「勝つことよりも負けないことが大切」不動産投資家が教える5つの心得

不動産投資をこれから始めようとしている人の中には、「どうやって勝つか」ということを必死に考えている人も多いのではないでしょうか?

確かに勝つことは大事ですが、不動産投資の場合には、家賃収入を継続して得ることができれば勝ちにつながることが多いため、負けないような対策を練ることが重要です。

そこで今回は、不動産投資をこれから始めようとする人、やり方を見直そうとしている人に不動産投資家が実践している5つの心得について詳しく解説していきます。

目次

  1. 不動産投資で負けないための5つの心得
  2. 【心得1】専門知識を身に着ける
  3. 【心得2】実質利回りにこだわる
  4. 【心得3】資金計画を念入りに立てる
  5. 【心得4】物件に執着しすぎない
  6. 【心得5】売却を想定して購入する
  7. まとめ

不動産投資で負けないための5つの心得

資産運用で得ることができる利益は、キャピタルゲインとインカムゲインの2つあります。キャピタルゲインとは、株式投資や仮想通貨のように、価格変動に合わせて売買を行うことで利益を得るものです。インカムゲインとは、株式投資の配当や不動産投資の家賃収入のように、所有し続けることで利益を得るものです。

短期的にキャピタルゲインを得ることを主な目的とする資産運用の手段は、どちらかといえば「投資」という側面よりも「投機」という側面が強いと言えます。そのため、投資初心者でも流れをつかめば専門的な知識がなくても利益を得ることができますが、流れが変わった場合には大損する可能性があるため注意が必要です。

インカムゲインを得ることを主な目的とする資産運用の手段は、キャピタルゲインに比べると収益の変動が少なく、初心者にとっても長期投資をしやすい手法です。時代の流れや周辺環境などの情勢がどのように変化しているか、リスクはどの程度かなど、しっかりと向き合いさえすれば、リスクを抑えながら安定した利益を得ることができます。

不動産投資のリスクは、対処やコントロールができるものが多いため、事前にしっかりと対策を練っておけばリスクを最小限に抑えた資産運用ができるでしょう。そこで、重要なのが不動産投資家が実際に行っている以下の5つの心得です。

  1. 専門知識を身に着ける
  2. 実質利回りにこだわる
  3. 資金計画を念入りに立てる
  4. 物件に執着しすぎない
  5. 売却を想定して購入する
  6. それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

    【心得1】専門知識を身に着ける

    不動産投資の主な収入は、家賃収入です。不動産投資を全く行ったことがない人の中には、家賃収入の全てが手に入ると思っている人もいるのではないでしょうか?

    しかし、実際は固定資産税や管理を不動産会社に依頼する管理委託費、水道光熱費、修繕費などの諸費用が差し引かれるため、思っているよりも手元に残る収入は少なくなります。

    そのため、家賃収入を基準に融資を受けて返済計画を立てていた場合は、予想よりも収入が少なくなるため、契約内容によっては家賃収入だけでは足りず、自己資金からも補う必要が生じる場合もあるため注意が必要です。

    不動産投資を行う際は、不動産投資に関する最低限の知識を身に着けてから行うのが心得です。書物を購入する、不動産投資セミナーに参加する、インターネット検索を行うなどの方法が挙げられます。不動産投資に対する質問をすぐにできることを考えると、不動産投資セミナーに参加するのが効率良い方法と言えるでしょう。

    【関連記事】初心者でも0から学べる不動産投資セミナー7選

    【心得2】実質利回りにこだわる

    不動産投資で負けないためには、良い物件を運用できているかどうかが重要です。そこで、良い物件かどうかを判断する基準の1つとして用いられるのが利回りです。利回りには、「想定利回り」「表面利回り」「実質利回り」の3種類あります。どのような違いがあるのでしょうか?

    想定利回りとは、運用している物件が満室だった場合の利回りです。「満室時の家賃収入÷物件の購入価格」で求められます。中古アパートで利回りが良いもので10%を超えますが、都内のマンションでは4%~5%程度が目安となっています。

    表面利回りとは、現在の家賃収入を基準にして求める利回りです。「現在の家賃収入÷物件の購入価格」で求められます。

    実質利回りとは、表面利回りから必要経費を差し引いて求める利回りです。「実際の利益÷物件の購入価格」で求められます。築年数が経過した物件は、物件の購入価格が新築よりも安く、利回りが高くなりやすいのが特徴です。

    想定利回りや表面利回りを見て良質な物件と思っても、実際には修繕費などの諸費用が多く発生しているということがよくあります。

    そのため、実際に収益性が高い物件なのかを判断するには、実質利回りを基準にして想定利回りや表面利回りと比較することが有効です。比較を行うことで、物件の本当の利益やどの程度の可能性を秘めているかが分かりやすくなるでしょう。

    実質利回りにこだわったほうが良い理由

    「築年数が浅い物件の場合には、表面利回りで判断してもいいのでは?」と思った人もいるかもしれませんが、一概にそうとは言い切れません。運用する物件には「家具設置物件」や「水道光熱費込物件」などがあります。これらの物件を運用する場合は、築年数に関係なく諸費用が発生します。

