そろそろ、買ったほうがいい?働くシングル女性のマンション購入5つのメリットと注意点

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賃貸マンションに住み続けていると、気になってくるのが毎月の家賃。「いつまで家賃を払い続けるんだろう?」と思いながらも、結婚や出産などを考えるとマンション購入にも踏み切れない…。

今回はそんな働く独身女性の方に向けて、最近のマンション購入事情を解説していきたいと思います。

目次

  1. コンパクトマンションとは
  2. シングル女性向けの都市型コンパクトマンション
  3. 賃貸より安く住むことができる?
  4. 働くシングル女性がコンパクトマンションを買う5つのメリット
    4-1.結婚してもしなくても住み続けることができる
    4-2.仕事に集中して取り組むことができる
    4-3.人気の設備が装備されている
    4-4.プライベートも充実できる
    4-5.ローンの返済が資産形成になる
  5. 購入シミュレーションと注意点
  6. まとめ

1.コンパクトマンションとは

家を購入する、というと以前は戸建てや3LDKから4LDKくらいのマンションが多かったのですが、現在ではそうした4~5人のファミリー向けの間取りよりも狭いコンパクトマンションの需要が伸びてきています。

コンパクトマンションは、具体的にはワンルームとファミリータイプの中間くらいの広さと間取りのマンションのことを指します。広さにして30㎡から50㎡くらい、間取りは1DK、1LDK、2LDKタイプのものが多くなります。ファミリータイプのものと比較すると部屋数は減りますが、一部屋当たりの空間が広くなっているのが特徴です。

ワンルームマンションは単身用で、どちらかと言えば仕事から帰って寝るだけという使い方に向いていますが、コンパクトマンションは自宅でゆったりと一人の時間を過ごしたり、知人を招いて食事やパーティをしたりすることができる造りになっています。

2.シングル女性向けのコンパクトマンション

ワンルームマンションは、広さや設備の仕様など単身者向けに造られていますが、コンパクトマンションは結婚しても住み続けることができるように設計されています。そのため単身でしか使えないような広さや設備ではなく、結婚しても不自由なく暮らせるように大きめの設備が備え付けられてあったり、周りにスーパーなどが併設されていたりする特徴があります。

また、郊外ではなく都心部に多く建てられているのもコンパクトマンションの特徴です。職住近接の時代の流れに合わせて、都市部での住宅開発の際にマンションや学校、福祉施設などが併設されることも増えてきています。

このような条件を揃えたコンパクトマンションなら、これから結婚を控えていても住み続けられますし、都心の立地の良い場所であれば、通勤にも不自由がなくシングル女性には条件の合ったマンションと言えるでしょう。

3.賃貸より安く住むことができる?

都心で暮らすとどうしても家賃が高くなります。コンパクトマンションを購入した場合、同じようなタイプの部屋の家賃と比較して、毎月の支払額はどれくらいになるのでしょうか。

まずは都心で暮らした場合の家賃相場を見てみましょう。今回は東京都新宿区をサンプルとして、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」で賃貸及び売却マンションの相場調査(2018年12月実施)に基づいたシミュレーションを行いました。
     

広さ 間取り 家賃
30㎡~35㎡ 1LDK 13万5,900円

新宿区の面積30㎡程度の新築マンションでは、家賃相場で言うと13万5,900円程度という結果となりました。次に同じくライフルホームズで東京都新宿区の新築コンパクトマンションを探したところ、以下のようなマンションが販売中でした。
     

広さ 間取り 価格
30.12㎡ 1LDK 4,488万円

この物件でローンを組んだ場合、月々の支払額がいくらになるかを試算してみましょう。

借入額 金利 返済期間 毎月の返済額
4,438万円 0.525% 35年 9万3,796円

*金利0.525%(12月1日店頭金利に対し▲年1.95%優遇)ボーナス併用払いボーナス時13万1,519円

ローンはボーナス払いで組んだ場合で試算していますが、この条件の場合、均等払いにしても月々の支払いは家賃より安くなります。もちろん実際に住宅ローンを借りる場合は金利や返済期間などの条件により返済額が変わるため、事前に必ず計算を行うことが必要になります。

また、購入の場合は上記返済額に加え、毎月15,000円~20,000円程度の管理費・修繕積立金の支出や固定資産税等の支払いが発生することになりますので留意しておきましょう。これらの条件を加味したうえで、賃貸より毎月の支払い額が安くなるかどうかを計算することができます。

