徳企業は運営企業が排除。最大6社に無料で不動産の一括査定

【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

また、自身でおおよそのマンション価格について調査しておくことも有効です。以下のサイトで近隣のマンション価格の相場を調べ、査定額と比較してみましょう。

2.マンションから戸建てへ住み替える際の手順・費用

住み替えを行う際にはまず売り先行と買い先行のどちらかを選び、売り先行の場合は旧居の売却を先に、買い先行では新居の購入を先に行います。

  • 売り先行・買い先行を決める
  • 媒介契約を締結・マンションの売却
  • 新居探し・戸建ての購入

2-1.売り先行・買い先行を決める

マンションの売却と戸建ての購入のどちらを先にするか決定します。購入と売却の大まかな流れは以下の通りになります。

売却の流れ

  1. 不動産会社に査定を依頼
  2. 媒介契約を結ぶ
  3. 売却活動
  4. 買主と売買契約を締結
  5. 引き渡し・精算

購入の流れ

  1. 資金の計画を立てる
  2. 新居を探す・内覧
  3. ローンの申し込み・売買契約の締結
  4. 引き渡し・精算

売却を先にする「売り先行」では、マンションの引き渡し・精算が終わった後、戸建てを探すことになりますので資金計画が立てやすいというメリットがあります。

ただし、売主が引っ越した後で新居の購入を行うため仮住まいが必要になる可能性があります。仮住まいの期限や費用が決まっている場合、新居探しを急いで行う必要が生じてしまう点はデメリットと言え、注意が必要です。

新居の購入を先に行う「買い先行」は、新居をじっくり探すことが可能となりますが、金銭面でのリスクや負担が大きくなる可能性が高いと言えます。

例えば、マンションにローンが残っている場合、新居と合わせて二重ローンになってしまう可能性があります。加えて旧居の買主が見つからない場合には資金の予定を立てるのが難しくなるため、売却を急ぎ相場より低い価格になってしまうケースも見られます。

双方にメリット・デメリットがあるため、資金繰りや売却をスムーズに行いたい方は売り先行、資金が潤沢にある方や新居選びを重視したい場合には買い先行、というように選択してみると良いでしょう。なお、本記事では主に「売り先行」のケースで解説していきます。

2-2.媒介契約を締結・マンションの売却

売却を行う際には、まずマンションの査定を依頼した不動産会社と媒介契約を締結します。

媒介契約

媒介契約には複数の不動産会社と契約が出来る一般媒介契約、約3ヶ月間1社と契約を結ぶ専任媒介契約、専属専任媒介契約があります。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数の不動産会社への依頼 × ×
自分で見つけた買主との単独契約 ×
指定流通機構への登録義務
販売活動の報告義務
契約期間 規制は無し 3ヵ月以内 3ヵ月以内

専属専任媒介契約は専任媒介契約より制約が多い契約方法で、売主への報告の頻度が1週間に1回以上(専任媒介契約は2週間に1回以上)、自身で発見した買主との契約は不動産会社を通す(専任媒介契約は直接契約できる)という違いがあります。

不動産会社の積極的な売却活動が見込めるため専任媒介契約を選ぶ方も多く見られますが、人気エリアでは一般媒介契約を結び複数の不動産会社同士で価格を競い合うことで、売却価格が高くなる事例もあります。

一方、一般媒介契約は指定流通機構(レインズ)への登録義務が無いため、他の媒介契約より情報が拡散される可能性が低くなってしまうデメリットがあり、需要が限定されてしまうエリア・物件だと売却が長期化してしまう可能性があります。このような事情を考慮して、契約方法を選択してみましょう。

売買契約の締結と引き渡し

条件の合う買主が見つかったら売買契約を締結します。売買契約を行うと原則解除ができなくなるため、慎重に契約内容を確認しましょう。

マンションの引き渡しは、契約書に記載された引き渡し日に行います。引き渡しまでに電気やガス、水道などのライフライン、仮住まいの住居への転送届などの引っ越し手続きも済ませておきましょう。

