消費増税、上がらない給与、災害…不動産の「買い時」は果たしていつなのか? 公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)と公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)が2月5日発表したアンケート調査では、「不動産の買い時だと思う」人は2008年度調査以降最低の13.0%となり「買い時だと思わない」は28.9%(+6.3pt)と増えた。「持家派」は80.9%(+0.4pt) に対して 「賃貸派」は19.1%(-0.4pt)と横ばいだったが、新築か既存(中古)住宅の二択では半数以上の54.0%が既存住宅に抵抗感が薄くなっている。
9月23日の「不動産の日」にちなんで、住宅の居住志向や購買などに関する意識を、日本国内全域の20歳以上の男女を対象にインターネットで調査した。有効回答数は2万2183件。不動産の買い時については、現状に否定的な回答が多い。買い時だと思わない理由のトップは「不動産価値が下落しそう」(26.8%)、「自分の収入が不安定または減少しているから」(21.0%)、「消費税率が上がったから」(16.6%)と、直近の不安感や収入減を挙げる回答が多い。反対に「買い時だと思う」人は「住宅ローン減税など消費税増税支援に係る制度が拡充されているから」(51.1%)、 「今後、住宅ローンの金利が上昇しそうなので(今の金利が低いので)」(23.4%)、「不動産価値が安定または上昇しそうだから」(18.0%)を理由に挙げた。
持ち家か賃貸かを訊ねる質問では、現在の居住形態に関わらず、持家派は80.9%と全体の約8割を占める。持家派の理由は「家賃を支払い続けることが無駄に思えるから」が53.5%と最多。これに対して賃貸派は、「住宅ローンに縛られたくないから」 (41.5%)、次いで「天災が起こった際に家を所有していることがリスクになると思うから」、「税金が大変だから 」が続く。調査期間は2019年9月23日〜11月30日で、台風19号、20号が各地に大きな被害をもたらした時期でもある。「築年数や構造(免震・耐震)について考えるようになった」(49.6%)、「緊急避難場所や防災マップを意識するようになった」(32.7%) 「地盤などの状況を意識するようになった (31.4%)など、災害リスクへの関心も高まった。
既存住宅への抵抗感は、「まったく抵抗がない」と答えたのは12.7%、「きれいであれば抵抗はない」が41.3%、あわせて54.0%と約半数は抵抗感が薄い結果となった。「どんな状態であろうと抵抗がある」は13.0%で、まったく抵抗がないとほぼ同率の結果だった。
物件情報の入手の際、基本情報以外に「あると便利」な情報について、「物件の写真」が74.9%と最多で、「周辺状況の相場」が47.2%、「エリアの年齢層や世帯層 」が30.6%と続き、物件の写真とともに、周辺状況の相場やエリアの年齢層や世帯層の情報を求めている傾向にある。2019年度の消費税増税に係る支援制度については「住宅購入しないが、良い制度だと思う」が30.0%。一方で「手続きや申請が大変そう 」(22.4%)「わかりづらい」(22.2%)などネガティブな意識もあった。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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