小規模事業者の後継者課題を解決する継業支援サービス「ニホン継業バンク」を運営するココホレジャパン株式会社が9月29日発表した「継ぎやすいまちランキング2021」で、1位に熊本県熊本市が選定された。ニホン継業バンクでは、各自治体の事業承継の取り組みの情報共有を図ることを目的に、全国の1741基礎自治体を対象に「目標設定、体制、取り組み、実績」を調査、有効回答数385から特に継ぎやすいまちづくりに取り組んでいると言える30自治体を選出した。
第1位の熊本市は、信用保証協会との連携による事業者と承継希望者のデータベース化、指定管理施設「くまもと森都心プラザビジネス支援センター」におけるセミナーなどを実施、相談件数は回答自治体で最多の434件。相談後は市内の専門支援機関へ繋ぐスキームとなっている。同プラザは22年度からリニューアル予定で、さらに相談しやすい環境作りを目指す。
第2位は埼玉県入間市。第三者承継の相談件数に対する成約率は50%超を誇る。特に農業の承継に力を入れており、回答自治体中トップの実績で、同社は「第三者承継を希望する人にとってはもっとも継ぎやすい地域」と評価した。同市は「狭山茶」の主産地であり、「手もみ狭山茶」の全国品評会で産地賞を16年連覇している。農業の後継者不足解消のため第三者への転貸借とともに、製茶技術の継承も進めている。
第3位は青森県八戸市。16年度に八戸商工会館内に「はちのへ創業・事業承継サポートセンター」を設置。過去5年間の社内承継数は回答自治体で最多。補助金制度はないが、資金調達を行なった一部の中小企業者に対し、信用保証料の全額を補助。中小企業等が事業承継を契機として行う新事業活動に対し助成金を交付するなどの施策が社内承継を後押ししていると見られる。
このほか、姫路市など政令指定都市・中核市が上位となる一方、隠岐の島町、郡上市など離島・中山間地域もランクイン。地域内に継ぎ手が限られる地域では、地域外の資本や移住者とのマッチングが必要になると考えられ、回答自治体の約1割が「地域おこし協力隊制度」を活用していた。
また、補助金がある自治体は3割超だが、その73.5%が「承継実績がない」または「わからない」と回答しており、補助金が承継に結びついていない可能性がある。これに対し、承継実績の多い自治体の中には、HPやマッチングサービスを活用しているケースが多く、情報発信とマッチングの仕組みづくりが、継承の成否の鍵となりそうだ。
本調査の集計データを基にした概況レポートの報告会と、自治体、商工会、商工会議所、地方金融機関などを対象とした個別相談会(1コマ30分)を10月19日午後1時半からZOOMによるオンライン形式で行われる。
ココホレジャパン社は岡山県・瀬戸内海地域を拠点にし、地方創生、SDGs領域に専門性を持つ「全員が移住者」のコンテンツ制作プロダクション。同社が運営するニホン継業バンクは、地域の小さな仕事の本質的な価値を伝え、継ぎ手を探す「事業承継版・空き家バンク=継業バンク」。運営するココホレジャパンは岡山県・瀬戸内海地域を拠点にし、地方創生、SDGs領域に専門性を持つ「全員が移住者」のコンテンツ制作プロダクション。
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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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