【関連記事】自宅の住み替え、電気・ガス・水道はいつ止める?手順や注意点を解説

マンション売却に必要な費用

売却に関わる費用は不動産会社への仲介手数料や、引っ越し代などが挙げられます。

費用 費用の相場
不動産会社への仲介手数料  売却価格×3.3%+6万6千円
売買契約書に貼付する印紙税  2022年3月31日までの間に作成された売買契約書で一定の要件を満たすものは軽減措置がある
引っ越しの費用 6万円~13万円程度※新居と旧居の距離、世帯人数によって変動有り
抵当権抹消費用  不動産1個につき1000円
司法書士に依頼する場合には1~2万円
ローン一括返済手数料 数千円~2万円程度
※金融機関やローンの残債によって異なります。
譲渡所得税 売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超 :譲渡所得×15%、住民税5%
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下 :譲渡所得×30%、住民税9%
ルームクリーニング代 2万円~8万円程度

2-3.新居探し・戸建ての購入

中古の場合には新居となる戸建てを不動産会社やポータルサイトなどで探し、数件内覧を行うなどして、物件を絞り込んでいきます。その後売主と条件交渉を行った上で購入の契約を交わします。

購入の際には不動産会社への仲介手数料、印紙税(上の表を参照)の他に、以下の費用がかかります。

費用 費用の相場
所有権移転の登記費用  不動産の価額×0.2%(価額によって異なる)
司法書士に依頼する場合には1~2万円程度
※一定の要件を満たすものは軽減措置があります。軽減措置の要件を満たす際は
不動産の価額×0.03% 
住宅ローンの借り入れ費用 ローン保証料・団体信用生命保険加入料など50~80万円程度
不動産取得税 土地・家屋共に取得した不動産の価格×3% 
※2024年3月31日までに宅地を取得した場合、土地の価格は1/2となります。要件を満たし、軽減措置が適用された場合は新築・中古ともに一定額が控除 されます。
固定資産税・都市計画税 引き渡しの日を境に買主と売主で日割り計算にて精算
その他費用 ローン頭金など

住宅ローンを契約する際には、金融機関にローンを申し込んだ後審査が行われます。物件引き渡しと残金の決済が行われた後、新居に引っ越し住み替えは完了です。税金は購入して数ヶ月後に来ることがありますので、支払えるよう準備をしておきましょう。

3.マンション売却・住み替えにおける注意点

マンションの売却で、ローン残債が売却予想価格を上回る「オーバーローン」状態になってしまうケースでは注意が必要です。オーバーローンの物件から新居に住み替える場合には、差額の返済を自己資金で賄う、住み替えローンを利用するなどの対応となってしまうためです。

ただし、住み替えローンは融資審査のハードルが通常のローンより高く、「ローンの審査に落ちて新居が購入できなかった」という事例もあります。ほとんどの戸建ては土地も同時に購入することになるため、マンションへの住み替えよりも余裕を持った資金計画が必要です。

「オーバーローンになってしまうが、住み替えローンが組めず残債を自己資金で賄うことも難しい」というケースでは、住み替え自体を見直し、まずは自己資金を貯める方法なども再検討してみましょう。

【関連記事】ローンが残っている家は売却できる?売却の手順、オーバーローンの対策も

まとめ

マンションから戸建てへ住み替える際にローンが残っている場合、ローン残債と売却予想価格を比較し、ローン残債が売却予想価格を上回らないかという点に注意しましょう。

オーバーローンで自己資金によるローンの完済や住み替えローンの契約が難しい時には、住み替えの前に自己資金を貯める事を検討する必要があります。

この記事を参考に住み替えの流れ・費用、売り先行と買い先行のメリット・デメリットを知りスムーズな住み替えを行っていきましょう。

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田中 あさみ

田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。