東南アジアの海外不動産投資、各国の違いは?主要5ヶ国の人口やGDPを比較

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東南アジアの海外不動産には、物件価格が安価で高利回りのものも多くなっています。そのほかキャピタルゲインも期待できるという点で、東南アジアへの不動産投資に注目している方も少なくありません。

しかし、東南アジアと言っても複数の国が含まれ、各国の経済動向も異なっています。どの国の不動産を所有すれば良いのか、わからないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、人口やGDPなどの指標について、フィリピン・ベトナム・カンボジア・タイ・マレーシアの5ヶ国を比較します。

目次

  1. 東南アジアの海外不動産投資、5ヶ国の人口
    1-1.東南アジア5ヶ国における人口推移
    1-2.東南アジアの人口密度を比較
    1-3.東南アジアの人口増加率を比較
  2. 東南アジアの海外不動産投資、5ヶ国の経済を比較
    2-1.東南アジア5ヶ国におけるGDP成長率推移
    2-2.東南アジア5ヶ国における1人あたりGDP
    2-3.東南アジア5ヶ国におけるGNI
  3. まとめ

1.東南アジアの海外不動産投資、5ヶ国の人口

まず、東南アジア5ヶ国の人口に関するデータを比較します。

1-1.東南アジア5ヶ国における人口推移

2011年以降における東南アジア各国の人口推移は以下グラフの通りです。

東南アジア各国の人口推移

※参照:United Nations Population Fund「World Population DashboardViet Nam

5ヶ国の比較において、2020年時点で最も人口が多いのはフィリピンであり、2番目はベトナムとなっています。なお、2020年時点における各国の人口は以下の通りです。

フィリピン マレーシア タイ カンボジア ベトナム
1億958万1,085 3,236万5998 6,979万9,978 1,671万8,971 9,733万8,583

※単位:人
※参照:同上

例えばカンボジアなどは1991年まで内戦が続いていたこともあり、5ヶ国の中では人口が唯一1,000万人台と少なめです。そのほか、マレーシアは経済発展が進んでいる一方で、人口は5ヶ国の中では多くありません。

1-2.東南アジアの人口密度を比較

国の人口には国土面積もかかわりがあります。国土面積が広い国では人口も多くなりやすいためです。人口に関する指標として、もう1点人口密度について比較します。

フィリピン マレーシア タイ カンボジア ベトナム
367.5人 98.5人 136.6人 94.7人 313.9人

※2020年における1㎢あたりの人口
※参照:世界銀行「World Bank Open Data

カンボジアは人口が多くないものの、人口密度はマレーシアと大きな違いがありません。また、フィリピンとベトナムはそれぞれ1㎢あたりの人口が300人を超えています。なお、2020年における日本の1㎢あたり人口は345.2人であり、フィリピンの人口密度はすでに日本を上回っています。

人口密度が高いエリアでは集合住宅のニーズが増加するため、フィリピンやベトナムなどは特に、コンドミニアム投資に向いたエリアであると言えます。なお、東南アジアの不動産投資では、集合住宅であるコンドミニアムの投資が主流です。

1-3.東南アジアの人口増加率を比較

人口に関する指標として、最後に各国の人口増加率を比較します。国際連合の統計によると、2015年から2020年における各国の平均人口増加率は以下の通りです。

フィリピン ベトナム カンボジア タイ マレーシア
1.4% 1.0% 1.5% 0.3% 1.3%

※参照:United Nations Population Fund「World Population Dashboard

同期間における日本の人口増加率は-0.2%となっており、東南アジア各国では、人口減少傾向にある日本と比較して人口増加を続けている点が特徴的です。なお、各国の比較では、タイが1%を切っています。

5ヶ国の中では他に1%を切っている国はないので、他の国と比較すると、タイ不動産は人口増加を背景にしたキャピタルゲインに少し不安があると言えるでしょう。人口が増加しているエリアでは、住宅需要の拡大に伴う不動産価格の上昇を期待できるためです。

2.東南アジアの海外不動産投資、5ヶ国の経済を比較

続いて、東南アジア5ヶ国の経済状況について比較します。経済成長率が高い国では、物価上昇や国民所得の上昇を背景としたキャピタルゲインの期待が大きくなります。

2-1.東南アジア5ヶ国におけるGDP成長率推移

IMFが公表している統計によると、東南アジア各国におけるGDP成長率の推移は以下グラフのようになっています。

東南アジア各国におけるGDP成長率推移

※参照:IMF「Real GDP growth

なお、2021年の予測GDP成長率は以下表の通りです。

フィリピン ベトナム カンボジア タイ マレーシア
3.2% 3.8% 1.9% 1.0% 3.5%

※参照:同上

新型コロナウイルスが世界各国で拡大した2020年を除くと、どの国もプラスで推移していることがわかります。なお、各国間の比較ではタイのGDP成長率は比較的低めです。

そのほか、各国が2020年にGDP成長率をマイナスとする中で、ベトナムは唯一プラス成長を保っています。フィリピンは2020年に成長率を-9.6%まで下げましたが、2021年の予測成長率は3.2%とベトナム・マレーシアに次いで高くなっています。

2-2.東南アジア5ヶ国における1人あたりGDP

IMFが公表している統計によると、東南アジア各国における1人当たりGDPは以下の通りです。

フィリピン ベトナム カンボジア タイ マレーシア
$3,490 $3,740 $1,650 $7,810 $11,120

※2021年の予測
※参照:IMF「GDP per capita, current prices

5ヶ国の中で1人当たりGDPが最も高いのはマレーシアです。マレーシアは5ヶ国間で唯一$10,000を超えています。2番手がタイで、フィリピンとベトナムは概ね同程度の水準です。

なお、内閣府によると、先進国の定義はOECDの加盟国で1人当たりGDPが$10,000を超えている国です。マレーシアは1人当たりGDPが$10,000以上という条件を満たしていますが、2021年時点ではまだOECDに加盟していません。

OECDに加入するためには審査を通過することが必要です。しかし、既に1人当たりGDPの基準をクリアしている上に、2021年のGDP成長率も高い水準にあるため、マレーシアは先進国にかなり近い状態にあると言えるでしょう。

2-3.東南アジア5ヶ国におけるGNI

つづいて、東南アジア5ヶ国における1人当たりGNIを比較します。1人当たりGNIとは、Gross National Incomeの略語です。居住者が1年間で国内外から得た所得の合計を表しています。

フィリピン ベトナム カンボジア タイ マレーシア
$3,430 $2,650 $1,500 $7,040 $10,570

※2020年の統計
※参照:世界銀行「World Bank Open Data

1人当たりGNIの数値もGDPの数値を反映したような形になっています。5ヶ国間の比較ではマレーシアが唯一$10,000を超えており、2番手のタイに$3,000以上の差をつけているのが特徴的です。

人口や経済に関するそれぞれの指標を見ると、カンボジアは経済成長の余地を持っているという見方も出来るでしょう。

まとめ

東南アジアには人口と経済の両面で成長著しい国が多く、キャピタルゲインの期待が大きい点が特徴的です。しかし、マレーシアは既に先進国と言えるほど発展が進んでいる一方で、カンボジアは経済的な側面で成長の余地が大きいなど、国によって状況は大きく異なります。

東南アジアで海外不動産投資を検討するのであれば、各国の状況をしっかり把握したうえで、メリットとデメリットを整理することが大切です。情報収集をしながら、自身の投資目的に合わせて投資対象国を選択してみましょう。

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