不要になった不動産、売却か活用はどう判断する?比較の手順やポイントも

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不要になった不動産から収益を得たいが、売却か活用か、資産運用としてどのように有利不利を比較して判断したらよいのか、悩む方は少なくないのではないでしょうか。

不動産は個別性が強いため、それぞれの特性に合った活用方法を検討することが重要になります。そのため、売却・活用どちらの場合でも事前にしっかりと調査を行い、比較検証する作業が大切です。

本記事では、不要になった不動産の売却と活用を判断する際の比較手順とそのポイントについて解説していきます。

目次

  1. 不要になった不動産の売却か活用を検討する前に
  2. 不要になった不動産の売却と活用、比較の手順
    2-1.不動産の現時点の資産価値と流動性の査定
    2-2.不動産の活用方法を選び、初期投資額・活用収益を見積もる
    2-3.活用した場合の収入と売却した場合の収入を比較する
  3. 不動産売却と活用、比較のポイント
    3-1.不動産売却を行うタイミングを見計らう
    3-2.不動産を活用する場合、手元の現金が充分にあるか確認する
    3-3.他の資産運用と比較する
  4. まとめ

1.不要になった不動産の売却か活用を検討する前に

自己利用目的の側面から不要になった不動産を放置してしまうと、何も収入を生み出さないだけでなく、維持管理にコストもかかります。

また、建物部の価値は経年劣化によって下落していきます。原則として経年劣化の無い土地も、エリアによっては人口減少による地価下落によって、年々下落していく可能性があります。

これらの点を踏まえて資産運用の観点から考えれば、不要になった不動産は売却か活用を検討することの重要性は高いと言えます。

ただし、不動産の流動性は他の資産と比較して高くないため、売却の方が有利であると推測された場合でも、予想された資産価格で売却できるとは限りません。また、希望価格での売却が難しいケースもあります。

以下では、このようなことを踏まえて、売却か活用かを検討する手順とポイントについて説明していきます。

2.不要になった不動産の売却と活用、比較の手順

売却と活用、いずれを選択するかの比較の手順として、不動産の資産価値と流動性(必要な売却期間)を査定しましょう。次に、その不動産に適した活用方法を選び、初期投資額を見積もります。

最後に、将来の資産価値と将来の活用収益を見積もって、現時点で売却した場合の収入と比較します。以下、それぞれの手順について詳しく解説します。

2-1.不動産の現時点の資産価値と流動性(必要な売却期間)の査定

まず、売却した場合の収入を見積もるため、不動産の現時点の資産価値を査定しましょう。複数の不動産会社が登録している不動産一括査定サイトを利用すれば、実際に販売活動をせずとも、複数の不動産会社による査定を無料で受けることが出来ます。

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この際、査定価格とあわせて不動産売却に必要なおおよその期間についてもチェックしておきましょう。不動産は必ずしも査定価格で売却できるとは限らず、立地や土地の形状、建物の種類や古さ、売り出したときの需給状況などに影響を受けるためです。

2-2.不動産の活用方法を選び、初期投資額・活用収益を見積もる

不動産の活用を具体的に検討します。不動産の活用方法は、立地や土地の形状、建物の種類などによって変わってきます。

賃貸需要の多い地域であれば、アパートやマンション、賃貸用戸建などの選択肢が考えられます。一方、狭い土地や不整形地では共同住宅を建設することは難しいため、不動産活用の方法は絞られます。

所有している不動産の状況に応じて適切と考えられる活用方法を選んだら、活用のために必要な初期投資額や活用収益をシミュレーションします。

収益不動産の活用収益は、利回りによって算出できますので、相場利回りなどを参考にして見積もっていきます。活用方法によって、初期投資額・活用収益には大きな差があるので、個別の資金事情などに応じて設定することが大切です。

どのような活用手段が良いか迷ったり、事前調査の時間がとれない場合は「HOME4Uの土地活用サービス」の利用を検討してみましょう。

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また、土地の利用規制についてもHOME4Uを通して無料で診断できるため、土地調査の手間を省くことが出来ます。「どのような活用手段があるのか知りたい」「複数の活用手段を比較したい」という場合には、利用してみましょう。

2-3.活用した場合の収入と売却した場合の収入を比較する

最後に、活用した場合の収入と売却した場合の収入を比較する方法について見て行きましょう。ここでは、10年後の資産価値の見積もりと、現時点の資産価値と不動産を活用した場合の収入とを比較して、どちらが有利か検討します。

たとえば、10年後の資産価値について、地価は変わらないものとし、建物の減価部分を考慮するという方法が考えられます。10年間活用して収益を得るのであれば、次のような比較になります。

  • 売却した場合の収入:10年間活用した場合の収入
  • 現時点の資産価値:10年間の活用収益+10年後の資産価値

なお、より精緻に検討するのであれば、10年間活用した場合の収入は、将来の収入の不確実性を考慮し、1年ごとに一定の割引率で割り引いたり、必要な経費や借入するローンの金利・返済額についても考慮し、シミュレーションを行いましょう。

3.不動産売却と活用、比較のポイント

ここまで、不要になった不動産の売却と活用を比較する手順について説明してきました。どちらを選択するかを判断する際、どのようなポイントに注意して比較するのか確認して行きましょう。

3-1.不動産売却を行うタイミングを見計らう

所有している不動産が、流動性の高くない不動産であると評価された場合、活用する方がメリットは大きくなります。

また、流動性が高い不動産であっても、すぐに売却して現金収入を得るより、一定期間活用してから売却した方がトータルで得られる収益は大きくなる可能性があります。活用する場合においても、売却するタイミングを見計ることがポイントになるといえます。

3-2.不動産を活用する場合、手元の現金が充分にあるか確認する

すぐに売却するより、一定期間活用してから売却した方が有利であるとしても、活用収益は少額の収入を定期的に得ていくことになります。初期投資も必要になり、経済状況の変化によって一時的にキャッシュフローが悪化する可能性もあります。

活用していくことを検討する場合は突発的なトラブルに備え、現金収入が必要になる可能性がないか、手元資金は充分か、注意を払うようにしましょう。

3-3.他の資産運用と比較する

売却して現金化する場合、現金を定期預金として運用したとすると、0.002~0.2%程度の金利(2020年12月時点)になります。

不動産を売却して現金化するのであれば、売却後の現金の用途についても考慮しておくことが大切です。不要になった不動産の売却を検討する場合は、その資金を他の資産運用で運用した場合の収益と、不動産を活用した場合の活用収益とを比較してみましょう。

まとめ

不要になった不動産を、売却するか活用するかの判断には、不動産の流動性に配慮し、売却のタイミングを見計らうという視点から、現時点での資産価値と将来の活用収益を比較するとよいでしょう。

なお、不動産は個別性が強いため、それぞれの特性に合った活用方法を検討することが重要になります。売却・活用どちらの場合でも事前にしっかりと調査を行い、慎重に検討していきましょう。

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佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。