UNEP FI(国連環境計画・金融イニシアティブ)が6月18日、UNEP FI不動産WGが2018年11月に作成・発行した「ポジティブ・インパクト不動産投資フレームワーク 総体的インパクト分析ツール:ポジティブ・インパクト金融の実践ガイダンス」の日本語版をホームページ上で公開した。
内容は、インパクトに基づいた不動産投資フレームワークの意義、ポジティブ・インパクト・イニシアティブ、投資家がインパクトに基づいた戦略を策定する理由、インパクトに基づいた不動産投資フレームワーク、インパクトの明確化、市場水準およびサステナブルなリターン、インパクトの計測、追加的な資金および/またはインパクトのフロー、インパクトに基づいた不動産投資フレームワークの適用の検討――の約30ページ。
冒頭で、ポジティブ・インパクト・イニシアティブについて「SDGs(持続可能な開発目標)を実現するために、新しいビジネス・モデルとインパクト・ビジネス・モデルを開発し、資金を提供する必要があるという考え方を推進するイニシアティブ」と定義。「イニシアティブを通じて金融機関は、経済、社会、環境へのポジティブ・インパクトを高めることができ、持続可能な開発のための資金ギャップを埋める取組みに積極的に参加できる」とする。
不動産投資家が、インパクトに基づいた投資手法を開発し、実践するのを支援するため、不動産投資サイクルのあらゆる段階における意思決定の指針となるよう、行動指針の投資家フレームワークが開発された。この「4つの投資目標」について、報告書は「ポジティブ・インパクトの総体的かつインパクトに基づいたアプローチに立脚し、より短期的な投資活動と長期的な理想追及のために、組織が意思決定を行うための手段を提供する」と解説し、各論を展開している。
UNEP FIは1992の地球サミットを契機に設立された国連環境計画と世界各国の金融セクターのパートナーシップで、持続可能な金融を促進するためのミッションを担う。銀行、保険会社、投資家など230を超す金融機関は、国連環境計画と協力して、ESG(環境・社会・ガバナンス)の課題と、積極的に取り組む方法について理解を深めるための活動を行う。日本の署名参加機関はMS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社、ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント株式会社、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、株式会社大和証券グループ本社、東京海上日動火災保険株式会社、株式会社日本政策投資銀行など14社。
【参照記事】UNEP FI「ポジティブ・インパクト不動産投資フレームワーク(PDF)」
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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