多拠点生活で「心の拠り所ができた」47.8%、ADDress多拠点生活の社会的インパクト評価2022年度版

定額制の多拠点居住プラットフォーム「ADDress」を運営する株式会社アドレスは11月1日、「社会的インパクト評価レポート2021-22」を一般公開した。自社の業務データと利用者アンケートを分析し、多拠点生活者の動向が社会的課題にどのように関わっているのかをまとめたもので、昨年度に引き続き2版目。初版から1年間での数値比較も行い、サービスの「社会的価値」を可視化している。

レポート作成では、ロジックモデルの作成やインパクト評価の設計など、出資者である一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)と立命館ソーシャルインパクトファンド投資事業有限責任組合(プラスソーシャルインベストメント株式会社、RSIF)が共同プロジェクトとして取り組んだ。ADDressが目指すべき社会課題におけるKPI(重要業績評価指標)を設定するため、「ロジックモデル」を基に、アウトプットと初期・中期・長期アウトカムの計18項目のデータを収集。ただし、コロナ禍の影響により「17. 街・エリアの魅力拡大/経済性の向上」「18. 観光によらない地域のあり方の実現」を除外している。

ADDressが目指すアウトカム「多拠点生活者の増加」では、昨年同月比で172.5%と約2倍に迫る増加率となった。コロナ禍以前の20年3月時点と比較すると、同1356.8%の増加。物件数は調査時の22年9月17日時点で218件(同10月31日時点で250件)となり、空き家・空き室の提供希望件数は1174件に上っている。

ADDressと契約したオーナーの1部屋あたりの平均初期投資額は7万5558円、月次収益は4万3621円でした。丸々一棟貸しよりもオーナー居住型の空き部屋貸し契約が増加したこともあり、オーナーの初期投資額は減少傾向にあるという。

サービスを1年以上継続している会員の平均年間利用物件数は22.4件で、1ケ月間で複数物件を利用している。総予約数に占めるリピート率は61.2%と高く、同社は「会員は多くの地域での暮らしを体験しつつも、自分に合う土地やコミュニティを見つけることができたら、同じ場所を再訪する傾向がある」と分析している。

調査で「心の拠り所ができた」と回答した会員は47.8%で、昨年の31.2%から16.6ポイント増加した。ADDressを利用する以前と今の生活の満足度も、87%の会員が「満足」「やや満足」と回答している。こうしたデータの背景として、ADDressでは会員同士やコミュニティマネージャーの「家守」、地域住民を交えたイベント活動を推奨しており、会員や家守が立ち上げた部活動は34に上る。部活の参加人数は2524人で、昨年の715名から大幅に増加した。

また、ADDressでの暮らしを通して10人以上と交流した会員は、昨年より5.9%増えて67.2%となり、サービスが新たな出会いを促進したと見られる。交流やイベント参加にとどまらず、地域で自身の収益につながる生産活動をした人は21%。レポートは「受け身的に多拠点生活を楽しむだけではなく、やりたかったことにチャレンジする主体的活動が見られる」と評価する。

特筆すべき数値として、移住に意欲のある人が43.5%と昨年より5.9%上昇した点を挙げる。「移住したくても自分に合う土地を見つけるのが難しい」「良い住環境を探すのが大変」「地域住民のコミュニティにどう溶け込めばよいか分からない」など、移住に際するさまざまな問題を同社のサービスが補完し、関係人口のみならず移住人口の増加にも寄与していくと期待を寄せた。

ADDressは全国各地で運営する 218 の住居(22 年 7 月現在)を会員同士でシェアする多拠点生活サービス。空き家を含む遊休不動産をシェアハウスとして改修しており、会員は月会費を払うことで、それらの物件に自由に移り住むことができる。

各物件には光回線 wifi 環境に加え、基本的な家具、家電、食器類を備え、月会費には物件使用時の水道光熱費も含まれているため、私物のみで気軽に移動が可能。 ワーケーション・リモートワークの場や週末の別荘、将来の移住先探しのため―などさまざまな目的で利用されている。

【関連サイト】株式会社アドレス「社会的インパクトレポート公開「ADDress多拠点生活の社会的インパクト評価」

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HEDGE GUIDE編集部 ESG投資チーム

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