    そのため、表面利回りだけで良質な物件かどうか判断しようとすると、運用してから実際の家賃収入を確認する際に驚いてしまうことになります。どのような場合でも実質利回りにこだわることが重要と言えるでしょう。

    【心得3】資金計画を念入りに立てる

    不動産投資は、初期投資の費用が大きくなるため、金融機関が提供している不動産ローンを利用するのが一般的です。しかし、不動産ローンは住宅ローンのように低金利ではなく返済期間も短いという特徴があります。そのため、契約内容を誤った場合には、返済に追われてしまうため注意が必要です。

    「返済総額を抑えるために頭金を増やせば大丈夫?」と思った人もいるかもしれませんが、一概にそうとは言い切れません。頭金を増やすということは手元の自己資金が減ることになります。

    潤沢な余裕資金があれば良いですが、そうでない場合は運用がうまくいかなかった場合の返済資金に充当する自己資金が減ってしまうことになるため、万が一に備えることを考えると得策とは言えません。

    融資を上限まで受けるのではなく、「どの程度まで自己資金を残しておくべきか」「融資額がいくらであれば返済計画に無理がないか」などの資金計画をしっかりと練ってから投資を始めることが重要と言えるでしょう。

    【心得4】物件に執着しすぎない

    不動産投資を行う上で足を引っ張ってしまう原因になりやすいのが「物件への執着心」です。基本的に物件は長く所有し続けていると価値が下がっていくものであるため、いずれは入居率の低下や修繕費用の増加に悩まされるようになります。

    「まだ入居率を高く維持できているので入居率が下がったら売却する」と考えている人もいるかもしれませんが、入居率が下がった物件は買い手もつきにくくなります。そのため、物件の購入希望者が現れた場合や価格が上昇した場合は売却を検討するなど、いつまでも物件に執着するのではなく、柔軟に対応した方が物件を高く売ることが期待できるでしょう。

    物件に執着しすぎないのは売却時だけではありません。物件を探している際も気を付ける必要があります。例えば、「あとちょっとで自分の中で決めた基準に該当するのになぁ」と物件を購入するかどうか悩んでいる場合があるとします。これで購入を決めてしまったとすると、物件が条件を満たしたのではなく自分が基準を引き下げたことになります。

    確かに、基準を引き下げたことによってそれが良い方向に向かうこともありますが、自分が決めた基準を満たしていない物件であることに変わりはありません。また、一度購入すると、次に基準を満たした良い物件が見つかっても資金が不足しているため、後悔する可能性もあります。

    「物件への執着心」をなくして、あくまでも「投資」と割り切って最善の選択を行うことも不動産投資で負けないための心得と言えるでしょう。

    【心得5】売却を想定して購入する

    「物件を購入する前に売却を想定するの?」と不思議に思った人もいるかもしれませんが、相続などをしない場合は、いずれ売却する時がやってきます。そのため、売却時に価格が大きく崩れるような物件では、購入して運用しても利益を生み出すことができません。

    そのため、物件を購入する場合には、売却した場合でもある程度の価格で売却できるような物件を購入しておくことが重要です。例えば、需要が落ちにくい「都心・駅徒歩5分以内・複数路線利用可」など非常に立地の良い物件や、土地の広い物件を購入するのも方法の1つです。

    土地の広い物件の場合には、投資用不動産の需要がなくてなかなか買い手が見つからない場合でも、更地にして売却するという選択が増えます。そのため、通常よりも売却しやすくいだけでなく、物件価格に占める土地の割合の多い物件を選ぶことで値崩れを防ぐことも期待できるでしょう。

    また、土地の割合の多い物件を選ぶということは、消費税の節税にもつながります。個人が居住していた物件を売却する場合には土地と建物の売却価格に消費税が課税されませんが、法人や個人事業主が物件を売却する場合には建物の売却価格のみ消費税が課税されます。

    そのため、仮に来年以降の消費税が10%に引き上がった際に建物価格が2,000万円だったとすると、200万円の節税が期待できます。土地の割合が多い物件だけでなく、需要が高く値下がりしにくい物件を選ぶなど、売却を想定して物件を選ぶことが後々のトラブルを防ぐことにつながるでしょう。

    まとめ

    不動産投資は、家賃収入というインカムゲインを狙った資産運用です。インカムゲインは、キャピタルゲインよりリスクが低く、安定した利益を得ることができるというメリットがあるため、よく考えて運用を行っていれば、比較的勝ち筋を作りやすい資産運用と言えるでしょう。

    不動産投資を行う場合は「勝とう勝とう」としすぎるとハイリスクな方向に向かってしまうことがあるため、失敗するリスクをあらかじめ想定・対処し、安定した利益を得続けるためにはどうすればいいかという「負けないための戦略」を練ることが重要です。

    「専門知識を身に着ける」「実質利回りにこだわる」「資金計画を念入りに立てる」「物件に執着しすぎない」「売却を想定して購入する」という5つの心得をしっかり再確認してから不動産投資を始めるようにしましょう。

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    矢野翔一

    矢野翔一

    関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。