賃貸で暮らす場合と、マンションを購入して住む場合ではそれぞれにメリット、デメリットがありますが、月々の支払額だけを見ると購入した方が毎月の支払い額を安く抑えられる可能性もあります。また将来住まなくなった際には売却できることも考えると、マンションを所有するメリットもあるということがお分かりいただけるのではないでしょうか。

4.働くシングル女性がコンパクトマンションを買う5つのメリット

コンパクトマンションは間取りや設備、立地などの条件においてメリットがあることがわかりました。では、女性のマンション購入に対する意識はどれくらい高まっているのでしょうか。以下のグラフを見てみましょう。これはリクルート住まいカンパニー社が2017年10月に公開した、マンション購入に関する相談者のうち女性単身者の割合を示すものです。


リクルート住まいカンパニー調べ、スーモカウンターでの購入相談者のシングル女性が占める割合を算出

この資料から2014年4月から2017年3月にかけて、スーモカウンターでマンション購入の相談を行った単身女性が2.6倍増加したことがわかります。全体の10%を切る割合ながら、独身女性のマンション購入意識は年々高まっていることがわかります。

以下では、このように女性のマンション購入の機運が高まっている理由として、もう少し深くマンション購入のメリットについて考えていきます。

4-1.結婚してもしなくても住み続けることができる

30歳前後の女性がマンション購入を考える際は、やはり結婚した時のことを想定されるのではないでしょうか。ワンルームマンションだと2人暮らしには狭く不便ですし、結婚前にファミリーマンションで一人暮らしをするには広すぎます。

その点、コンパクトマンションは30㎡から50㎡の広さで1LDKか2LDKといった間取りが中心になりますので、一人暮らしでも、結婚して二人暮らしになっても問題なく暮らすことができます。結婚をしてもしなくても住み続けることができる点が、コンパクトマンションのメリットと言えるでしょう。

4-2.仕事に集中して取り組むことができる

コンパクトマンションは都心に多く建てられていることには触れました。会社から近い都心で暮らせば、通勤に時間はあまりかからなくなります。満員電車や長時間の通勤が原因での疲労やストレスに悩まされることもありませんし、そのぶん仕事にも集中できます。

そのような点を考慮して、会社から2駅以内や、数キロメートル以内に住めば家賃補助を出してくれる企業もあるほどです。仕事をしている30代女性にとって、通勤時間がかからないというのは精神的にも身体的にも負担を減らすことができる点で、大きなメリットになります。

4-3.人気の設備が装備されている

女性の一人暮らしだと、マンションのセキュリティや部屋の設備も気になる点だと思います。

コンパクトマンションは部屋数が少ない代わりに、空間や一部屋当たりの面積が広めにとってあるのが特徴です。そのため狭い部屋だと入りきらないウォークインクローゼットや、独立洗面台を導入できるなど、単身者の女性にとって必要と思われる設備が装備できているという魅力があります。

4-4.プライベートも充実できる

通勤時間が少ない分、平日でも夕方から習い事や、同僚と食事に行くことができる点もシングル女性にとっては魅力的なのではないでしょうか。仕事でのキャリアアップのために習い事をする方もいらっしゃるでしょう。住居が会社から遠いと平日になかなか時間が取れず、土日にしかできないというケースも少なくありません。

仕事をしながら習い事をするとなると、平日の夕方に時間が取れるのはとても有難いことでしょう。都心で駅から10分以内の場所であれば、平日に習い事へ行くにも便利だと言えます。

さらに、コンパクトマンションはワンルームと違い寝室とリビングが分かれていますので、部屋に友人を呼んで楽しむことにも向いています。コンパクトマンションに住むことで、仕事が充実するだけでなくプライベートも楽しむことができるというメリットがあるのです。

4-5.ローンの返済が資産形成になる

家賃を払って賃貸物件に住んでいるのと異なりマンションを購入した場合は、ローンの返済が終われば無借金の不動産が残ります。ローンの返済を終えることで資産の形成に繋がります。

以下の表を見てみましょう。上記で家賃とローンの返済を比較した際の東京都新宿区の1LDK物件の相場です。この物件の家賃13万5,900円から毎年1%ずつ下落したと仮定して試算すると、35年後は9万7,539円になります。
  

