囲繞地(いにょうち)を高く売る方法は?注意点や不動産会社の選び方も

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囲繞地(いにょうち)とは、土地の利用が一部制限された土地です。囲繞地のようなやや特殊な条件を持った不動産の売却は、売却価格が希望に届かなかったり、売却が長期化してしまう可能性があります。

囲繞地の売却を検討している人の中には、どうすれば囲繞地を高く売却できるか考えている人も多いのではないでしょうか?

この記事では、囲繞地を高く売る方法、手順や注意点、不動産会社の選び方を解説します。

目次

  1. 囲繞地を高く売る4つの方法
    1-1.袋地の所有者に買い取ってもらう
    1-2.買取業者に買い取ってもらう
    1-3.袋地を買い取ってからまとめて売却する
    1-4.袋地とまとめて売却する
  2. 囲繞地を売却する際の不動産会社の選び方
  3. まとめ

1.囲繞地を高く売る4つの方法

民法の第210条に、他の土地に囲まれて行動に通じない土地の所有者は、公道に至るために土地を囲む他の土地の通行を許可する旨が記載されています。そのため、囲繞地の所有者は囲繞地に囲まれた袋地の利用者の通行を制限できません。

囲繞地を売却した後も、囲繞地を取得した人は、袋地の所有者の通行を認めなくてはならず、土地の使用を制限されます。このような背景のある囲繞地を高く売却する方法について詳しく見ていきましょう。

1-1.袋地の所有者に買い取ってもらう

囲繞地を必要とする袋地(ふくろち)の所有者に買い取ってもらうという方法が検討できます。袋地とは囲繞地に囲まれて接道していない土地のことで、囲繞地を通行しなければたどり着けない特徴があります。なお、袋地は無道路地と言われることもあります。

袋地の所有者は、囲繞地を通行するために、囲繞地の通行料を囲繞地の所有者に支払っています。囲繞地の通行料は囲繞地ごとに異なりますが、囲繞地を買い取って通行料の負担を抑えたいと考えている可能性があります。

他の人に売却する前に、まず袋地の所有者が購入検討できないかどうか確認をしてみましょう。

ただし、交渉は直接行わずに不動産仲介会社を通して行うことを検討しましょう。不動産売買取引は売主と買主の利益が相反するため、交渉によって関係性が悪化してしまう可能性があるためです。

1-2.買取業者に買い取ってもらう

次に、買取業者に買い取ってもらうという方法を検討してみましょう。買取業者に買取を依頼することで、仲介で買い手を探すよりもスムーズに売却できる可能性が高まります。また、買取は仲介手数料がかからない点もメリットとなります。

買取業者の中には囲繞地のような特殊な不動産買取を専門に行う業者も多く、一般住宅売買を主に行う仲介会社よりも高く売却できる可能性があります。

ただし、不動産市場の取引全体の傾向から見ると、不動産買取の価格は仲介時の7~8割程度になります。必ずしも高く売却できる方法ではないため、選択肢の一つとして他の方法と比較検討してみましょう。

1-3.袋地を買い取ってからまとめて売却する

袋地の所有者が売却を検討している場合は、袋地を買い取って1つの不動産として売却するという選択肢も検討できます。この場合、袋地と囲繞地という線引きがなくなり、資産価値が高まることで好条件での売却が期待できます。

しかし、袋地の取得には袋地の購入価格以外にも、不動産会社への仲介手数料、不動産取得税、登記費用など様々な費用が発生します。これらの差分以上に売却価格の向上が見込めるかどうか慎重に検討することが大切です。

1-4.袋地とまとめて売却する

自身に資力がないものの、袋地の所有者も売却を検討しているケースでは、売却のタイミングを合わせて袋地と囲繞地を1つの不動産としてまとめて売却するという選択肢もあります。

袋地を買い取ってからまとめて売却した場合と同様に袋地と囲繞地の線引きがなくなるため、袋地を買い取ってからまとめてから売却するケースより好条件での売却が期待できます。一時的に袋地を取得するための手数料や登記費用を抑えることにも繋がります。

ただし、袋地の所有者の売却時期と自分の売却時期を合わせる必要があり、購入検討者も一定規模の資金を準備できる人に限られます。売主が二人になることで交渉が難航する可能性も高まるため、やや難易度の高い売却方法と言えます。

2.囲繞地を売却する際の不動産会社の選び方

囲繞地を売却することが決まった場合、まずどの方法で売却するのかを検討します。袋地の所有者が関わる売却方法を選択する場合でも、トラブルを回避するために不動作仲介会社への依頼を検討してみましょう。

不動産会社に仲介を依頼する際、まずは複数の不動産会社へ不動産査定を依頼し、査定価格や査定の根拠、対応力などを比較した上で選ぶことが重要です。不動産会社によって査定方法や得意とする物件タイプが異なるため、売却価格に大きな差が出ることも少なくないためです。

下記は複数の不動産会社へ同時に査定依頼ができる不動産一括査定サイトの一覧です。無料で利用することが可能ですが、不動産査定サイトによって提携している不動産会社が異なるため複数サイトの登録も検討してみると良いでしょう。

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まとめ

囲繞地は袋地の所有者が公道に出る際の通行を認めなくてはならないため、土地の使用が一部制限されます。通常の不動産売買よりも買い手が見つかりにくい可能性があります。

今回は囲繞地を高く売却する4つの売却方法と注意点について解説しました。囲繞地のようなやや特殊な条件を持った不動産売却では、不動産会社の協力によって売却価格や売却スピードが大きく変動することも少なくありません。

複数の不動産会社を比較しながら、仲介依頼をする不動産会社選びを慎重に行ってみましょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。