クラウドファンディング投資の5つのリスクとは?対策や注意点も

将来性のある未上場企業や事業が対象となるクラウドファンディング投資は、少額から参加できる上、10%以上の高利回りを狙える案件もあるため、投資家数や投資額が年々増えてきています。

しかし、新規性の高い事業にチャレンジするが故に失敗する可能性もあるため、投資先企業の倒産や元本割れ・貸し倒れなどのリスクに十分注意して、案件を選ぶ必要があります。

そこでこの記事では、クラウドファンディング投資を検討している方のために、クラウドファンディング投資の特徴やリスク・注意点、その対策方法を詳しく解説するので、ご参考ください。

目次

  1. クラウドファンディング投資の特徴・種類
    1-1.融資型クラウドファンディングの特徴
    1-2.ファンド型クラウドファンディングの特徴
    1-3.株式型クラウドファンディングの特徴
  2. クラウドファンディング投資のリスクと対策
    2-1.元本割れ・貸し倒れリスク
    2-2.運営事業者の倒産リスク
    2-3.満期まで途中解約ができない
    2-4.株式型は流動性・換金性が悪い
    2-5.投資先の審査基準は各運営企業で異なる
  3. クラウドファンディング投資を始める際の注意点
    3-1.自分の投資方針に合うクラウドファンディングサービスを選ぶ
    3-2.投資案件のメリット・リスクは必ず確認する
  4. まとめ

1.クラウドファンディング投資の種類

crowd(群集)とfunding(資金調達)の造語であるクラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定の人から資金を集め個人や事業者等に投融資する仕組みのことです。

クラウドファンディングの種類はおもに「投資型」と「非投資型」に大別されます。投資型はさらに「融資(貸付)型」「ファンド型」「株式型」に、非投資型は「寄付型」「購入型」に分けることができます。

寄付型はネット上で寄付を募る・募金する仕組みで、投資家への金銭的な見返りのないタイプです(一部、返礼品を受け取れるタイプもあります)。また、購入型は、商品やサービスなどを購入する一般的な売買取引のようなタイプです。

一方、リターンを求める投資型クラウドファンディングの特徴は次の通りです。

1-1.融資型クラウドファンディングの特徴

融資型クラウドファンディングは、お金の貸し借りをネット上で仲介する仕組みです。お金を借りたい人とお金を貸したい人をプラットフォーム上でマッチングさせるサービスであり、ソーシャルレンディングとも言います。

融資型のリターンは、投資資金に応じた利子となります。投資案件によっては利回り10%以上を狙えるものや、担保・保証付きで預貯金よりも高い利息を狙える場合もあります。

融資型は投資家と運営事業者が匿名組合契約を締結して、融資先に貸し付ける形態になります。匿名組合契約の特徴として、投資家には利益配分請求権と出資価格返還請求権がありますが、組合の事業執行権はありません。

なお、運営事業者や案件などでも異なりますが、投資家の出資元本や利子は通常保証されません。

1-2.ファンド型クラウドファンディングの特徴

ファンド型は個別の事業やプロジェクトなどに対して多くの人から資金を集めるタイプでで、投資する際はその事業等へ運営事業者を通じて出資することになります。事業での売上に対して出資額に応じた配当金やサービス等をリターンとして受け取ることができます。

ファンド型は、ファンド(基金)の設定と運営を行う事業者と、資金を集めるためのプラットフォームを設定・運営する事業者により仕組みが形成され、投資家はプラットフォーマーを介して匿名組合契約を結んで投資します。

ファンド型には社会貢献性の高いプロジェクトや映画の製作といった様々なファンドがありますが、配当などの金銭的な見返りがないタイプもあります。

1-3.株式型クラウドファンディングの特徴

株式型は、ベンチャー企業による未上場株式等の発行により不特定の人から少額のお金をネット経由で集める仕組みであり、投資家は株式型を通じて未上場企業へ投資することができます。

