WWFジャパン、野生動物の「ペット化」見直しを訴える行動変容キャンペーンを開始

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WWFジャパン「飼育員さんだけが知ってるあのペットのウラのカオ」
画像:WWFジャパン提供

公益財団法人世界自然保護基金(WWF)ジャパンは8月9日、井の頭自然文化園、上野動物園、京都市動物園、那須どうぶつ王国の協力のもと、野生動物のペット利用に潜む絶滅・密猟や密輸・感染症・動物福祉・外来種のリスク(以下、5つのリスク)の認知を高め、野生動物「ペット化」の見直しを訴える行動変容キャンペーンを開始した。

今回のキャンペーンの背景には、野生動物ペット利用の増加と5つのリスクがある。2021年に国内でペット利用された野生動物の輸入頭数は推定40万頭以上。日本の野生動物ペット市場は世界有数で、さらに近年は増加傾向にある。犬猫以外の動物販売業の営業所数も年々増加し、2021年には5,413事業にのぼる一方で、WWFジャパンが2021年2月に実施した意識調査では、ペット飼育に5つのリスクがあることを68%が「よく知らない」と回答した。

WWFジャパンは、4つの動物園の協力のもと、動画コンテンツ「飼育員さんだけが知ってる あのペットのウラのカオ」を制作した。動画では、動物園の飼育員が野生の生態や習性、それに伴うペットとしての飼育の難しさを解説。さらに野生動物のペット飼育に伴う5つのリスクを伝える内容となっている。動画に登場するのはコツメカワウソ、ショウガラゴ、スローロリス、フェネック、コモンマーモセット、スナネコの6種類の動物で、順次公開されている。

今回のプロジェクトに協力する井の頭自然文化園は「人と動物が共に生きていくことのできる社会のために、希少な野生動物のペット利用の見直しに賛同します。フェネックの『本来の生態』をご覧いただきながら、人と動物の適切な関係を考えてみましょう」とメッセージを発表。那須どうぶつ王国は「野生動物は生息域で暮らすために様々な生態を持ち合わせています。可愛らしく、飼いたいと思うかもしれませんがペットには向いていません。またペット飼育が野生動物の生息を脅かすことにも思いを巡らせて頂きたいです」とコメントした。

【関連サイト】WWFジャパン「飼育員さんだけが知ってるあのペットのウラのカオ」

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岡村 幸治

フリーライター。2020年までスポーツニッポン新聞社で野球記者を務め、読売巨人軍やアマチュア野球などの取材、原稿執筆を担当。得意分野はスポーツ、旅行、ニュース記事。中立でわかりやすい記事を心がけています。 
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