2023年の事業用不動産投資、賃貸マンションとホテル・リゾートへの投資意欲が高まる。CBRE「日本投資家意識調査2023」

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シービーアールイー株式会社(CBRE)が3月30日に発表した特別レポート「日本投資家意識調査2023」で、23年の日本の不動産投資市場がどのように変化するかを考察している。日本を投資対象とする投資家の多くは堅調な意欲を示しているが、日本銀行が利上げを行うことを想定して投資戦略や投資対象の見直しを行っているようだ。

日本投資家意識調査は、CBREが22年11月に実施した「2023アジア太平洋地域投資家意識調査」を基に分析した。同年は世界の事業用不動産の投資額が前年に比べて20%減少した一方、日本の投資額は同2%減とほぼ横ばい。これは、世界主要各国の中央銀行が金融政策の引き締めに転じた中で、日本銀行が金融緩和政策を維持したことが影響したと見られる。11月時点で、投資家(外資系を含む)の半数超が、23年内の日銀の利上げを想定しており、日本の不動産に対する投資意欲に衰えは見られないが、アセットタイプによっては、金利の上昇を受けて価格が下方に調整されることを期待する投資家が増加していた。

他方、キャッシュフローの増加余地があることから投資対象として選択する投資家が増加しているアセットタイプもあり、この点について同社は「多くの投資家が、利上げが行われることを想定し、アセットタイプそれぞれの市況見通しを踏まえ、投資戦略や投資対象の見直しを行っている」とした。

日本を主な投資対象とする投資家からの回答結果のポイントは①52%が、23年の投資額が前年を上回ると回答(前年は54%)②56%が、日銀による利上げは23年中に行われると回答し、42%が24年以降と回答③選好されるアセットタイプとしては依然としてオフィスがトップ。ただしオフィスを選択した回答者は前年に比べて減少し、賃貸マンションならびにホテル・リゾートを選択する回答者が増加④成約価格が売主の希望価格を上回ると思われるアセットタイプとして、ホテルを選んだ回答者が最多となった。

一方、前年トップだった物流施設を選択した回答者は減少⑤選好される投資戦略としては、引き続きコアを選ぶ回答者がもっとも多かったものの、その数は前年に比べて微減。一方、オポチュニスティックを選んだ回答者の割合が前年の約2倍に増加し、コアに次いで高い回答率となった(前年は、コア、バリューアッド、コアプラスに次いで4位)。

これらの傾向から、同社は「日本の投資家は23年も投資意欲が高く、同年中の金利上昇を想定しても、意欲の高さはほぼ変わらない。ただし、投資方針の変化を見ると、投資家は選別姿勢をより強めている。既に特定のセクター/グレードの物件は取引利回りが低下し、割高感が高まっている。金利の先高観が強まる中、今後は投資戦略に関わらず、投資対象には高い収益性がいっそう求められるだろう」と総括。日本の不動産投資市場における投資妙味や留意すべきことをオフィス、物流施設、賃貸マンション、ホテル、リテール(ハイストリート)のセクターごとに解説している。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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