現在の家賃 年間家賃下落率 35年後の家賃
13万5,900円 1% 9万7,539円

この物件で賃貸経営をした場合どうなるかを試算してみましょう。この物件を35年ローンで購入し、完済後に賃貸した場合の家賃収入は以下のようになります。
              

物件が生み出す家賃 年間家賃収入
9万7,539円 117万467円

毎月9万7,539円の家賃収入が発生し、年間では117万467円になります。このような形で資産形成ができるのは大きなメリットなのではないでしょうか。

5.購入シミュレーションと注意点

では、実際にコンパクトマンションを購入した場合、毎月の支払いや環境はどのように変わるのでしょうか。また、気を付けるべきポイントはどういった点なのでしょうか。

不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」に掲載されている、新宿区で2019年6月に販売予定の新築物件がありましたので、そちらでシミュレーションしてみたいと思います。

最寄り駅 広さ 間取り 価格
大久保駅徒歩5分、新大久保駅徒歩8分 42.01㎡~ 1LDK~ 3,900万円~

LIFULL HOME’S物件情報より引用

この物件を最安値で購入し、下記条件でローンを受けた場合の月々の支払額は8万814円になります。
   

融資額 金利 返済期間 月々の支払額
3,900万円 0.00525 35年 8万814円

*金利0.525%(12月1日店頭金利に対し▲年1.95%優遇)ボーナス併用払いボーナス時12万5,256円

別途ボーナス払いにはなりますが、月々8万814円のローン返済および維持費で新宿区のコンパクトマンションに住むことができます。このような形で、ローンを受ける際は月々の支払額や維持費を計算し、毎月の負担額が許容範囲かどうかを確認するようにしましょう。

金利が高かったり返済期間が短かったりすると、そのぶん毎月の返済額が増えて家計を圧迫することになりますので、必ず試算を行うことをおすすめします。また、数十年にわたってローンを返済し続けられるかどうか、リフォームや大規模修繕といった将来的なまとまった支出にも対応できるかどうかも合わせて計算に入れておくべきです。

次に、こちらのマンションを購入し居住した場合、通勤の移動負担がどれくらいかかるかを見てみましょう。

まずは以下の表を確認しましょう。これは総務省が調査した都道府県別の平均通勤時間のランキングです。通勤時間が長い県か12都県を抜粋しています。

都道府県名 時間.分
全国平均 1.19
神奈川県 1.45
千葉県 1.42
埼玉県 1.36
東京都 1.34
奈良県 1.33
大阪府 1.25
兵庫県 1.21
京都府 1.2
茨城県 1.19
愛知県 1.19
滋賀県 1.14
福岡県 1.14

*総務省統計局『通勤・通学時間が長い!?ランキング』から引用

この調査から通勤時間の全国平均は1時間19分だということがわかります。新宿区のある東京都は1時間34分が平均となっています。

では今回サンプルにしている新宿区のマンションから各主要駅までの移動時間を見てみましょう。以下は新大久保もしくは大久保駅からの電車移動の時間を示した表です。
               

行先 移動時間
池袋 6分
渋谷 13分
東京 22分
品川 22分
銀座 24分
上野 27分
浅草 34分
お台場(東京テレポート) 34分

Yahoo! Japan 路線情報調べ

これらの街までの移動であれば、駅と住居、会社間の徒歩時間を足したとしても1時間は超えないことが考えられますので、通勤やプライベートの用事でもストレスなく移動できるのではないでしょうか。

通勤の手間が省けるのは大きなメリットですが、不動産を購入するとなると、そこに長い間住み続けることが前提となってきます。そのため、ただ今の通勤に便利な立地を選ぶというだけではなく、物件の周辺環境や、将来的な転勤や転職の可能性もよく考えておく必要があるでしょう。

まとめ

今回は30歳前後のシングル女性に人気のコンパクトマンションについて、購入した場合にどのようなメリットがあるのかを見てみました。また、購入前には必ずシミュレーションを行いつつ、お金や将来の計画などと照らしながら買うかどうかを判断する必要があることも述べました。

マンションの購入を考える場合、仕事や結婚のことがあり、なかなか踏ん切りがつかないという方もいらっしゃると思います。特に30代前後の年齢では仕事だけでなくプライベートも色々と考えなければいけない時期かと思います。

コンパクトマンションは仕事を頑張りたい、プライベートを充実したい、あるいは結婚を考えている、という人でも無理なく住むことができるマンションです。マンションを購入しようか、あるいは賃貸のまま住み続けるか迷った時は、今回の解説を検討の材料にしていただければと思います。

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西宮光夏

不動産会社での勤務や、所有している不動産運用の経験をもとにHEDGE GUIDEでは不動産関連記事を執筆しています。現在は主にふるさと納税の記事を担当しています。ふるさと納税記事では、地域の人たちが心を込めて提供する返礼品の素晴らしさを、少しでも多くの人にお伝えできればと思っています。