株式型のリターンは、出資額に応じて受け取る配当金や株主優待などです。また、投資先が将来株式公開(IPO)したり、他者へ事業売却(M&A)したりすれば、その際に大きなリターンを得られる可能性があります。

ただし、ベンチャー投資では未配当に終わることや事業自体が失敗するケースも少なくありません。なお、同一会社の発行株式に対する1人の投資家の投資額は1年間で50万円以下と金商法によって定められています。*金融庁「金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成26年法律第44号)に係る説明資料」から参照

2.クラウドファンディング投資のリスクと対策

次に、クラウドファンディング投資の各タイプの主なリスクとその対策を見ていきます。

2-1.元本割れ・貸し倒れリスク

投資先企業の経営状況によっては分配金を受けられなかったり、元金回収もできなかったりする可能性があります。融資型なら主な貸付先は未上場企業となるため、上場企業と比べて事業や財務基盤が安定しない場合もあり、元本割れや貸し倒れといった危険性は高まります。

また、ファンド型では新規性や社会貢献性の高い事業等を支援するというエンジェル投資のようなタイプも多く、運用が満期となった案件で元本割れする場合もあります。

画期的な事業は想定以上の成果を上げて大きなリターンをもたらすこともありますが、一方で損失を被る可能性がある点には注意が必要です。

元本割れ・貸し倒れリスクの対策方法

クラウドファンディング投資の中には、一般的な株式投資等と比べてハイリスク・ハイリターンな案件もあります。そのため、案件内容を適切に見極めるにはそれなりの投資経験や知識などが求められます。

初めてクラウドファンディング投資をする場合は、リスクの軽減策の一つとして担保付きの案件を検討しましょう。例えば不動産案件で担保をとって融資するタイプは、投資資金がある程度保全されます。

不動産案件のクラウドファンディング投資では、1つの物件に資金を集中するよりも複数の物件に投資する分散投資を行うことでリスク軽減を図ることも可能です。

また、企業名や物件名が公表されている案件を選んで、投資対象を慎重に調べた上で投資判断を下すという方法もあります。例えば、融資対象の企業名や事業名、業務内容、財務状況、経営者のキャリアのほか直近の業績などは、投資判断の参考資料になります。

不動産案件のクラウドファンディングを検討する際は、担保の内容(場所、面積や築年数等)なども開示されていれば合わせてチェックしておきましょう。

2-2.運営企業の倒産リスク

クラウドファンディング投資では、サービスの運営元が倒産するという事業者リスクもあります。サービスの中には上場企業が運営しているものもありますが、企業規模が小さく運営年数が少ない事業者の場合、リスクはさらに高くなるでしょう。

このほか、運営企業には「自社の資金」と「投資家からの資金」を分別管理することが法律で定められていますが、分別管理の体制の弱さからトラブルを招くというリスクもあります。

運営企業の倒産リスクの対策方法

運営企業の情報はコーポレートサイトで確認できるので、売り上げや営業利益といった財務状況などを倒産リスクの参考にすると良いでしょう。さらに、親会社、グループ会社、出資企業や経営陣などに加え、分別管理体制などもチェックしておきましょう。

また、投資先は一つのプラットフォームにこだわるのではなく、複数に分散することも損失リスク対策になります。投資案件の内容だけでなくサービス提供元である事業者を慎重に検討して選ぶことも大切です。

