米大手暗号資産メディアDecryptが、独自トークンである「Decrypt Token(DCPT)」を3月18日にローンチした。2020年3月5月に開催されたイーサリアムの大規模カンファレンスであるEthCCにて構想が発表されて以降、約1年越しの取り組みとなっている。
2020年中旬より、約半年間のテストフライトが行われてきたDecrypt Tokenの取り組みだが、今回のローンチに伴いモバイルアプリを通して全てのユーザーが利用できるようになった。
トークンは、Decryptで公開されている記事を読んだりシェアしたりすることで獲得することができる。記事を読んだかどうかは、当該のページを一定の時間以上開いていることで判定されるようだ。
獲得したトークンは、専用のデジタル報酬と交換することができる。現時点では未公開となっているが、近い将来「Drops」という名称でデジタル報酬の仕組みが提供されるという。
Decryptは、デジタルメディアの力を取り戻すと主張した上で今回の取り組みに着手していた。Decryptによると、近年のメディアにはいくつもの課題が存在しているという。
FacebookとGoogleの登場によりインターネットが一元化され、その過程で従来のメディア事業のマネタイズモデルは破壊されたとしている。また、メディア業界は一部の権力者によって独占化され、真に正しい情報へアクセスすることは困難になっているという。
こういった状況に対して、暗号資産・ブロックチェーンの仕組みは効果的に働く可能性が高いと説明。Decrypt Tokenを組み込むことで、デジタルメディアの主役を読者にすることができるという。
またDecryptは、独自トークンをローンチした背景としてユーザーに身近な暗号資産・ブロックチェーンの体験を提供したいという思いがあったとしている。誰でも簡単にウォレットをセットアップすることができ、記事を読むだけでトークンを獲得できる体験は、さらなる市場の拡大を促すことができるという。
実際にアプリをインストールしてウォレットをセットアップしてみたが、覚えておかなければならない24単語からなるシードフレーズやトランザクションの待機時間などは発生しなかった。
Decrypt TokenがWebメディアにどのような影響を与えるのか、また新たなビジネスモデルのスタンダードとなるのか、引き続き注目していきたい。
【参照記事】Decrypt Launches Its Own Reader Token
株式会社techtec リサーチチーム
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