2-3.満期まで途中解約ができない

融資型や株式型では、運用期間中の解約ができない場合が多くあります。解約が出来ないと、お金が急に必要になっても口座から投資資金を戻すことができません。

運用期間はプラットフォームや案件で異なりますが、数カ月~3年といった期間で設定されている場合が多く、運用期間が満了するまで待つ必要があります。

途中解約ができないリスクの対策方法

お金が急に必要になっても困らないように、余裕資金で運用することが大切です。またはお金が必要になる時期までに運用期間が終了する案件を選ぶと良いでしょう。

また、運用期間が長くなるほどリスクは高くなります。クラウドファンディング投資が初めての場合は、案件の内容なども踏まえながら短めの案件を選ぶことが大切です。

2-4.株式型は流動性・換金性が悪い

株式型の場合、未上場企業の株式等に投資することになるため、債権のような「満期」がなく、投資元金の償還はありません。

また、証券取引所で売買できないため、他者へ売買できるタイミングはIPOやM&Aなどの特別なケースに限られ、上場株式と比べて換金性・流動性が著しく劣ります。そのため、株式型では投資の回収が長期に及ぶ可能性があります。事業内容によっては投資先の企業が倒産するというリスクも否定できません。

流動性・換金性リスクの対策方法

株式投資型クラウドファンディングでは、特定の企業や事業を長期的に応援するといった姿勢が求められます。そのため、生活資金になるべく影響しないお金で運用することが重要になります。

ベンチャー投資の案件選びではある程度の投資知識や経験も必要になってくるので、投資が初めての場合は、各サービスで決められている最低投資額の範囲から始めることが大切です。

2-5.投資先の審査基準は各運営企業で異なる

案件内容や融資先に対しては、運営企業による独自審査が行われますが、取引所が行う上場審査基準ほど厳格ではありません。

また、案件の情報公開については、企業概要のほか決算書や営業報告などの情報が開示されますが、上場会社のように有価証券報告書は提出されません。そのため、投資先の審査や情報の質・量などが不十分となる可能性もあります。

審査に関するリスクの対策方法

運営会社の投資先に対する審査方法や運用実績を確認してみましょう。また、過去に貸し倒れや倒産した事例がないかどうかも確認し、その後運営会社はどのように対応したのか、対策としてどのような措置を講じているかも併せてチェックすることが重要です。

3クラウドファンディング投資を始める際の注意点

クラウドファンディング投資の特徴やリスクを踏まえて、始める際に注意したいポイントをご紹介します。

3-1.自分の投資方針に合うクラウドファンディングサービスを選ぶ

クラウドファンディング投資には「融資型」「ファンド型」「株式投資型」の3種類があるので、どのサービスを選択するかをしっかり検討することも重要です。

それぞれのタイプで運用商品の種類や性格は大きく異なります。融資型やファンド型では、高めの利回りを狙いつつ、環境問題・貧困問題の解決など社会貢献性の強い案件などが豊富にあります。

一方、株式投資型では将来性のあるベンチャー企業の株主になれたり、IT・AI等の最新技術を活用して社会問題に取り組む事業を応援したりすることも可能です。

まずは、各サービスや案件の特徴を知り、「高利回りを狙うのか」「未上場企業の株主になるのか」「社会貢献につながる投資をするのか」といった投資方針を決めることが大切です。

3-2.投資案件のメリット・リスクは必ず確認する

利回りの高い案件や区分マンションなどへの投資案件は人気も高く応募が殺到しますが、リスクやデメリットについても必ずチェックするようにしましょう。例えば、利回りや運用した案件数、貸し倒れ・元本割れ・倒産の件数、償還や分配金の遅れがあったかどうかなどは、最低限チェックしておくことが大切です。

投資したいサービスや案件が決まった後は、リスクを分散させるために複数のサービスを利用することも検討しましょう。

まとめ

クラウドファンディング投資では、まず各プラットフォームの特徴や案件内容をしっかり確認することが大切です。利回りは3%〜10%以上と幅広いですが、利回りが高くなるほど元本割れや貸し倒れなどのリスクも高くなる傾向があります。

投資先・融資先の企業が倒産すれば、最悪の場合、投資資金を全額回収できない可能性もあります。一つの案件に資金を集中させずに分散投資をしたり、投資先や事業者についても慎重にしらべ、対策することが大切です。

この記事を参考にクラウドファンディング投資を始める方は、利回りなどのメリットのほか、デメリットやリスクを十分に把握してから慎重に案件を選ぶようにしましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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